近年、労働環境をはじめとする待遇等が原因で保育士の離職率が増加傾向にあり、人手不足や待機児童問題などの社会問題にも発展しています。こうした問題を解決するためにも、保育士の業務改善は不可欠です。
しかし、自園の環境を改善したいが「どうすれば良いのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、保育士の業務改善のアイデア・成功事例を中心に紹介します。
- 保育士の業務改善の事例を把握して自園の取り組みに役立てたい
- 保育士の業務を効率化する具体的なアイデアを知りたい
- 業務内容に即アクセスできて保育士の負担を削減する方法を知りたい
という方は今回の記事を読むと、現状の見直すべき課題を把握しつつ、業務改善に効果的な方法が分かります。
目次
保育園での働きやすい環境づくりが重要視される理由
はじめに、保育園での業務改善が重要視される理由を解説します。保育業界の直面する問題を把握して、自園でどのような取り組みができるか検討しましょう。
保育士が不足しているから
保育士の業務改善を実現すべき一番の理由は、慢性的な保育士の人材不足です。
厚生労働省「保育士の就業の実態」>保育分野における人材不足の現状 1
によると、「保育資格を有しながら保育士としての就職を希望しない求職者のうち、保育士としての勤務経験がある」人の半数が勤続5年未満となっており、早期離職しています。
加えて、全国で有効求人倍率が1倍を超えていることからも、深刻な問題だと言えます。全国で保育士が不足している以上、園では今いる人材で最大限のパフォーマンスが発揮できる仕組みづくりが求められるのです。
したがって、保育施設の経営では、「労働環境の改善」や「業務負荷の軽減」などの対策をしましょう。
業務量が多いから
保育士の業務改善をするべき二つ目の理由は、業務量が多いことです。
保育士の業務は子どもたちのお世話だけでなく、保護者に渡す連絡帳を書いたり、お便りや掲示物、イベントの道具などを作成したりするなど、複数の事務作業を並列しなければなりません。
とくに、児童福祉事業の仕事は、まだまだ手作業なことも多く非効率なので、勤務時間外に対応しなくてはならないのが現状です。このような業務量の多さは保育士の離職にもつながっており、結果として保育士の人材不足の一因となっているのです。
保育士の業務改善の成功事例4選
以下では、保育士の業務改善の成功事例4選を紹介します。他園の事例を把握して、自園の取り組みに役立てましょう。
※こちらでご紹介する事例はこども家庭庁>「保育分野の業務負担軽減 業務の再構築のためのガイドライン 業務改善実践に向けた事例集」(厚生労働省)を参考にしております。
(1)認可保育所 茂呂塾保育園

認可保育所 茂呂塾保育園では、様々な取り組みを実施していたにも関わらず、施策内容や評価などを記録していなかったために、第三者評価で評価されない課題がありました。
そこで、園内のネットワーク環境を整え、共有フォルダを構築するなどICT環境を整備しました。また、「園のスタイルに合っているか」を職員全員で検討しながら、ITツールを導入し、職員同士が簡単に情報共有できる仕組みをつくったのです。
その結果、どの端末からも資料を確認して仕事ができるようになったので、職員間で業務を手分けしながら、子どもとじっくり関われるようになりました。また、残業をすることなく、仕事と家庭を両立して、長く働ける職場環境を整えられました。
(2)認可保育所 心羽えみの保育園石神井台

認可保育所 心羽えみの保育園石神井台では、離職が非常に多い状態にありました。そこで、職員にヒアリングした結果「事務作業が苦手」「業務量が多く感じられる」「職員の能力に依存」「人間関係が悪化」という課題が浮かび上がりました。
そこで、ITツールを導入して「登降園管理」「出退勤」「指導計画」「日誌」「園だより」などをすべてツール上で作成・配布するようにしました。また、ICTスキルのある職員が自発的にレクチャーするなど、職員同士が互いに助け合いながら運用を進めました。
その結果「経験年数問わず誰でも同じ水準で資料を作成・提出できる」「日中にタブレットから子どもの様子を記録・配信できる」ようになり、残務も減少しました。そのため、退職者が減少したうえ、職員間のコミュニケーションも生まれるようになったのです。
(3)認可保育所 ハッピードリーム鶴間

認可保育所 ハッピードリーム鶴間では、職員が仕事を楽しめていないという現状を変えるために異業種から来た現園長がICT化に取り組み始めました。
そこで、保育計画や保育の活動記録を保存しておくことで、前年度のものを活用した資料作りを行いました。また、保護者との連絡にSNSアプリを導入し、保護者に保育が見えるようにしました。
その結果、保育士の事務作業の負担が軽減され、より子供に目を向けられるようになりました。また、残業時間や有給休暇についてもデータで管理されるようになり、離職率低下につながりました。
(4)カミヤト凸凹保育園

カミヤト凸凹保育園では、保育士に業務の中でより多くのやりがいを感じてもらいたいと思いICT化を進めました。
そこで、スマートフォンを活用しICT化に取り組みました。例えば、子供の様子を写真にとってその場で保護者に共有したり、お散歩のときに地図アプリを子供に見せたりしています。
その結果、園児が楽しく登園できるだけでなく、保護者からの喜びの声が保育士のやりがいにもつながっています。
【負担軽減】保育士の業務改善のアイデア3選
以下では、保育士の業務を改善する具体的なアイデアを3つ解説します。時間外労働が日常的になりがちな保育士の残業を削減するためにも、以下のような手法を取り入れましょう。
アイデア1|やるべきことの優先順位を決める
1つ目に、やるべきことの優先順位を決めることが大切です。
たとえば、「クラス会の準備」という大まかなタスクがある場合、そのまま手当たり次第作業を進めるのではなく、以下のように内容を細分化します。
- 保護者への連絡
- 会場の設営
- 当日共有すべき情報の整理
- 当日の流れのおさらい
上記のように、やるべきことを細分化して管理することで、期日が近づいて焦る心配がなくなり、結果として負担軽減にもなるのです。
アイデア2|業務内容を共有する
2つ目に、業務内容はこまめに共有し合いましょう。
具体的には、アイデア1で細分化したやるべきことをまとめて、細かい「進行マニュアル」を作成・共有しておく手法が役立ちます。結果、急遽担当の先生が休んだときにも、手が空いている保育士がサポートに回りやすくなるのです。
このように、職員間で業務内容を共有しておけば、「緊急性の高い業務に誰も対応していない」「業務時間を過ぎてから未対応の業務に慌てて対応する」といった事態を回避できるようになります。
アイデア3|ITツールを活用する
3つ目に、保育士の負担削減には、ITツールの活用もおすすめです。
たとえば、情報の蓄積に特化したITツールを使えば、従来、紙やExcelを使っていた日報やシフト管理、行事のマニュアルなどのあらゆる情報を、いつでも見返せるように蓄積できるのです。
また、テキストだけでなく画像や動画も蓄積・共有できるツールであれば保育活動でのリアルな状況を残すことができます。
ただし、PCのみでしか使えないツールでは、出先で使えないため注意が必要です。たとえば、マルチデバイス対応の「Stock」であれば、残しておきたい情報をその場で記録しておけます。
業務に関わる情報をすぐに残せて、保育士の負担を軽減するツール
ここでは、「業務に関わる情報をすぐに残せて、保育士の負担を軽減するツール」を紹介します。
保育士の業務を改善するポイントとして、ITツールの活用があげられます。情報共有や毎日の資料作成に「テンプレート機能」の付いたITツールを導入することで、資料を一から作成する必要がなくなり、業務の効率化につながります。
しかし、多機能で複雑ではITツールに不慣れなメンバーが使いこなせず定着しません。そのため、「操作がシンプルで誰でもすぐに使いこなせるツール」を導入するべきです。
結論、保育士の業務改善に最適なツールは、誰でも直感的に業務に関する情報を残しておける情報共有ツール「Stock」一択です。
Stockの「ノート」では、「テンプレート機能」で見やすく資料をまとめられるうえ、PC・スマホ・タブレットいずれでも操作可能です。また、ノートに紐づく「メッセージ」ではノートに関するやり取りのみを管理でき、情報が流れてしまうことも防げます。
保育園での資料作成・情報管理に役立つツール「Stock」

/ 情報ストック、タスク管理、メッセージ機能 /
チームの情報を、最も簡単に管理できるツール「Stock」
Stockは、社内のあらゆる情報を、最も簡単に「管理」できるツールです。「社内の情報を、簡単に管理する方法がない」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート」の機能を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残せます。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用すると、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散せず、常に整理された状態で業務を遂行できます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITの専門知識がなくてもすぐに使える
「ITに詳しくない65歳の方でも、何の説明もなく使える」程シンプルです。
- 社内のあらゆる情報を、最も簡単に「ストック」できる
作業依頼、議事録・問い合わせ管理など、あらゆる情報を一元管理可能です。
- 驚くほど簡単に、「タスク管理」「メッセージ」もできる
直感的な操作で、「タスクの担当者・期日の設定」と「メッセージでのやりとり」が可能です。
<Stockの口コミ・評判>
![]() 塩出 祐貴さん
松山ヤクルト販売株式会社 |
「強烈な『ITアレルギー』がある弊社にも、Stockならば、一切混乱なく導入できました」 ★★★★★ 5.0 弊社の宅配部門のスタッフの半分近くは50代以上と高齢で、キーボード入力が苦手なスタッフもいるほど、ITツールへの強い抵抗感がありました。しかし、Stockは他ツールに比べて圧倒的にシンプルで、直感的に使えるため、予想通り非常にスムーズに使い始めることができました。 |
![]() 竹原陽子さん、國吉千恵美さん
リハビリデイサービスエール |
「会社全体が、『Stock(ストック)さえ見ればOK』という認識に180度変わった」 ★★★★★ 5.0 特に介護業界では顕著かもしれませんが、『パソコンやアプリに関する新しい取り組みをする』ということに対して少なからず懸念や不安の声はありました。しかしその後、実際にStock(ストック)を使ってみると、紙のノートに書く作業と比べて負担は変わらず、『Stock(ストック)さえ見れば大半のことが解決する』という共通の認識がなされるようになりました。 |
![]() 江藤 美帆さん
栃木サッカークラブ(栃木SC) |
「ナレッジが属人化しやすいプロスポーツクラブには、Stockを非常に強くお勧めします!」 ★★★★★ 5.0 元々悩んでいた『ナレッジがブラックボックス化してしまう』という問題が、驚くほどうまく解消されました。 『Stockさえ見れば、すぐに必要な情報を把握できる』という状況を作り出すことに成功し、明らかに生産性が向上しました。 |
<Stockの料金>
- フリープラン :無料
- ビジネスプラン :500円/ユーザー/月
- エンタープライズプラン :1,000円/ユーザー/月
※最低ご利用人数:5ユーザーから
<Stockで保育日誌を作成する例>
以下は、Stockを使って作成した保育日誌の例です。

Stockでは、「ノート」に記入した保育日誌や連絡事項が瞬時に共有されます。また、以下のようにテンプレート登録しておけば、一から入力する手間を削減できます。

保育士の業務を軽減・効率化する3つのポイントとは
ここでは、保育士の業務を軽減・効率化する3つのポイントを解説します。自園の運営に課題を感じている場合、以下のポイントをおさえて早急に改善しましょう。
(1)保育補助者の活用
1つ目に、保育補助者を積極的に活用しましょう。
保育補助では、保育資格の有無に関わらず「子どもと関わる仕事がしたい」「資格取得の勉強をしている」という方が、保育現場において保育士をサポートしてくれます。そして、人手が増えるので、その分だけ一人あたりの負担も少なくなるのです。
このように、園で保育補助者を採用すれば、保育士の時間外労働の短縮が実現して、働きやすい環境づくりへとつながるのです。
(2)情報共有の見直し
2つ目に、情報共有の見直しをしましょう。
保育士の業務には「子どもに関する情報」や「行事の持ち物や注意事項」などの発信があります。しかし、情報発信のために各先生が都度メモをとったり、印刷して配ったりするのは面倒なので、ツールを活用して簡単に情報共有できる仕組みを作りましょう。
また、保育園では、季節の行事や遠足などの年間スケジュールは決まっています。そこで、「年中行事のマニュアル」や「小道具の保管場所」といった情報をツールを用いて管理・共有しておけば、昨年の流れを踏襲してスムーズに実施できるようになります。
このように、業務を効率化するには、先生同士で簡単に情報共有できるツールが必要ですが、LINEはプライベートと混同するので不適切です。そこで、あらゆる情報をノート形式で残せる「Stock」のようなツールで、仕事の連絡を完結させましょう。
(3)働き方の見直し
3つ目に、保育現場の働き方そのものの見直しが必要です。たとえば、以下のような取り組みは業務効率の向上に効果があります。
- 会議の内容はあらかじめテキストにまとめておき、口頭で説明する手間を省く
- 従来、手作業だった書類業務などはデジタル化する
- それぞれの担当する業務を把握して、サポートし合える仕組みをつくる
ただし、3に関しては、口頭や紙での情報共有では「誰が」「いつ」「何をやっているか」をすぐに把握できません。そこで、スマホやタブレットにも対応している情報共有ツールを使えば、忙しくてもほかの保育士の業務進捗をすぐに確認できるのです。
保育士の業務改善と役立つツールまとめ
ここまで、保育士の業務改善と役立つツールを中心に紹介しました。
保育士の業務改善に最適な方法として、ITツールの導入があげられます。資料作成や情報共有を円滑にできれば、事務作業にかかる時間を削減できるのです。
ただし、PCだけでなくスマホでも情報の更新・確認が可能なツールでなければ、手元で内容を確かめられません。そのため、シフト制でも問題なく連絡が取りあえるように、マルチデバイス対応のツールかを確認しましょう。
したがって、自園で導入するべきツールとしては、スマホからもアクセス可能で、資料の作成・管理・共有を簡単にできる情報共有ツール「Stock」が最適です。
ぜひ「Stock」を導入して、保育士の業務改善のための仕組みを整えましょう。
関連記事: 幼稚園のICT化とは?メリットや注意も徹底解説