形式の整った書類を素早く作成するには「Excel」の活用が効果的です。たとえば、Excelの自動計算を使うと、データ集計の負担が解消され、スムーズに書類を作れます。
 
しかし、Excelを使い始めたばかりの場合、「Excelで書類を上手く作成できない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
 
そこで今回は、Excelでの書類作成方法や基本操作を中心にご紹介します。
 
という方はこの記事を参考にすると、Excel初心者でもすぐに使える基本操作や設定が分かり、誰でも簡単に書類を作れるようになります。


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Excelの基本操作一覧

Excelは以下の基本操作を押さえると、作業が簡単になって書類が素早く作れます。
 
【機能】 【使い方】
セル
 
Excelのセル
 
数字や文字を入力するマス目1つ分を「セル」と言います。
 
セルをクリックして直接入力するか、数式バーに情報を打ち込むとセルにデータが反映されます。
ワークシート
 
Excelのワークシート
 
Excelシート内のマス目全体を指します。
メニューバー
 
Excelのメニューバー
 
Excelで使う機能を記載した場所を指します。
 
Excelの列
 
縦にならぶマス目のことで、1から順に数字が割り振られています。行を追加・削除すると、自動で数字は修正されます。
 
Excelの行
 
横にならぶマス目のことで、Aから順にアルファベットが割り振られています。列を追加削除すると、自動でアルファベットは修正されます。
名前ボックス
 
Excelの名前ボックス
 
セルの位置や選択範囲を、アルファベットと数字で示す場所を指します。たとえば、A列の1行目にあるセルを選択すると、名前ボックスに「A1」と表示されます。
数式バー
 
Excelの数式バー
 
セルに入力したデータの詳細を示す場所を指します。セルに入力するよりも長く文字列が表示されるので、情報を入力しやすい点が特徴です。
 
入力したいセルをクリックしたあとに数式バー上で情報を打ち込むと、セルにデータが反映されます。
シート
 
Excelのシート
 
Excelの作業を実行するページを指します。シートはひとつのExcelファイル内で複数作成可能なため、たとえば、シフト表を作成する際に「Sheet1に1月分」「Sheet2に2月分」と情報を分けて管理できます。
 
「Sheet1」の横にある[+]をクリックすると新しいシートが作成されます。
Excel初心者が使い方を覚える場合は、機能の名称を含めて以上の基本操作から理解しましょう。
 
また、Excelは素早く作業を進められるようにショートカットキーに対応しています。たとえば、Windowsで以下のショートカットキーを活用すると、書類作成の時間をさらに省けます。
 
 
  • F12(名前を付けて保存)
  • Ctrl + S(上書き保存)
  • Ctrl + C(コピー)
  • Ctrl + V(貼り付け)
  • Ctrl + Z(ひとつ前の状態に戻す)
  • Alt + H、B(罫線の追加)
  • Alt + H、D、C(列を削除)
 
このように、書類作成の工数を減らすには、ショートカットキーの活用も有効なのです。


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Excelで使える便利な設定

Excelは、基本操作と併せて設定を変更することで、さらに簡単に書類を作れます。以下で紹介する設定は、利用場面が多いため必ず確認しましょう。

自動保存の設定

Excelでは、「上書き保存ボタン」または「Ctrl+S」で更新したデータを保存できるだけでなく、自動保存も以下の手順で設定可能です。
 
  1. メニューバーから[ファイル][オプション]をクリックする
  2. Excelのオプションをクリックする画像
     
  3. すると、[Excelのオプション]の画面が表示されるので、画面内の[保存][次の間隔で自動回復用データを保存する]にチェックを入れる
  4. Excelのオプション内から、自動保存の間隔を設定する項目にチェックを入れる画像
     
  5. 必要に応じて自動保存の間隔を設定する(1分から設定可能)
  6. [OK]で保存する
以上の設定をすると、パソコンの不具合によるフリーズが発生しても、データのバックアップが取りやすくなります。

ハイパーリンクを無効にする設定

Excelでは、メールアドレスやURLを入力するとハイパーリンク(情報が文字列に紐づいている状態)として表示されます。
 
ハイパーリンクが設定されると「アドレスをクリックするとメールアプリが起動する」「URLをクリックすると該当のサイトが開かれる状態」になり、セルがクリックしづらくなります。
 
そこで、以下の手順で設定を変更すれば、ハイパーリンクを無効にできます。
 
  1. メニューバーから[ファイル][オプション]をクリックする
  2. [Excelのオプション]内の[文章校正][オートコレクトのオプション]をクリックする
  3. Excelのオプション内の文章校正から、オートコレクトのオプションをクリックする画像
     
  4. [入力オートフォーマット][インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する]のチェックを外す
  5. 入力オートフォーマットから、ハイパーリンク設定のチェックを外す画像
     
  6. [OK]で保存する
ハイパーリンクの設定が不要な場合は、以上の設定をしましょう。

ファイルの保存形式を指定する設定

初期設定の保存形式から、任意の保存形式に設定の変更が可能です。
 
Excelには「.xlsx」「.xls」「.xlsm」の保存形式があり、近年は「.xlsx」の形式で初期設定されています。とくに、2006年以前のバージョンのExcelでは「.xlsx」が開けない恐れがあるので、以下の手順で保存形式を変更します。
 
  1. メニューバーから[ファイル][オプション]をクリックする
  2. [Excelのオプション]内の[保存][ファイルの保存形式]から、任意のファイル形式を選ぶ
  3. Excelのオプション内から、任意のファイルの形式を選ぶ画像
     
  4. [OK]で保存する
このように、自社のExcelのバージョンに合わせて、適宜保存形式を変更しましょう。

書類の印刷範囲をA4サイズにする設定

書類の印刷範囲をA4サイズにする設定として、2種類の方法があります。以下では、「書類の作成前に、シートをA4サイズに設定する方法」と「書類の作成後に、作成したシートをA4サイズに調整する方法」を紹介します。

<書類の作成前|シートをA4サイズに設定する方法>

メニューバーから[ページレイアウト][サイズ][A4]をクリックすると、シートにA4サイズ枠の点線が表示されます。この枠内であれば、A4サイズの書類を作成可能です。
 
ExcelのシートをA4サイズに設定する画面

<書類の作成後|作成したシートをA4サイズに調整する方法>

書類の作成後に、作成したシートをA4サイズに調整する方法は以下の通りです。
 
  1. メニューバーから[ページレイアウト][ページ設定]タブの右下隅の矢印をクリックする
  2. すると、[ページ設定]のウインドウが表示されるので、[ページ]タブの[次のページ数に合わせて印刷]を選択し、[横ボックス][縦ボックス]に「1」を入力する
  3. [用紙サイズ]から[A4]を選択する
  4. Excelで作成した書類をA4サイズに調整する画面
     
  5. [OK]で保存する
以上の設定をすると、作成した書類をA4サイズで印刷できます。


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Excelで覚えると便利な関数一覧

自動計算をExcelで活用するには、関数の利用が不可欠です。とくに、以下の関数は書類作成の時間短縮に役立つので、積極的に活用しましょう。
 
【関数】 【効果】 【入力方法】
SUM
セルの数値の合計を計算する
=SUM(セル名,セル名…) or =SUM(セル名:セル名)
 
【例】=SUM(A3,A4,A5) or =SUM(A3:A5)
IF
一定の条件に対し「合っている場合」と「合っていない場合」で表示内容を指定する
 
(例)研修のテスト結果に関するIF関数を利用する場合、80点以上→「合格」、80点未満→「再テスト」と表示する
=IF(セル名<数値,”数値を満たす場合の条件”,”数値を下回る場合の条件”)
 
【例】=IF(A4<80,”合格”,”再テスト”)
SUMIF
選択した範囲の中で条件に当てはまったセル数値の合計を計算する
 
(例)社内の備品のなかから鉛筆の在庫を調べる
=SUMIF(範囲,”検索条件”,範囲)
 
【例】=SUMIF(A10:A20,”鉛筆”B10,B20)
PRODUCT
数値を掛け合わせた数値を計算する
=PRODUCT(セル名,セル名…) or =PRODUCT(セル名:セル名)
 
【例】=PRODUCT(A3,A4,A5) or =PRODUCT(A3:A5)
AVARAGE
指定した数値の平均値を計算する
=AVARAGE(セル名:セル名)
 
【例】=AVARAGE(A3:A5)
MAX
指定した範囲の数値から最大値を表示する
=MAX(セル名:セル名)
 
【例】=MAX(A3:A5)
MIN
指定した範囲の数値から最小値を表示する
=MIN(セル名:セル名)
 
【例】=MIN(A3:A5)
MEDIAN
指定した範囲の数値から中央値を表示する
=MEDIAN(セル名:セル名)
 
【例】=MEDIAN(A3:A5)
RANK.AVG
指定した範囲から該当の数値が何位かを計算する(※ただし、同じ順位の数値が複数ある場合は平均の順位が表示される)
=RANK.AVG(順位を出したいセル名:参照範囲)
 
【例】=RANK.AVG(A3,A3:A5)
COUNTIF
指定した範囲のなかで、条件に合ったセルを集計する
=COUNTIF(範囲,”検索条件”)
 
【例】数値が80以下のセルを抽出→ =COUNTIF(D5:D20,”>=80″)
SUBSTITUTE
文字列を検索し、特定の言葉に置き換える
=SUBSTITUTE(文字列,”検索する文字列”,”置き換える言葉”)
 
【例】店を「支店」に置き換え→ =SUBSTITUTE(C3:C4,”店”,”支店”)
VLOOKUP
指定した範囲を列単位で下方向に検索し、当てはまるセルの値を表示する
=VLOOKUP(検索値,範囲,検索する列番号,検索基準の指定)
 
【例】=VLOOKUP(A2,B6:D20,3,TRUE)
上記の関数を正しく使うと、手計算でありがちな計算ミスを防げるうえに、集計結果も素早く抽出できます。


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【初心者向け】Excelでの書類作成方法

ここでは、Excelでの基本的な書類作成方法を「文章」「表」「グラフ」ごとに説明します。Excelに不慣れな場合は、以下の手順に沿って作業すると迷わず操作できます。

<セル内で改行するには?>文章がメインの書類を作成する

Excelで文章を作成するときは、以下の手順で実行します。
 
  1. メニューバーから[挿入][テキスト]を選ぶ
  2. 挿入からテキストを選ぶ画像
     
  3. 縦書きまたは横書きのテキストボックスを選択して、シート内でテキストボックスを貼り付け文章を入力する
  4. セル内で改行する場合は、セルをダブルクリックしたあと「Alt」と「Enter」を同時に押して、改行を挿入する
下図は、上記の手順で作成したExcel書類の例です。
 
Excelで作成する文章の例

<表に枠をつけるには?>表がメインの書類を作成する

Excelで表を作成するときは、以下の手順で進めます。
 
  1. タイトル・見出しを入力する
  2. 行の見出し情報を項目ごとに入力する
  3. 列の見出し情報を項目ごとに入力する
  4. 各列と行に対応したデータを入力する
  5. セルを範囲選択し、[ホーム][罫線]をクリックする
  6.  
    ホームから罫線をクリックする画像
     
  7. メニューから[格子]を選択して、表に枠をつける
  8. 背景色を変えたり、見出し文字を強調したりして体裁を整える
下図は、上記の例で作成したExcelの表の例です。
 
Excelで作る表の例

グラフがメインの書類を作成する

Excelでグラフを作成するときは、以下の手順で実行します。事前に表を作っている場合は、表のデータを活用してグラフ化が可能です。
 
  1. グラフ化するデータの範囲を選択する
  2. メニューバーから[挿入][グラフ]の順にクリックし、任意のグラフを選ぶ
  3. 挿入からグラフの形式を選ぶ画像
     
  4. 表示されたグラフ画像のタイトルを編集し、情報を入力する
  5. グラフのタイトルを編集する画像
     
  6. グラフの横軸や縦軸をダブルクリックし、表示する最小値・最大値などを整える
  7. グラフの詳細情報を設定する画像
     
  8. グラフをダブルクリックし書式設定を開いて、グラフの色や文字を整える
下図は、上記の手順で作成したExcelグラフの例です。
 
Excelで作るグラフの例
 
グラフを効果的に使って、視覚的にわかりやすい資料作りに生かしましょう。


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なぜ「Excelで文書を作るな」と言われるのか?

以下では、「Excelで文書を作るな」と言われる理由を解説します。これらを把握し、社内の書類管理の方法を見直しましょう。

(1)初心者への教育コストがかかる

まずは、初心者への教育コストがかかることです。
 
Excelを使うには、基本的な操作方法や関数を覚えることが前提になります。仮に、操作方法が分からない場合には都度調べたり教えたりする手間がかかり、かえって業務効率が落ちてしまう危険性があるのです。
 
そのため、Excelの書類管理は教育コストがかかると言えます。一方、シンプルな操作で誰でも簡単に使えるツールを導入すれば、これらの教育コストをカットできます。

(2)共有するのが面倒

次に、共有するのが面倒である点が挙げられます。
 
例えば、Excelで作成した書類を共有するときには、社内には「オンラインファイルストレージに格納する」、社外には「メールやチャットツールで送信する」などの方法があります。しかし、これらの方法は共有に別のツールを介する必要があります。
 
したがって、Excelで作成した書類は共有するのが面倒です。さらに、誤送信したり共有するファイルを間違えたりすることで情報漏洩のリスクがあるため、注意しましょう。

(3)後から振り返りづらい

最後に、後から振り返りづらい点です。
 
そもそも、Excelは表計算ソフトなので、情報管理に適しているとは言えません。そのため、ファイルが増えると管理が煩雑になり「過去データが見つからない」「最新バージョンが分からない」など、必要な情報へすぐにたどり着けなくなってしまうのです。
 
したがって、作成した書類はいつでも簡単に振り返られるように「ナレッジ」として管理しましょう。そこで、文書管理ツールの「ナレカン」を使えば、書類の作成から管理が簡単にできる仕組みを整えられます。


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Excelより簡単に書類を作成・閲覧できる文書管理ツール

以下では、Excelより簡単に書類を作成・閲覧できる文書管理ツールをご紹介します。
 
Excelは「表やグラフを簡単に作成できる」「自動計算機能が備わっている」点で便利なツールです。しかし、Excelは表計算ソフトであり書類作成ソフトではないため、文書管理には不向きです。
 
また、Excelは「共有が面倒」「後からファイルが行方不明になる」「中身を確認するためにいちいち開く必要がある」などデメリットがあります。そのため、書類を扱う場合、作成のしやすさだけでなく、管理のしやすさも考慮しなければならないのです。
 
そこで、書類の作成・共有・管理が一か所で完結する「文書管理ツール」を使いましょう。ただし、IT初心者の社員がいる場合を考慮すると、必要な書類を誰でもすぐに見つけられる文書管理ツール「ナレカン」が最適です。
 
ナレカンでは「記事」に直接文章や表を書き込んだり、Excelを添付しつつ関連情報を併せて書き込んだりする2通りの使い方が可能です。また、Excelで作成した文書ファイルはナレカンのAIが自動要約して記事にしてくれるうえ、超高精度の「キーワード検索」によって、欲しい情報をすぐに探し出せます。

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Google検索のように使える「キーワード検索」や生成AIを活用した「自然言語検索」によって、メンバーの検索スキルに依存することなく、誰でも簡単に情報を探し出せます。
 
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初心者向け|Excelでの書類作成方法まとめ

これまで、Excelでの書類作成方法を中心にご紹介しました。
 
Excelは機能や関数の使い方を覚えれば効率的に書類を作成できます。しかし、ファイルが増えると「どこに、何の情報があるのか」分かりづらくなってしまい、さらに共有が面倒で他のツールを介する必要があるため、管理が煩雑化しやすいです。
 
そこで、社内に散在する書類をまとめておけるうえ、誰でも直感的に検索できるツールを導入しましょう。検索機能に優れたツールを使うことで扱う情報量の多い大企業でも、書類を「ナレッジ」として蓄積しながら、目的の書類をすぐに確認できます。
 
結論、文章や表を書き込むだけで簡単に書類を作成・共有しつつ、欲しい情報をすぐに探し出せる『ナレカン』が最適です。ナレカンでは、これまで蓄積してきたExcelのファイルを直接添付して管理する使い方も可能です。
 
ぜひ「ナレカン」を導入し、初心者でも簡単に書類作成ができる環境を整えましょう。


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代表取締役社長 澤村大輔
この記事の監修者
株式会社Stock
代表取締役社長 澤村大輔

1986年生まれ。早稲田大学法学部卒。
新卒で、野村総合研究所(NRI)に、経営コンサルタントとして入社。
その後、株式会社リンクライブ(現:株式会社Stock)を設立。代表取締役に就任。
2018年、「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」ことをミッションに、チームの情報を最も簡単に管理できるツール「Stock」を正式ローンチ。
2020年、DNX VenturesEast Venturesマネーフォワード等のベンチャーキャピタル(VC)から、総額1億円の資金調達を実施。
2021年、東洋経済「すごいベンチャー100」に選出。
2024年、100名~数万名規模の企業のナレッジ管理の課題解決のために、社内のナレッジに即アクセスできるツール、「ナレカン」をαローンチ。

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