業務のDX化が推進されている現在、司法書士事務所でもクラウドツールが導入されるケースが増えています。クラウドとはインターネット上で情報管理できる仕組みのことで、時間や場所を問わずにアクセスできるメリットがあります。
そのため、これまでの非効率な事務作業がクラウドツールによって効率化して、スタッフの業務負担が軽減されるのです。
しかし、現在ではクラウドツールの種類は多種多様なので選定は簡単ではありません。そのため、「どれが業務環境に合っているのか判断できない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、司法書士事務所に最適なクラウドツールと選定ポイントを解説します。
- 司法書士の煩雑な事務作業をサポートしてくれるツールが欲しい
- 重要な書類作成や登記・供託の手続きなどが抜け漏れないように管理したい
- 法律問題の相談やコンサルティングをスムーズに進めたい
という担当者の方がこの記事を参考にすれば、適切な選定ポイントが理解できるだけでなく、最適なクラウドツールが見つかります。
目次
司法書士事務所向けクラウドツールの選定ポイント3選
以下では、司法書士事務所に最適なクラウドツールを選定するポイントを解説します。有名なクラウドツールを無計画に導入すると、業務環境に合わずに無駄になる恐れがあるため必見です。
(1)書類提出などの期限を管理できるか
はじめに、抜け漏れが許されない書類の作成・提出の期限を管理できるかをチェックしましょう。
司法書士の業務は、不動産登記や成年後見業務など依頼人の資産や権利を守るための重要な役割を担っています。そのため、各種手続きを代理する司法書士は書類の作成から提出、事後処理にいたるまで、確実に期限を守らなければなりません。
このように、手続きの抜け漏れができない仕事には「書類ごとに期限を設定できるクラウドツール」が活躍します。たとえば、不動産登記に関する書類に、住民票などの提出を依頼することをタスク設定しておけば忘れる心配はありません。
(2)司法書士補助者と簡単に連絡がとれるか
次に、司法書士補助者とスムーズに業務連絡がとれるかも確認しましょう。
メールやLINEでやりとりする方法もありますが、メールはさかのぼるのに手間がかかり、LINEはプライベートでも利用するのでセキュリティ面で不安があります。そのため、「依頼人や業務ごとにやりとりを分けられて、セキュリティも強固なツール」が必須です。
たとえば、書類ごとにメッセージが紐づけられるクラウドツールを使うことで、複数の話題が混ざらないだけでなく、目的の情報をすぐに見つけられます。また、一部のツールはアクセスできるスタッフを制限できるため、安心して仕事が進められるのです。
(3)依頼人ごとに情報管理できるか
最後に、依頼人ごとに情報をまとめられるかをチェックしましょう。
司法書士事務所では複数の案件を同時並行しており、それぞれで多くの個人情報を取り扱っています。それゆえに、適切な管理のためにも依頼人ごとに必要書類を管理できる機能は必須です。
ただし、Googleドライブなどのストレージツールはフォルダ(ファイルデータを分類する箱)が増えすぎてアクセスしづらくなります。そのため、わずかな操作で目的の書類を見つけられるシンプルさが必要です。
司法書士事務所向けのおすすめクラウドツール4選
以下では、司法書士事務所に最適なクラウドツール4選をご紹介します。
依頼人の資産や権利を守る司法書士の仕事はあらゆる書類を扱っており、これまでの方法で適切な管理をするのは困難です。また、書類ごとに複数の手続きがあるため、抜け漏れを起こさないためにもクラウドツールを導入しましょう。
ただし、司法書士業界でも高齢化が進んでおり、強引に多機能なツールを取り入れても使いこなせない恐れがあります。そのため、誰でも直感的に操作できるほどシンプルなクラウドツールが最適です。
結論、司法書士が活用すべきなのは、あらゆる情報をストックする「ノート」があり、ノートごとに仕事の期限を設定できる「タスク」が紐づいた「Stock」一択と言えます。
Stockは必要な機能に過不足がないため、ITに詳しくない65歳が説明なしで使えるほどシンプルであり、さらに低コストで運用できます。また、Stockのノートには「メッセージ」も紐づいているので、スタッフ同士のやりとりが混ざることもありません。
【Stock】非IT企業の65歳が説明なしで使えるツール
「Stock」|最もシンプルな情報ストックツール
Stockは、社内のあらゆる情報を、最も簡単に「ストック」できるツールです。「社内の情報を、簡単にストックする方法がない」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート」の機能を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残せます。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用すると、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散せず、常に整理された状態で業務を遂行できます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITに詳しくない数人~数千人の企業向け
ITの専門知識がなくても問題なく、あらゆる企業が簡単に始められます。
- とにかくシンプルで、誰でも使える
余計な機能は一切なくシンプルなツールなので、誰でも簡単に情報を残せます。
- 驚くほど簡単に「情報ストック」と「タスク管理」ができる
社内の共有情報等の「情報ストック」が驚くほどしやすく、さらに直感的な「タスク管理」も可能です。
<Stockの口コミ・評判>
塩出 祐貴さん
松山ヤクルト販売株式会社 |
「強烈な『ITアレルギー』がある弊社にも、Stockならば、一切混乱なく導入できました」 ★★★★★ 5.0 弊社の宅配部門のスタッフの半分近くは50代以上と高齢で、キーボード入力が苦手なスタッフもいるほど、ITツールへの強い抵抗感がありました。しかし、Stockは他ツールに比べて圧倒的にシンプルで、直感的に使えるため、予想通り非常にスムーズに使い始めることができました。 |
加井 夕子 さん、海野 紘子 さん
SBIビジネス・イノベーター株式会社 |
「SBIグループの厳格なセキュリティ基準をも満たす、誰にでもお勧めの情報ストックツールです」 ★★★★★ 5.0 当社が導入するシステムには非常に厳格なセキュリティ基準を満たすことが要求されていますが、Stockのシステムは極めて高度なセキュリティ基準で開発・運営されているため、SBIグループのセキュリティ基準でも全く問題なく導入することができました。 |
江藤 美帆さん
栃木サッカークラブ(栃木SC) |
「ナレッジが属人化しやすいプロスポーツクラブには、Stockを非常に強くお勧めします!」 ★★★★★ 5.0 元々悩んでいた『ナレッジがブラックボックス化してしまう』という問題が、驚くほどうまく解消されました。 『Stockさえ見れば、すぐに必要な情報を把握できる』という状況を作り出すことに成功し、明らかに生産性が向上しました。 |
<Stockの料金>
- フリープラン :無料
- ビジネスプラン :500円/ユーザー/月
- エンタープライズプラン :1,000円/ユーザー/月
【司法くん】独立開業を目指す司法書士のサポートシステム
<司法くんの特徴>
- データと書類作成を連動して作業効率を高めるツール
- サポート体制が充実している
司法くんはデータと書類作成を連動させたシステムによって、入力したデータを全ての書類に反映させて作業効率を高めます。
キャリアが長い専属の担当者がサポートにつくため、運用するうえでトラブルがあった場合も安心です。
<司法くんの機能・使用感>
- オンライン申請機能
- 登記情報管理機能
書類の作成・管理だけでなく、オンライン申請機能も備えているため、別の申請ソフトを使う必要はありません。
登記情報を連動させると、入力・更新・修正したデータが全ての書類に反映されます。そのため、同じデータを何度も入力する手間がなくなり、効率よく書類を作成できるのです。
<司法くんの注意点>
- メッセージ機能が乏しい
- 初期費用がかかる
メッセージ機能が充実していないため、業務連絡をする場合は他のツールを使う必要があります。
司法くんは、基本プラン料金に加えて全プランに初期費用がかかります。そのため、導入コストが比較的高額です。
<司法くんの料金体系>
- トライアル5プラン:詳細は要問い合わせ
- 年額プラン:詳細は要問い合わせ
- 司法くん:詳細は要問い合わせ
【Eight Team】名刺情報がクラウドで管理できるツール
<Eight Teamの特徴>
- 名刺データをまとめて一元管理するツール
- エクセルなどのデータを取り込める
名刺をデジタルデータに変換してクラウド上で保存するので、大事な顧客情報も安心して管理できます。
エクセルなど別のツールで名刺管理している場合でも、Eight Teamにデータを移行できます。
<Eight Teamの機能・使用感>
- 名刺共有機能
- 検索機能
チームで顧客の名刺を共有できるので、他のメンバーが抱える顧客もクラウド上でスムーズに把握できます。
検索機能を使って、データ化した名刺の情報をすぐに見つけられます。そのため、膨大な量の名刺を管理する場合でも、目的の情報にスムーズにアクセスできるのです。
<Eight Teamの注意点>
- トライアル利用できない
- 運用コストがかかる
Eight Teamはトライアルが用意されていないため、導入前に詳細な使用感を把握できません。
基本使用料12,000円/月に加え、11人以上で利用する場合はユーザーあたりのアカウント料もかかります。そのため、運用コストを抑えたい場合には合わない可能性があります。
<Eight Teamの料金体系>
- 基本使用料:18,000円/月
- アカウント料:500円/ユーザー/月(11ユーザー以降)
- オプション:要問い合わせ
【formrun】簡単にフォームを作成できるツール
<formrunの特徴>
- クリックだけで簡単にフォームを作成できる
- メールフォームを簡単に埋め込める
クリックだけで簡単にフォームを作成できるので、複雑なコードやデザインの知識は不要です。
作成したメールフォームをWebページに簡単に埋め込みできます。
<formrunの機能・使用感>
- 豊富なテンプレート機能
- データ連携機能
各場面に合わせた豊富なテンプレートを備えており、テキストを入力するだけでフォームを作成できます。そのため、フォーム作成に費やす時間を短縮して、作業効率化につながるのです。
フォームの回答データはGoogleスプレッドシートやSalesforcに出力できるので、顧客管理にも役立ちます。
<formrunの注意点>
- FREEプランは1つしかフォーム作成できない
- コストに見合わない可能性がある
FREEプランで作成できるフォームは1個/月なので、ビジネスで複数のフォームを作りたい場合には有料プランの契約が必要です。
利用しているユーザーからは「コストパフォーマンスが悪い」という声があります。(参考:ITreview)
<formrunの料金体系>
- FREE:0円(フォーム作成数:1個)
- BEGINNER:3,880円/月(フォーム作成数:5個)
- STARTER:12,980円/月(フォーム作成数:50個)
- PROFESSIONAL:25,800円/月(フォーム作成数:無制限)
司法書士事務所向けのクラウドツール比較表
Stock【一番おすすめ】 | 司法くん | Eight Team | formrun | |
---|---|---|---|---|
特徴 |
非IT企業の65歳が説明なしで使えるツール |
独立開業を目指す司法書士のサポートシステム |
名刺情報がクラウドで管理できるツール |
簡単にフォームを作成できるツール |
注意点 |
データの計算機能は搭載していない |
メッセージ機能が乏しい |
トライアル利用できない |
コストに見合わない可能性がある |
料金 |
・無料
・有料プランでも1人あたり500円/月〜 |
・無料プランなし
・有料プラン:詳細は要問合せ |
・無料プランなし
・有料プランは18,000/月~ |
・無料プランあり
・有料プランは3,880円/月~ |
公式サイト |
「Stock」の詳細はこちら |
「司法くん」の詳細はこちら |
「Eight Team」の詳細はこちら |
「formrun」の詳細はこちら |
<番外編>司法書士の事務処理向けクラウドツール
以下では、司法書士事務所での事務処理に役立つツールを紹介します。勤怠・労務管理に悩んでいる方は必見です。
【freee人事労務】人事の事務作業を効率化するツール
<freee人事労務の特徴>
- 複雑な労務事務をクラウドで1つにまとめるツール
- 法令改正に自動対応
勤怠管理や給与計算、マイナンバー管理、入退社手続きなど労務に関するあらゆる情報をクラウドで一括管理します。
定期的なアップデートを実施して常に最新の法令に対応させています。
<freee人事労務の機能・使用感>
- 給与の自動計算
- アラート通知機能
残業代や社会保険料、源泉所得税などを集計して正確な給与を自動で計算します。そのため、計算ミスによるトラブルを防ぐほか、給与計算にかける工数を削減できます。
打刻忘れや、未申請残業、休暇失効などがあった場合にアラートで通知して、人的なミスを防止します。
<freee人事労務の注意点>
- 小規模の事務所には向いていない
- 機能を使いこなせない可能性がある
freeeは全プラン5名から利用する前提となっているので、規模が小さい事務所には不向きです。
利用しているユーザーからは「多機能なため使いこなすのに時間がかかる」という声があります。(参考:ITreview)
<freee人事労務の料金体系>
- スタンダード:800円/ユーザー/月(6ユーザー以降)
- ミニマム:400円/ユーザー/月(6ユーザー以降)
- スターター:600円/ユーザー/月(6ユーザー以降)
- アドバンス:1,100円/ユーザー/月(6ユーザー以降)
- アウトソースプラン:要問い合わせ
【kincone】勤怠管理・交通費精算に対応するツール
<kinconeの特徴>
- 複雑な勤怠管理をスムーズにするツール
- 他社サービスとの連携が豊富
出勤・退勤時にICカードをタッチするだけで勤怠と路線情報を把握し、勤怠時間と交通費を同時に記録できます。
SlackやChatwork、Googleカレンダーなどのさまざまな外部サービスと連携できます。
<kinconeの機能・使用感>
- ダッシュボード機能
- 訪問先の自動入力機能
残業時間や有給休暇取得率などをグラフで見やすく表示できるので、政府の働き方改革にも対応しやすくなります。
Googleカレンダー等の外部サービスと連携して訪問先の情報を自動で登録します。そのため、交通費の申請時に後から確認する手間を省けます。
<kinconeの注意点>
- 交通費の管理に手間がかかる
- アラートを見落とす可能性がある
ICカードで打刻すると、プライベートの交通費も記録されてしまうので、その都度削除する必要があります。
利用しているユーザーからは「メールでしかアラートを受取れない」という声があります。(参考:ITreview)
<kinconeの料金体系>
- 200円/ユーザー/月(5ユーザーから利用可)
<番外編>司法書士事務所向けのソフトウェア
司法書士事務所向けのツールには、クラウド型だけでなく、パソコンにインストールするソフトウェア型もあります。そこで以下では、司法書士事務所向けのソフトウェアを紹介します。
【司法書士システム“権”(ちから)】日常業務に幅広く対応したシステム
<司法書士システム“権”の特徴>
- 司法書士の業務を幅広くサポートするツール
- 情報の見落としを防止できる
調査・作成・申請・管理の各段階に便利な機能があり、司法書士の日常業務をフルサポートします。
登記情報に「仮登記」「差押」「譲渡担保」などのキーワードがあれば、チェック機能によって知らせてくれます。
<司法書士システム“権”の機能・使用感>
- テンプレート機能
- 登記情報読取機能
書類作成に便利なテンプレートがあり、書式を自由にカスタマイズできるので、各事務所に合った書類を簡単に作れます。
事前調査で閲覧した登記情報を読み取ってデータ化できるので、書類作成時にスムーズにデータを入力できます。
<司法書士システム“権”の注意点>
- 保守サービスが有料
導入後のトラブル時に無料サポートを受けたり、法改正時に無料でアップデートするためには有料の保守サービスに加入する必要があります。
<司法書士システム“権”の料金体系>
- 料金の詳細は要問合せ
司法書士事務所向けのおすすめクラウドツールまとめ
ここまで、司法書士事務所に必須のクラウドツールと選定ポイントをご紹介しました。
司法書士が業務で取り扱う書類は多岐に渡るため、適切に管理しなければアクセスがしづらくなります。また、これまで紙媒体で依頼人の情報管理してきた場合、持ち出しによる紛失が起こる恐れもあるため、セキュリティ強化のためにもクラウドツールは必須です。
また、司法書士の仕事には相談やコンサルティングも含まれていますが、メールのやりとりは次第に埋もれてしまい見返すのが面倒です。そのため、依頼人とスムーズにやりとりができる機能も必要です。
結論、司法書士事務所で活用すべきなのは、あらゆる情報をストックする「ノート」だけでなく、依頼人とノートを共有できる「1フォルダゲスト機能」がある『Stock』一択と言えます。
無料登録は1分で完了するので、ぜひ「Stock」で依頼人情報をすぐに探し出せるように管理して、より専門的な業務に時間を割けるようにしましょう。