仕事をする上でもプライベートでも使用機会が多いクラウド。
みなさんはこの「クラウド」について正しく理解できていますでしょうか?
そこで、今回の記事では、
■クラウド、クラウドサービスの基礎知識
■クラウドを使うメリット・デメリット
について解説したいと思います。
クラウドについてよく分からない方や、知識を深めたい方は是非参考にしてみてください!
クラウドについて
クラウドとは?
クラウド(正式名称クラウド・コンピューティング)とは、業者がインターネット上で提供する、データベースやストレージ、アプリケーションなどのITリソースを利用できる仕組みです。
クラウドを利用することで、必要な時に必要な分だけITリソースを利用することができます。
利用料金は月額で決まっている場合や使った分だけ費用を支払う場合が多いです。
クラウドサービスとは?
「クラウドサービス」とは、ITリソースなどのサービスが上記の「クラウド」の形態で提供されているものを指します。
以前の利用形態では、パソコンにソフトウェアをダウンロードしたり、データを直接保存したりしていました。
しかし、クラウドサービスの登場により、わざわざダウンロードしなくても便利にサービスを利用できるようになりました。
ユーザーは、利用料金を支払うことで、インターネットに接続されたパソコンやスマートフォンからクラウドサービスを利用することができます。
なぜ「クラウド」と呼ばれるのか?
クラウドは英語に直訳すると「雲」という意味があります。
なぜ「雲」が使われるようになったのかは定かにされていませんが、有力な説としては、「ネットワークの図を表す時に、雲のようなモヤモヤとした形で描かれていた」ためだと考えられています。
また、クラウドを使う際に、「ユーザーがインターネット(雲)を使いサービスを利用するイメージ」という説もあります。
クラウドが生まれた背景
「クラウド(クラウド・コンピューティング)」という言葉は、2008年に当時のGoogleのCEOであるエリック・シュミット氏が提唱したと言われています。
なぜ「クラウド」という言葉が生まれたのでしょうか?
それは、時代の流れに伴いコンピューターが進化してきたためです。
コンピューターが進化していくにあたって、最初は高価だったコンピューター自体の値段が安くなり簡単に導入できるようになりました。
また、コンピューターの処理速度も早くなり、コンピューターに多くのアプリケーションやデータを保存できるようになりました。
そこで誕生したWebブラウザを通じてサーバーにアクセスし、アプリケーションやデータを利用することで利便性の向上を図りました。
しかし、その結果、多くのサーバーが乱立する形となり、次はその「サーバーをどのように管理・統合するか」が課題となりました。
この課題に対処するために生まれたのが「クラウド・コンピューティング」です。
クラウドサービスの3つの種類
クラウドサービスには大きく分けて3つの種類があります。
以下で、「SaaS」、「PaaS」、「Iaas、HaaS」について解説したいと思います。
SaaS(Software as a Service)
「SaaS」とは”Software as a Service”の略で、「サース」と呼びます。
SaaSは、ソフトウェアをネットワーク上で提供するサービスのことを指します。
ソフトウェアを購入するか、インストール、ユーザーが必要だと思う機能のみ利用し、費用を支払います。
特徴としては、どんな端末からでもいつでもどこでもアクセスすることができること、複数人が同時にデータにアクセスして利用できることが挙げられます。
代表的なSaaSに、Eメールサービスや、オンラインクラウドストレージなどが挙げられます。
PaaS(Platform as a Service)
「PaaS」とは”Platform as a Service”の略で、「パースまたはパーズ」と呼びます。
PaaSは、ソフトウェアを動かすためのプラットフォーム(ハードウェアやOSなど)をインターネット上で提供するサービスのことを指します。
通常、パソコンやタブレットにはハードウェアやOSなど、アプリケーションやソフトウェアを動かすプラットフォームが搭載されていますが、PaaSを利用することで、コストを減少させ、メンテナンスの必要がなくなります。
SaaSは、一般の方でも馴染みがあるサービスですが、PaaSはエンジニアやシステム開発者などでないと馴染みのないサービスとなっています。
代表的なPaaSに、Microsoft Azure、Google App Engineが挙げられます。
IaaS (Infrastructure as a Service)、HaaS(Hardware as a Service)
「IaaS」とは”Infrastructure as a Service”の略で、「イアースまたはアイアス」と呼びます。
「HaaS」とは”Hardware as a Service”の略で、「ハース」と呼びます。
IaaSの昔の呼び名がHaaSで、現在ではHaaSという表現を使用することは少なくなっています。
IaaSとHaaSは、サーバー(ネットワーキング機能)や記憶装置、ハードウェアなどのパソコンのインフラ機能を提供するサービスのことを指します。
必要なサーバーやハードウェアなどのスペックを自由に選ぶことができるため、柔軟に運用ができると評判です。
代表的なIaaS、HaaSとして、Amazon Web Services、Google Cloud Platformなどが挙げられます。
クラウドサービスの例
ここでクラウドサービスについて理解を深めるために、具体例について解説したいと思います。
総合クラウドサービス
「総合クラウドサービス」とは、アカウントを1つ作るだけで、複数のクラウドサービスを利用できるものです。
複数のアカウントを管理する必要性がなく、簡単に使い始めることができるので人気のサービスとなっています。
主な総合クラウドサービスとして、GoogleやiCloud、Microsoft 365などが挙げられます。
- Google:GmailやGoogle ドライブ、Googleフォト、Googleカレンダーなど
- iCloud:iCloud写真、iCloud Drive、iCloudメールなど
- Microsoft 365:WordやExcelなどのOfficeアプリ、OneDriveやTeamsなど
クラウドメール
「クラウドメール」とは、インターネット環境であれば、どこからでも送受信ができるメールサービスです。
従来の方法では、サーバーやネットワークに、メールソフトウェアを導入し運用する必要がありましたが、クラウドメールであれば、ユーザー登録をするだけで利用できます。
クラウドメールには、個人向けのサービスや企業向けのサービスなど多くのサービスがあります。
有名なサービスとしては、Gmail、iCloudメール、Outlook、Yahoo!メールなどが挙げられます。
オンラインストレージ
「オンラインストレージ」とは、インターネット上にデータを保存・管理できるサービスです。
「クラウドストレージ」と呼ばれることもあります。
従来、データは外付けHDDやUSBメモリに保管していましたが、オンラインストレージでは機器の持ち運びの必要がなく、どこからでもデータにアクセスすることができます。
有名なサービスに、Googleドライブ、iCloud、Dropbox、OneDrive、boxなどが挙げられます。
クラウド環境の種類
クラウドサービスが展開される環境は大きく3つに分類することができます。
専門的な用語が多いので、初心者向けに分かりやすく解説したいと思います。
パブリッククラウド
「パブリッククラウド」と呼ばれるクラウドは、サービスが完全にクラウド上で展開されており、一般的なクラウドサービスのイメージに当てはまります。
ITリソースがオープンに公開されているため、比較的安価に利用することができます。
プライベートプラウド
「プライベートプラウド」での、クラウドは「自社専用のクラウド環境」を指します。
自社が必要とする環境に合わせてシステムを構築することができ、「オンプレミス型プライベートクラウド(所有型)」と、「ホスティング型プライベートクラウド(利用型)」に分類することができます。
オンプレミス型プライベートクラウド(所有型)では、自社内にサーバーや回線といったクラウド環境を構築します。
従来のオンプレミス環境とは違う点は、サーバー環境を仮想化してクラウド環境としてユーザーに展開する点です。
ホスティング型プライベートクラウド(利用型)では、業者が提供するクラウド環境を使って、自社専用のクラウド環境を構築します。
ハイブリッドクラウド
「ハイブリッドクラウド」とは、パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせたものです。
セキュリティ性・カスタマイズ性が高いプライベートクラウドと、安い費用で手軽に導入できるパブリッククラウドを組み合わせることで自社に合った形でクラウドを導入することができます。
クラウドのメリット
サーバーやソフトウェアを買わなくても良い
クラウドサービスを利用する大きなメリットの1つが、サーバーやソフトウェアを買う必要がなく、コストを下げることができることです。
必要な機能のみを選択して導入することができるので、無駄な出費を抑えることができます。
また、サーバーなどの導入後の運用費(サーバーの管理費用や、人件費など)を負担する必要がないので、導入後のランニングコストを減らすことが可能となります。
システム構築の手間を省ける
システムを1から構築するとなると、多くの時間と費用が必要となりますが、クラウドサービスは既に出来上がったサービスなので、すぐに利用し始めることができます。
また、新しいITリソースを早く・簡単に導入することができるため、会社としても効率的に仕事をするのが可能になります。
メンテナンスをしなくても良い
パソコン自体にデータやソフトウェアをインストールしていると、定期的にメンテナンスをしなければなりません。
しかし、クラウドサービスではベンダーがメンテナンスをしてくれるため、導入後のメンテナンスが不要です。
そのため、リソースを活用することができ、ビジネスに集中することができます。
クラウドのデメリット
カスタマイズしにくい
クラウドサービスのデメリットの1つに、「カスタマイズがしにくい」ということが挙げられます。
クラウドサービスは、既に完成されたサービスなので、自社に合わせて機能を強化することなどはできません。
しかし、最近のクラウドサービスは、ある程度カスタマイズができるものもあるので、カスタマイズしたい方はそのようなサービスを選びましょう。
セキュリティリスク
クラウドサービスのセキュリティは、ベンダーが提供するセキュリティに依存しています。
そのため、自社で高いセキュリティが必要とされる場合、クラウドサービスによっては用件を満たしていない場合があります。
最近の、クラウドサービスのセキュリティは強固であることが多く、自社で環境構築するより、費用や手間を減らして高セキュリティのサービスを使用できることが多いです。
おすすめクラウドサービス5選
チームの情報を最も簡単に残せるツール「Stock」

「Stock」|チームの情報を最も簡単に残せるツール
Stockは、チームの情報を最も簡単に残せるツールです。
「チャットツールだと情報が流れていき、ファイル共有だと面倒」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート機能」を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残すことが可能です。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用することで、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散したり混同することなく、常に整理された状態で仕事をすることができます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITに詳しくないチーム向けのツール
ITの専門知識がなくても大丈夫。詳しくなくても簡単に始めることができます
- とにかくシンプルで、誰でも使える
余計な機能は一切なくシンプルなツールなので、誰でも簡単に情報を残すことができます
- 驚くほど簡単に「情報ストック」と「タスク管理」ができる
社内の共有情報等の「情報ストック」が驚くほどしやすく、また「タスク管理」も直観的に行うことができます
<Stockの料金>

https://www.stock-app.info/pricing.html
40ノートまでは無料で利用することができます。
有料プランにすることで、ノート数が無制限になる他、「誤削除防止機能」や「編集履歴機能」などのビジネスに必須の機能が利用でき、大容量のファイルもアップロードできるようになります。
有料プランでも1人あたり月額500円程度という非常に手頃な価格で利用することができます。
iCloud Drive

iCloud Driveは、Apple社が提供する、オンラインストレージサービスです。
Apple製品ですが、Windowsパソコンでも使用することができます。
<iCloud Driveのポイント>
- 無料で5GBの容量を使うことができる
Apple IDを作成すると、無料で5GBの容量を利用することができます。容量の追加は50GBから(月額130円〜)提供されているので、リーズナブルに追加することができます。
- Apple製品の共同編集ができる
Pages、Keynote、NumbersといったApple製品と共同編集が可能なので、チームで仕事をする時にも便利です。
<iCloud Driveを使う上で気をつけたい点>
- Android端末からは利用できない
Apple製品(Macパソコン・iPhone・iPad)、Windowsパソコンでは利用することができますが、Android端末には対応していないので注意が必要です。
- 個人向けのサービス
個人利用が想定されており、ビジネス向けの細かい権限の設定やファイルの共有設定ができないです。

OneDrive

One Driveは、Microsoft社が提供する、オンラインストレージです。
Microsoftアカウントがあれば個人でもビジネスにおいても利用することができます。
<One Driveのポイント>
- Microsoft製品との相性がいい
Windowsパソコンや、Officeアプリ(Word・Excel・PowerPointなど)を使っている場合は、OneDriveとスムーズに連携でき、ファイルの保存が簡単にできます。
- ファイルをスマホやタブレットから閲覧・編集可能
OneDriveに保存したファイルは、スマホやタブレットからでも閲覧・編集できるため、出先で確認する必要がある際にも安心です。
<One Driveを使う上で気をつけたい点>
- ビジネス利用の場合は高いと感じる可能性もある
OneDriveが使えるMicrosoft365のプランは1人あたり1,360円~/月となっているため、他オンラインストレージツールに比べて割高だと感じてしまうかもしれません。

Google Drive

Google Driveは、Google社が提供するオンラインストレージサービスです。
個人利用でもビジネス利用にも向いています。
<Google Driveのポイント>
- ビジネス利用はG Suiteがおすすめ
企業向けのグループウェアである「G Suite」では、1人あたり680円で30GBのオンラインストレージやGmail、 Googleドキュメントなどを使うことができ、非常にリーズナブルです。
- 豊富な料金体系
個人で利用する場合は、15GBまで利用することができ、さらに容量が必要な場合は追加することができます。
ビジネスで利用する場合も、30GBまで利用できるプランや、無制限のデータ容量のプランなど、様々な料金体系があるので、ぴったりのプランを契約することができます。
<Google Driveを使う上で気をつけたい点>
- 削除は慎重にする必要がある
自動同期の機能はとても便利ですが、間違えて削除してしまった場合も全ての端末からデータが消えてしまうので注意する必要があります。

Amazon Web Services(AWS)

Amazon Web Services(AWS)は、Amazon社が提供する、100種類以上のクラウド・コンピューティングサービスの総称です。
サーバーやストレージ、データベースを利用体系に応じて使用することができます。
<AWSのポイント>
- 様々なサービス
AWSには100を超えるサービスがあります。代表的なものとしては、サーバー構築環境、データ保存、コンテンツ配信、データベース利用、プログラム実行環境などが挙げられます。
- 安全のセキュリティ
様々な第三者機関認証を取得し、常に最新のセキュリティ状態のサービスなので、安心して利用することができます。
<AWSを使う上で気をつけたい点>
- 料金が高額になってしまうこともある
AWSは従量制の料金体系なので、契約するサービスによってはオンプレミス型より高額になってしまう可能性があります。
- 利用するサービスを選ばなければならない
100以上もあるサービスから自社に合ったサービスを適切に選ぶところから、その後の管理までする必要があるので、相当な知識が必要です。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
クラウドについて基本知識から、クラウドサービスの種類やメリットまで解説させていただきました。
クラウドサービスを活用することで、仕事しやすい環境にしたりコスト削減が期待できます。
是非、紹介させていただいたクラウドサービスの導入を検討してみてください!