企業目標を達成するためは、社員一人ひとりが目標を定め、モチベーションを保ちながら仕事に組むことが大切です。そのため、「能力の向上につながるか」「実現が見込めるか」を軸に目標を設定し、達成に向けて適切に管理していきましょう。
しかし、社員の中には「効果的な目標管理シートの書き方が分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、目標管理シートの書き方や、無料で使えるテンプレートを中心に紹介します。
- 目標管理シートの書き方や記載例を知りたい
- 自社に最適な目標管理シートのテンプレートを見つけたい
- 目標管理シートの作成に加えて管理も効果的に実施したい
という方はこの記事を参考にすると、例文をもとに作り方のコツを押さえられるので、効果的な目標管理シートを簡単に作成できます。
目次
目標管理(MBO)シートとは?
ここでは、目標管理シートの概要や導入することで得られるメリットなどを解説します。目標管理シートの導入を検討されている方は必見です。
目標管理シートの概要と導入の目的
目標管理シートとは、成果や目標を文書にして、達成度を測るものです。MBO(Management by Objectives)と呼ばれる目標管理制度をもとにして作成されます。
目標管理制度は、米国の経営学者ピーター・F・ドラッガー(Peter Ferdinand Drucker)によって提唱された組織マネジメントの手法です。日本では、成果主義の広まりと同時に浸透し、現在では多くの企業で取り入れられています。
また、目標管理シートを導入する目的は、社員の目標を正確に把握することです。目標達成までの進捗状況や達成度を明確にすることで、上司は社員を評価しやすくなります。
このように、目標管理シートは、社員の目標や進捗状況を効率的に管理するときに重要な役割を持ちます。
目標管理シートに書く項目
目標管理シートに記載する基本的な項目は以下の通りです。
- 目標
- 評価基準
- 達成のための具体策
- 結果
- 評価
目標のタイプは「強化・改善・継続・創出」の4タイプに分けられるため、自身の課題と向き合って設定していきましょう。定性的な内容では達成できたのか曖昧になりやすいので、定量的な評価ができる数値目標があるのが望ましいです。
明確な評価基準を記載しておくことで、社員のモチベーション向上に繋がります。たとえば、○○以上ならA評価、△△以下ならD評価のように設定しましょう。
先に記載した目標を達成するために必要な行動や対策を、小目標として記載します。具体策もなるべく数値を用いて定量的に記載しましょう。
評価の指標となる重要な項目のため、正確に記入しましょう。結果に加えて、良かった点や反省点も併せて記載すると良いです。
社員が事前に設定した評価基準を元に、管理職(所属長)が事実に基づいた客観的な評価をしていきます。このとき、良い点・改善点などをフィードバックし、社員のモチベーションが下がらないようにケアしていきましょう。
以上が、目標管理シートに記載すべき基本的な項目です。シートを作成するときは、これらの項目に抜け漏れがないかを確認しましょう。
目標管理シート導入のメリット
目標管理シートを導入することで、以下のようなメリットがあります。
- 現状を把握することができる
- モチベーションが上がる
- 従業員の評価に役立つ
明確な目標を設定することで、目標と現状のギャップを認識できます。目標を達成する上での課題や不明点が浮き彫りになり、改善行動が取りやすくなるのです。
目標管理シートによって具体的な達成度がわかるため、従業員はモチベーションを持って自身の業務に取り組むことができます。
目標管理シートは各社員の担当業務に合わせて作成されるため、公平な評価を行うことができます。また、達成度が分かりやすいので客観的な評価につながります。
このように、目標管理シートを導入することで、従業員の業務遂行やその評価においてメリットを享受できるのです。
業種別の記入例あり|目標管理シートの例文8選
ここでは、職種別の目標管理シートの書き方と、「目標・具体策・結果」の例文をご紹介します。書き方が分からないという方は参考にしましょう。
- 営業職
- 事務職
- 技術職
- 人事職
- 経理職
- 秘書職
- 経営・企画職
- WEBマーケティング職
営業職は目標を定量化しやすいため、具体的な数字を入れて目標を設定しましょう。
目標:半期の売上1000万円を目指す。
具体策:1ヶ月ごとに新規顧客5件、既存顧客5件の契約を獲得する。
結果:既存顧客の契約が4件しか獲得できず、半期の売上は900万円となった。
事務職は数値化できない定性的な業務が多いため、定性的な目標でも評価が公平となるよう、明確な評価基準を設けておくことが大切です。
目標:男性の育児休暇取得率を前年度よりも向上させる。
具体策:テレワークの推進や業務分担の見直しを実施し、男性でも育児休暇を取得しやすい環境をつくる。
結果:部署内で3人が育児休暇を取得し、育児休暇取得率は10%向上した。
技術職は数値目標を設定しづらいため、プロジェクトへの貢献度やスキル向上、顧客満足度を高めるための目標設定をしましょう。
目標:制作時間の短縮を図るため、社内テストに合格する。
具体策:プログラミング講習を受けてスキルを上げる。
結果:社内テストに合格した。
人事職では、現状を分析し、労務環境の改善や人材育成に関する目標設定をしましょう。
目標:離職率の前年比10%減を目指す。
具体策:3ヶ月に1度、各部署代表が社員と1on1面談を行う。
結果:この6ヶ月の離職率は2%だった。このままいけば達成できそう。
経理職では、部署の目標から個人の目標へと落とし込み、業務改善のアイデアを定量化した目的を立てましょう。
目標:5%の経費削減を目指す。
具体策:経費計算の頻度を月1回に減らし伝票の枚数を減らす。
結果:4.6%の経費削減ができた。
秘書職では、自分の秘書業務を整理するための実現可能な目標を立てましょう。
目標:自分の不在時における業務ミスをゼロにする。
具体策:半年後までに全ての業務のマニュアルを作成する。
結果:マニュアル作成により伝達ミスがなくなり、この1ヶ月の業務ミスはゼロだった。
経営・企画職では目標の定量化が難しいという特徴がありますが、組織運営の円滑化を意識し、全社戦略を考えた目標を立てましょう。
目標:経営会議の満足度を70→90%にする。
具体策:アンケートを実施し効率的な会議を再構築する。
結果:満足度は92%になった。
WEBマーケティング職では、クリック数や送客数など効果が定量化されているため、目標も定量的にしましょう。
目標:広告費を昨年比で15%減らす。
具体策:第一四半期末までに広告流入を分析する。
結果:分析を行い、広告費を15%削減できた。
このように、職種によって目標設定の仕方は異なるため、自身の職種に適した書き方を身につけましょう。
【無料あり】目標管理シートのテンプレート3選
以下では、無料の目標管理シートのテンプレート3選をご紹介します。テンプレートを使って作成業務を効率化したい方は必見です。
豊富な種類を揃えたExcelの目標管理シート
こちらは、株式会社ジィ・ディー・エルが提供する目標管理シートのテンプレートです。テンプレートを活用すると、目標管理シートの作成時間を短縮でき、業務効率化につながります。
サイトには、成果主義型や人事考課連動など4種類のテンプレートが記載されているため、企業や社員の方針に合ったテンプレートを見つけられます。
数値を入力するだけで使える目標管理シート
こちらは、Microsoft社が提供する目標管理シートのテンプレートです。目標達成をはじめ、日々の業務の進捗状況や、達成度を記録するのに役立ちます。
数値を入力するだけで使えて、グラフでわかりやすく表示できるのが特徴です。
介護・看護職でも使えるExcelの目標管理シート
こちらは、テンプレートボックスが提供する目標管理シートのテンプレートです。1シートで5件まで、それぞれのプロジェクトの目標や内容、タスク、成果や所感をまとめられます。
シンプルなので汎用性があり、介護職や看護職の方は、本テンプレートを使ってリハビリ目標や計画表を作成可能です。
【必見】目標管理シートの作成・管理に役立つツール
以下では、目標管理シートの作成・管理に役立つツールをご紹介します。
目標管理シートは、テンプレートを活用して効率よく作成できます。しかし、Excelの目標管理シートをクラウドストレージで管理すると、ファイルがどこにあるのか分からなかったり、都度ファイルを開いたりする手間がかかるので面倒です。
とくに、大企業では扱う目標管理シートの数も多いので、メンバーの目標到達度を確認するために社内で共有し、振り返りできる体制を整えることが大切です。そのため、目標管理シートを適切に保管でき、簡単に検索できるツールを導入しましょう。
結論、目標管理シートの作成・管理に役立つのは、Excelファイルの情報を、探しやすい状態で管理できる「ナレカン」一択です。
ナレカンの「記事」にExcelの目標管理シートを添付するだけで、ファイルの内容を生成AIが自動でテキスト化します。また、部署・社員ごとに「フォルダ」を多階層に分けて情報管理できるほか、対象を絞って検索できるので目当ての情報が即座に見つかります。
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目標を設定する際のフレームワーク3選
ここからは、目標を設定するときのフレームワークを3つ紹介します。
- ベーシック法
- SMART法
- ランクアップ法
ベーシック法とは、最も基本的な目標設定のフレームワークです。「目標の設定→評価基準の設定→期限の設定→具体的な対策の設定」の4ステップで進めます。
SMARTとは、「Specific(具体的)・Measurable(測定可能)・Achievable(達成可能)・Related(関連性)・Time-bound(期限)」の略称です。5つの要素に沿って目標を設定すれば、明確なゴールが定まり、モチベーションを維持できます。
ランクアップ法とは、「改善」「代行」「研究」「多能化」「ノウハウの普及」「プロ化」の6つの要素から目標を設定する方法です。「ストレッチ目標」を正しく設定するフレームワークであり、自身の成長・目標達成に繋がるのです。
上記の3つ以外にも目標設定のフレームは数多くあるため、自身に合ったフレームワークを使って、適切な目標を設定しましょう。
目標管理シートを作成するときのコツ4選
目標管理シートを作成するときのコツを解説します。以下のコツを認識していないと、目標管理シートを作ってもうまくいかない可能性があるため注意しましょう。
(1)認識に誤りはないか
まずは、目標管理シートを作成する前に、上司と部下との間に認識のズレが生じていないか確かめます。
上司と部下の間で認識に乖離があると「目標にたどり着くまでの手段」が適切でなくなってしまいます。そのため、まずはノルマ達成などの「個人的な目標」を優先するのか、チームの一員として目指す「組織的な目標」に重きをおくのかは明確にしておくべきです。
以上のように、方針に誤りがあると目標を達成する上で弊害となるため、積極的に交流を図り、互いの認識を合致させておくことが大切です。そのため、日頃からコミュニケーションをよく取り、方向性を一致させておきましょう。
(2)目標の難易度は適切か
次に、目標の難易度が適切に設定されているか判断します。
容易な目標では社員の能力を底上げできず、反対に難易度の高い目標では、モチベーションの低下や成長意欲の減退につながるリスクがあります。したがって、従業員のレベルを考慮し、高すぎず、低すぎない最適な目標を設定しましょう。
以上のことから、目標の難易度は「頑張れば達成できる範囲で設定されているか」判断するのが重要です。
(3)目標とノルマは区別できているか
次に、目標とノルマが区別できているか確認してから、目標管理シートを作成します。
目標管理シートに記入する内容は、あくまで目指すべき目標であって、ノルマではありません。ノルマ化してしまうと従業員に過度のプレッシャーがかかり、パフォーマンスの低下に繋がってしまうのです。
したがって、目標管理シートを作成するときは、目標とノルマを区別することを心がけましょう。
(4)定量的に書けているか
最後に、目標管理シートを作成するときは、定量的に書けているか確認しましょう。
定性的な目標は数字で評価できない分、評価基準があいまいになってしまいます。一方、定量的な目標は、具体的な数値に基づいて目標を達成したか判断するため、公平かつ客観的に人事評価をすることができます。
したがって、公正かつ平等に評価がなされるよう、目標管理シートには定量的な目標を設定しましょう。万が一、事務職や技術職のように定量的目標を立てづらい場合には、「〇〇分以内に作業を終わらせる」という目標を定めると良いです。
効果的に目標管理シートを用いるポイント3選
以下では、目標管理シートを効果的に運用するためのポイントについてご紹介します。目標を達成するためには必要不可欠なポイントのため、理解しておきましょう。
(1)進捗を更新する
1つ目に、進捗を更新することです。
目標達成のためには、進捗と照らし合わせて今後の計画を立てる必要があります。「どのくらい目標達成に向けた行動を取っているのか確認する」「どうすれば目標を達成できるか修正する」といった進捗管理が重要なのです。
そのため、「ナレカン」のようにリアルタイムで閲覧できるツールを使って進捗を管理して、誰が見てもすぐに現状が把握できるようにしましょう。
(2)PDCAに組み込む
2つ目に、目標管理をPDCAに組み込むことです。
目標管理シートは作成して終わりではなく、PDCAを繰り返し回すことで、課題や改善点を発見できます。その結果、今後の行動に活用できたり、課題解決力の向上につながるのです。
したがって、目標管理シートを作成したら、進捗状況を把握しながらPDCAを回し、効果的に運用していきましょう。
(3)すぐにフィードバックをする
3つ目に、すぐにフィードバックをすることです。
上司からのフィードバックのタイミングが遅いと、部下から「なぜもっと早く言わないのか」「いつからそう思っていたのか」と不信感を持たれるだけでなく、改善も遅くなります。また、取り返しの付かないミスを直せず、目標が達成できないリスクもあります。
したがって、部下の成長の機会を逃さないためにも、タイムリーにコミュニケーションがとれる仕組みの構築は欠かせません。
目標管理シートのテンプレート紹介まとめ
これまで、目標管理シートの書き方やテンプレート、効果的に使うためのポイントを中心にご紹介しました。
効率良く目標管理シートを作成したい方は、テンプレートが役立ちます。そして、目標達成のためには、目標管理シート作成後の進捗報告や振り返りが欠かせません。
そのため、Excelで作成した目標管理シートを一元管理でき、求めている情報に即アクセスできるツールでExcelファイルを管理するべきなのです。加えて、ファイル内のキーワードまで検索できるツールであれば、検索時のストレスは大幅に軽減されます。
結論、目標管理シートを作成・管理するのに最も最適なツールは、超高精度の検索機能を備えつつ、社内情報をまとめて管理できる「ナレカン」一択です。
ぜひ「ナレカン」を導入して、適切に目標管理シートを作成・管理しましょう。