仕事をする上で、「ナレッジ」という言葉を使う機会も多くありますが、みなさんは「ナレッジ」の正しい意味をご存知でしょうか?
「ノウハウ」のような類義語も多くあり、「実は間違った意味で使用していた」ということも少なくありません。
そこで今回の記事では、
■「ナレッジ」の意味と使い方
■「ノウハウ」との違いや、「ナレッジ」を使用したビジネス用語
について解説したいと思います。
「ナレッジの意味を正しく理解できていない」、「ノウハウとの違いを知りたい」という方は是非参考にしてみてください。
ナレッジとは
ナレッジの一般的な意味と使い方
「ナレッジ」という言葉は英語の”knowledge”をカタカナで表したものです。
“knowledge”は、「知る」という意味の動詞”know”を語源としています。
そのため、「ナレッジ」は一般的には、「知識」「知恵」という意味で使われます。
具体的な使い方としては、以下のような例文が考えられます。
- 佐藤教授は、経済学について多くのナレッジを持っている。
- パソコンに関するナレッジを得たい。
ビジネスシーンでの意味と使い方
ビジネスシーンにおいて、「ナレッジ」は、一般的な意味である「知識」とは少し違った意味で使われることが多いです。
ナレッジは、「企業に付加価値を生み出す経験や体系的な知識」を意味します。
ただの「知識」ではなく、「企業に有益となる情報」を指すのが一般的なナレッジとの違いとなります。
具体的な使い方としては、以下のような例文が考えられます。
- お客様から来る問い合わせの質問に関してFAQを作成し、ナレッジ共有をした
- 新人教育のために、電話応対に関してナレッジをまとめる必要がある
- マーケティング部では、ナレッジを蓄積しているらしい
- ○社と連携したことにより、○社のナレッジを得ることができた
ナレッジとノウハウ
「ナレッジ」と非常によく似た言葉が「ノウハウ」です。
どちらも「知識」に関する言葉で、混乱することも多いですよね。
以下でナレッジとノウハウの違いについて解説したいと思います。
ノウハウとは?
まず、「ノウハウ」の意味について確認してみましょう。
「ノウハウ」を辞書で調べてみると、以下のような意味があることが分かりました。
ノウ‐ハウ【know-how】
1. ある専門的な技術やその蓄積のこと。「仕事のノウハウを覚える」
2. 技術競争の有力な手段となり得る情報・経験。また、それらを秘密にしておくこと。
引用:デジタル 大辞泉
「ノウハウ」は「know(知る)」と「how(方法)」が組み合わさってできた言葉です。
一般的には、「手続き的知識」を指し、簡単に言うと「何かの作業をする手順や方法の知識」を意味します。
ビジネスにおいては、何かの作業をする際に必要な具体的な知識や技術を指します。
ノウハウは実際に経験しないと得ることができない知識です。
そのため、話を聞いたり本を読んだりするだけでは得ることができないため、抽象的な知識はノウハウとは言えないことに注意が必要です。
ナレッジとノウハウの違い
ナレッジとノウハウの違いは、「実際の体験が必要か」ということが挙げられます。
ノウハウは、実際の体験を通して知識や技術を得る必要があります。
しかし、ナレッジは、自身の経験を通じて得る以外にも、本を読むことや話を聞くことで得ることができる知識です。
そのため、ナレッジは言葉を通じて知識を伝えることができますが、ノウハウは体験を通じないと知識を伝えることができない点で違います。
ナレッジの類義語
代表的なナレッジの類義語に「ハウツー」と「メソッド」という言葉があります。
ナレッジとはどのような違いがあるのか見ていきましょう!
ハウツー
ハウツーは、辞書では以下のように解説されています。
ハウ‐ツー【how-to】
《どのように…するか、の意》やり方。方法。特に、実用的な方面での方法や技術。
引用:goo辞書
ハウツーは英語の”how to”から由来しており、ノウハウと同じような「やり方・方法」を意味していることが分かります。
日本では、「ハウツー本」「ハウツーを伝える」というように使用されます。
特に「初心者向けのやり方・方法」といった意味で用いられることが多いため、「知識」を意味するナレッジとは違うことが分かります。
メソッド
メソッドは、辞書では以下のように解説されています。
メソッド【method】
《「メソード」とも》体系的な方法・方式。
引用:goo辞書
メソッドは「方法」という意味で、ナレッジやノウハウとは違い、「知識」という意味はありません。
「営業メソッド」「販売メソッドを構築する」というように使用されます。
ナレッジを含んだビジネス用語
「ナレッジ」を含んだ様々なビジネス用語が存在します。
以下に表的なものを紹介したいと思います!
ナレッジマネジメント
「ナレッジマネジメント」は、業務を行う上で得た「ナレッジ」を、社内で共有して業務効率化や組織力を向上することを目的とした経営手法の1つです。
ナレッジマネジメントについては、次の段落で詳しく解説するので、是非チェックしてみてください。
ナレッジベース
「ナレッジベース」とは、業務に関する「ナレッジ」を一箇所にまとめた「データベース」のことを指します。
企業活動を通じて得た、様々な知識や経験などの情報がまとめられているため、社外秘の大切な知的資産と言えます。
ナレッジベースを蓄積していくことにより、今までは知る手段がなかったナレッジを社員が得ることができるため、ナレッジの共有を促進します。
ナレッジワーカー
「ナレッジワーカー」は、1960年代に経営学者のピーター・ドラッカーが「ナレッジ(知識)」と「ワーカー(労働者)」を組み合わせて生まれた単語です。
「知識労働者」、つまり、「幅広い知識や情報を元に知的生産物を生み出す労働者」を意味します。
高度な知識を必要とする金融業やコンサルタント業、IT業などが当てはまり、対義語としては、ブルーカラーや単純労働者が挙げられます。
ナレッジグラフ
「ナレッジグラフ」とは、Googleの機能の1つで「検索エンジンの検索結果を拡張するために使われるデータベース(知識ベース)」を指します。
簡単にいうと、検索キーワードに関する情報や属性を反映した結果をGoogleが自動で表示してくれる機能のことを指します。
ナレッジグラフによって、ユーザーは関心度・有用度が高い情報を得ることができます。
ナレッジマネジメントとは?
「ナレッジマネジメント」では、企業や社員が蓄積した、知識や経験、ノウハウや技術力と言った「ナレッジ」を社内で共有します。
そして、蓄積されたナレッジを共有し、効果的に管理することで、業務効率化や組織力を向上させる経営手法です。
ナレッジマネジメントの考え方
ナレッジマネジメントをするために重要なのが、「暗黙知」と「形式知」という考え方です。
ナレッジマネジメントでは、「暗黙知」を「形式知」に変えるのがキーポイントとなります。
<暗黙知>
「暗黙知」とは、経験的に知っているが、言葉で表しにくい知識を指します。
暗黙知は主観的な知識であるため、誰かに伝えようとしても正確に伝えるのは難しいです。
例えば、「長年の勘」や「コツ」などが当てはまります。
<形式知>
「形式知」は、主観的な知識が言葉や図を用いて表されたものです。
「暗黙知」の反対となる言葉で、知識が言語化されているため、人に伝える際にもしっかり共有することができます。
<暗黙知を形式知に変える>
ナレッジマネジメントでは「暗黙知」を「形式知」に変えることが重要となります。
個人が持つ主観的な「暗黙知」を「形式知」に変換し、社内に共有することで、社員が有益なナレッジを活用することを可能とします。
「形式知」としてナレッジを蓄積することで、更なるナレッジを生み出すことや、会社の知的資産として進化させることができます。
ナレッジマネジメントのメリット
<業務効率化>
ナレッジマネジメントでナレッジを共有することで、業務効率化が期待できます。
社員がナレッジにアクセスし、知識を得ることができるため、業務のばらつきがなくなり、新入社員でも業務をこなすことが可能となります。
また、情報を共有できることから、社員のパフォーマンスを高めて生産性を向上させることができます。
<情報の一元管理>
ナレッジマネジメントをすることで、個人に依存していた情報の一元管理が可能となります。
「形式知」として言語化するため、ナレッジの属人化を防ぐと同時に、新しいイノベーションを促進したり、企業の業績を向上させたりすることが期待できます。
「SECI」モデルを活用したナレッジマネジメント
ナレッジマネジメントのためには、「SECI」というモデルを使って行うのがベストです。
ここで、「SECI」モデルについて解説したいと思います。
<共同化(Socialization)>
まずは、「共同化」によって、同じ経験を共有します。
なぜなら、「暗黙知」は体験をしないと獲得することが難しいと言われているためです。
最初から「形式知」にするのではなく、体験をすることで「暗黙知」を理解しようとします。
<表出化(Externalization)>
次の「表出化」では、「暗黙知」を「形式知」に変換します。
言葉だけで表そうとするのではなく、必要であれば、具体例や写真や図表などを用いましょう。
「形式知」にすることで、より客観的な、明確な共有が可能となります。
<連結化(Combination)>
「連結化」では、「表出化」でできた、「形式知」を組み合わせて新たな「形式知」を生み出します。
形式知同士を組み合わせることで、体系的で総合的な、ナレッジを作り上げることができます。
具体的には、作成したマニュアルを他チームのマニュアルと比較することで、足りない知識を見つけたり、新たな知識を得たりします。
<内面化(Internalization)>
「内面化」では、「表出化」「連結化」を経た「形式知」が、個人的な「暗黙知」として落とし込まれます。
「暗黙知」と変わっていくことで、自分だけの新たな「コツ」やノウハウなどの知的財産が生まれます。
そして、新たな「暗黙知」が生まれたら、再度「共同化」から始まるプロセスを繰り返すことで、多くのナレッジを蓄積することができます。
ナレッジを共有するのにおすすめのツール
チームの情報を最も簡単に残せるツール「Stock」

「Stock」|チームの情報を最も簡単に残せるツール
Stockは、チームの情報を最も簡単に残せるツールです。
「チャットツールだと情報が流れていき、ファイル共有だと面倒」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート機能」を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残すことが可能です。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用することで、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散したり混同することなく、常に整理された状態で仕事をすることができます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITに詳しくないチーム向けのツール
ITの専門知識がなくても大丈夫。詳しくなくても簡単に始めることができます
- とにかくシンプルで、誰でも使える
余計な機能は一切なくシンプルなツールなので、誰でも簡単に情報を残すことができます
- 驚くほど簡単に「情報ストック」と「タスク管理」ができる
社内の共有情報等の「情報ストック」が驚くほどしやすく、また「タスク管理」も直観的に行うことができます
<Stockの料金>

https://www.stock-app.info/pricing.html
40ノートまでは無料で利用することができます。
有料プランにすることで、ノート数が無制限になる他、「誤削除防止機能」や「編集履歴機能」などのビジネスに必須の機能が利用でき、大容量のファイルもアップロードできるようになります。
有料プランでも1人あたり月額500円程度という非常に手頃な価格で利用することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ナレッジ」について、一般的な意味からビジネスシーンにおける意味、ナレッジを含んだビジネス用語について詳しく解説しました。
ナレッジを社内に蓄積して活用する、「ナレッジマネジメント」を行うことで、業務効率化や情報の一元管理ができるいったメリットがあることが分かりました。
是非、ご紹介したツールを使ってナレッジマネジメントを行ってみてください。