顧客情報は紙カルテでの管理が主軸でしたが、紙では紛失や漏洩の心配があるだけでなく、情報の更新がしにくいといった課題があります。そのため、昨今ではオンライン上でカルテを管理する「電子カルテツール」が、医療・美容業界に限らずさまざまな企業で導入されています。
一方、紙でのカルテ管理から脱却したいが、電子カルテツールは種類が多く自社に合っているツールがわからないと悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カルテを効率的に管理できるツール10選と電子カルテを導入する際に確認しておくべきポイントをご紹介します。
- 顧客カルテが紙の管理なので、場所や探しにくいといった問題に悩んでいる
- 院内や系列の事業所とも簡単に顧客のカルテを共有したい
- 自社に合った使い方ができる電子カルテツールを探している
という担当者の方はこの記事を参考にすると、自社に合った電子カルテツールが選べ、顧客情報の管理や共有をスムーズに行えます。
目次
- 1 カルテを効率的に管理できるツール10選
- 1.1 【Stock】顧客の情報を最も簡単に残せるツール
- 1.2 【LiME】美容師のカルテをスマホでも管理できるツール
- 1.3 【美歴】美容院のカルテ管理に利用できるツール
- 1.4 【KaruteKun】美容室サロン向けの電子カルテツール
- 1.5 【GENBA-ISM】顧客管理から受注・発送までを一括管理できるツール
- 1.6 【BEFORE AFTER】写真での顧客管理に特化したツール
- 1.7 【きりんカルテ】医療業界に特化しているカルテ管理ツール
- 1.8 【BrainBoxCloud】多言語対応可能な医療現場向けの電子カルテツール
- 1.9 【CLIUS】オンライン診療に対応したクラウド型カルテツール
- 1.10 【Medicom-HRf】一般診療所向け電子カルテツール
- 2 電子カルテを導入する際に確認しておくべきポイント
- 3 カルテ管理が効率的になるツールのまとめ
カルテを効率的に管理できるツール10選
以下では、顧客のカルテを効率的に管理できるツール10選をご紹介します。
電子カルテツールは、顧客情報がオンライン上で管理されているので、カルテを編集すれば追加した内容がリアルタイムで共有されます。また、写真や動画を紐付けて管理できるので、紙のカルテのように写真を逐一印刷する手間もかかりません。
一方で、自社のITリテラシーが異なる場合に多機能なツールを選定してしまうと、社員やスタッフが使いこなせず、多くの教育コストがかかってしまう可能性もあります。そのため、カルテ管理を確実に行うには、機能の豊富さ以上に「誰でも簡単にカルテを編集・確認できるツール」であるかが重要なのです。
したがって、導入したその日から説明なしでも使いこなせるくらい簡単に利用できる「Stock」が最適です。
Stockは「ノート」でカルテを簡単に作成でき、「フォルダ」で階層的にカルテを管理・整理できます。また、写真や動画を作成したカルテ内に添付できるので、視覚的な経過情報の確認も可能です。
【Stock】顧客の情報を最も簡単に残せるツール

「Stock」|チームの情報を最も簡単に残せるツール
Stockは、チームの情報を最も簡単に残せるツールです。「チャットツールだと情報が流れていき、ファイル共有だと面倒」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート機能」を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残せます。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用すると、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散せず、常に整理された状態で業務を遂行できます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITに詳しくないチーム向けのツールITの専門知識がなくても問題なく、簡単に始められます。
- とにかくシンプルで、誰でも使える余計な機能は一切なくシンプルなツールなので、誰でも簡単に情報を残せます。
- 驚くほど簡単に「情報ストック」と「タスク管理」ができる社内の共有情報等の「情報ストック」が驚くほどしやすく、さらに直感的な「タスク管理」も可能です。
<Stockの口コミ・評判>
![]() 池本 健太郎さん きずな綜合会計事務所 |
「会計事務所内の『情報ストック』と『タスク管理』が、すべてStock上で完結しています」 ★★★★★ 5.0 少なくとも会計事務所であれば、どこの事務所であっても大幅に業務効率を改善できると思います。しかし会計事務所に限らず、フォルダ階層形式でサクサクと情報共有したり、または簡単にタスク管理したいチームであれば、どこにも強くオススメできます。 |
![]() 塩出 祐貴さん 松山ヤクルト販売株式会社 |
「強烈な『ITアレルギー』があるチームでも、Stockならば、一切混乱なく導入できました」 ★★★★★ 5.0 弊社の宅配部門のスタッフの半分近くは50代以上と高齢で、キーボード入力が苦手なスタッフもいるほど、ITツールへの強い抵抗感がありました。しかし、Stockは他ツールに比べて圧倒的にシンプルで、直感的に使えるため、予想通り非常にスムーズに使い始めることができました。 |
![]() 西尾 太初さん 株式会社ハピネス |
「LINEだと情報が流れていってしまう問題が、一気に解消されました!」 ★★★★★ 5.0 従来使っていた『LINE』だと、情報が流れていってしまうので、後から過去の『営業の打ち合わせ記録』を振り返ることはできませんでした。しかし、Stock(ストック)を導入した後は、すべての『営業の打ち合わせ記録』が『ノート単位』で整然と管理されており、過去の営業記録にも即座にアクセスできます。過去に『いつ・誰と・何を』話したかが明確に分かるようになったので、2回目、3回目の営業戦略を立てられるようになりました。 |
<Stockの料金>

https://www.stock-app.info/pricing.html
登録から30日間は、全ての機能を無料で試すことができます。
無料トライアル終了後に有料プランに申し込むことで、そのままノートを制限なく作成できる他、「誤削除防止機能」や「編集履歴機能」などのビジネスに必須の機能も継続して利用できます。そして、大容量のファイルも引き続きアップロード可能です。
有料プランでも1人あたり月額300〜400円程度からという非常に手頃な価格で利用できます。
【LiME】美容師のカルテをスマホでも管理できるツール
<LiMEの特徴>
- 美容師が企画制作している
- 予約やデータの管理も可能
実際の美容師が企画制作しているため、現場での使いやすさが重視されています。
顧客情報のほかにHOT PEPPERやLINEとの予約連携、カード決済や電子マネー決済の売上データ管理などがツールひとつで行えます。
<LiMEの注意点>
- 売上により利用料金が変動する
利用する店舗の売上によって利用料金が変わるため、導入前にどれくらいの費用がかかるのかを確認しておきましょう。
<LiMEの料金体系>
- 無料プラン: ¥0/月
- カルテ管理プラン: ¥2,178/月(上限金額)
- ネット予約プラン: ¥6,358/月(上限金額)
売上に応じて利用料金が異なるので、都度公式サイトの確認が必要です。
【美歴】美容院のカルテ管理に利用できるツール
<美歴の特徴>
- カルテが無制限に登録できる
- 分析が可能
カルテの保存数に制限がありません。そのため、全ての顧客を写真と一緒に管理できます。また、スタイル写真は1施術につき6枚アップロードできます。
美歴アナリティクスというツールで、所属スタッフの美歴活用状況や美歴での効果などを分析できます。また、顧客からのフィードバックも可能なため顧客マネジメントが充実します。
<美歴の注意点>
- スタッフ管理や予約管理は有料
- 自動更新
カルテの管理のみであれば無料で利用できます。しかし、スタッフ管理や予約システムとの連携機能を利用する場合は別途料金がかかります。
PersonaプランとTeamプランは6ヶ月ごとに自動更新されます。
<美歴の料金体系>
- Trial: ¥0/月
- Personal: ¥8,800/月
- Team: ¥15,400/月
【KaruteKun】美容室サロン向けの電子カルテツール
<KaruteKunの特徴>
- サロン系店舗向けツール
- LINE連携
カルテに写真を残せるため、美容室やネイルサロン、リクラゼーションサロンなどで多く使われています。店舗同士の同期も可能なので、顧客が違う店舗を利用しても施術の状況や履歴を確認できます。
<KaruteKunの注意点>
- 無料プランがない
30日間の無料トライアルはありますが、無料で使い続けられるプランがありません。そのため、継続的な利用には有料プランの加入が必要になります。
<KaruteKunの料金体系>
- 基本プラン: 1店舗あたり ¥11,000/月
- LINEオプション: ¥11,000/月
ひとりでの利用の場合、基本プランは¥5,500オフ、LINEオプションは¥5,500オフで利用できます。
【GENBA-ISM】顧客管理から受注・発送までを一括管理できるツール
<GENBA-ISMの特徴>
- 受注管理システム
- 複数の拠点でも利用可能
顧客管理はもちろん、POSレジの入金管理や請求管理、ヤマト運輸のB2システムとの連携も可能です。そのため、顧客管理から受注・発送までの流れを一元化できます。
情報はオンライン上で管理されているので、支店が複数あっても顧客情報や受注情報を共有できます。
<GENBA-ISMの注意点>
- オプションが多い
- スマホ利用はできない
売上の管理や分析機能はオプションなので別途料金を支払う必要があります、
スマホでの利用に対応していません。パソコン以外での確認や編集を行うにはiPadを利用する必要があります。
<GENBA-ISMの料金体系>
- 基本プラン: ¥250,000/月
- チームプラン: ¥400,000/月
- 拠点共有プラン: ¥600,000/月
【BEFORE AFTER】写真での顧客管理に特化したツール
<BEFORE AFTERの特徴>
- 写真で顧客管理に特化
- 手書きでのカルテ記入に対応
整体、ネイルサロン、エステ、美容室などでの顧客管理に特化しています。写真によって施術前後や経過情報など、変化の可視化が行えます。
スマホ、パソコン、タブレットに対応しているため、手書きのカルテ記入に対応しています。紙と同じ要領で利用できるため電子カルテが初めての人でも取り入れやすいです。
<BEFORE AFTERの注意点>
- 無料プランでは保存容量が少ない
- 予約機能はない
無料プランでは写真の保存容量が100MBしか利用できません。カルテとともに写真を管理する場合は、有料プランに加入する必要があります。
予約機能がついていません。他のツールで予約管理し顧客情報を探す必要があるため、ツールの横断が発生してしまう可能性があります。
<BEFORE AFTERの料金体系>
- 無料プラン: ¥0/月
- Sプラン: ¥3,300/月
- Mプラン: ¥5,400/月
- Lプラン: ¥8,100/月
- 使い放題プラン: ¥9,800/月
【きりんカルテ】医療業界に特化しているカルテ管理ツール
<きりんカルテの特徴>
- 豊富な機能が揃っている
- 外部機関との連携ができる
予約システムや在宅医療・自由診療など、様々な用途で利用できます。
外部の検査会社や医療機器と連携して、検査結果とカルテを紐付けた管理が行えます。
<きりんカルテの注意点>
- タブレット・スマホで利用できない
- 利用できる医院が限られる
WindowsOSのタブレット以外のタブレット・スマホでの利用ができません。
歯科、整骨院、鍼灸院、整体院などでの利用はできません。医事会計部分でORCA機能を利用しているので、ORCAへ医療機関としての申請・登録が行われている必要があります。
<きりんカルテの料金体系>
- 日レセクラウド初期設定費用: ¥110,000~
- 日レセクラウド導入サポート費用: 要問い合わせ
- 日レセクラウド 保守・サポート費用: ¥25,300/月~
【BrainBoxCloud】多言語対応可能な医療現場向けの電子カルテツール
<BrainBoxCloudの特徴>
- AI INSIGHT機能搭載
- 処方チェックが可能
データの蓄積を行うと学習モデルが作成され、診察の待ち時間や再来院率など医療現場でのさまざまな予測が行えます。
医薬品データベースMDbankVⅢを搭載しているため、副作用やクロルプロマジン換算などを表示・参照できます。
<BrainBoxCloudの注意点>
- 操作に慣れが必要
操作が複雑なため、使いこなすまでに教育コストがかかってしまう可能性があります。
<BrainBoxCloudの料金体系>
- 要問い合わせ
【CLIUS】オンライン診療に対応したクラウド型カルテツール
<CLIUSの特徴>
- マルチデバイス対応
- 地域医療連携も可能
Windows、Mac、タブレットに対応しています。そのため、診察室や事務、訪問診療など場所を問わずに利用できます。
SS-MIX2対応で、グループ医院での利用や複数医院をまたがった働き方に利用可能です。また、日本医師会が提供する医療会計ソフト「ORCA」と連携できます。
<CLIUSの注意点>
- 初期費用がかかる
- セルフ導入プランには連携機能が無い
電話やメールでの遠隔サポートを利用するためには、初期費用がかかる基本プランの加入が必要です。
セルフ導入プランでは機器連携ができないため、完全予約制の病院や診療所でないと利用が難しい可能性があります。
<CLIUSの料金体系>
- 基本プラン: ¥12,000/月 初期費用 ¥200,000
- セルフ導入プラン: ¥30/診察1回 初期費用 ¥0
【Medicom-HRf】一般診療所向け電子カルテツール
<Medicom-HRfの特徴>
- カスタマイズ可能
- クラウド・オンプレミスを切り替え可能
オプションを組み合わせて各病院や診療所に沿ったカルテの作成が可能です。また、キー操作も簡単に行えるため、慌ただしい医療現場にも対応できます。
クラウドとオンプレミスを切り替えて利用できます。そのため、災害時などのネット環境の維持が難しい現場でもカルテの確認が可能です。
<Medicom-HRfの注意点>
- レイアウトが見づらく感じる可能性がある
- 多機能すぎる
カスタマイズが自由に設定できる一方で、レイアウトが簡素で文字も多いため、見づらく感じてしまう可能性があります。
多くの機能を兼ね備えていますが、慣れていない人には機能が多すぎて使いこなせない場合があります。
<Medicom-HRfの料金体系>
- 要問い合わせ
電子カルテを導入する際に確認しておくべきポイント
電子カルテを導入する際に以下の3つのポイントを確認しておくと、確実なカルテ管理が行え、院内や系列の事業所との情報共有がスムーズになります。
セキュリティやサポートに安心できるか
セキュリティやサポートに安心できるツールであるか確認しましょう。
顧客カルテは、顧客の来院歴や経過情報だけでなく個人情報などの機密情報も扱います。そのため、強固なセキュリティシステムや、紛失・漏洩など万が一の状況に陥っても素早いサポートがあるツールが必要なのです。
たとえば、情報セキュリティの目安として以下のようなポイントは必ず確認しておきましょう。
- 完全性
- 機密性
- 可用性
許可を得た範囲内の情報を正確に利用でき、常に最新状態かつデータが過不足なく保たれるか
情報の漏洩・改ざんがされない状態が整っているか
情報を利用したい際に確実にアクセスでき、誰でもストレスなく使えるか
アクセス権限の設定やログの確認が行えるツールもあるので、自社のセキュリティポリシーを満たした機能が備わっているかを重視する必要があります。
編集や更新の簡単さ
編集や更新が簡単に行えるツールであるかの確認も重要です。
操作が簡単でカルテの編集や更新がしやすいツールであると、些細な内容でも素早く入力できるため密度の高いカルテが作成されやすくなります。
一方で、ツールの複雑さからカルテを見たい時に見られなくなってしまうと、「誤った対応」や「患者・顧客の待ち時間の増加」、「伝達齟齬」に繋がる可能性もあるのです。
そのため、簡単な編集や更新はもちろん、スマホやタブレットなど手元の端末でもカルテの確認ができるようなツールであると、情報の確実な蓄積や共有に繋がりやすくなるでしょう。
さまざまな形式で情報を残せるか
さまざまな形式で情報を残せるツールであるかの確認も行いましょう。
医療・美容などの現場はシフト制が多く、確実に同じ担当者が対応する訳ではないので、次に担当する社員やスタッフのために正確な情報を蓄積しなければなりません。テキストだけでは情報が伝わりきらない可能性もあるため、写真や動画、ファイル情報など、視覚的な情報をカルテに残せる機能が必要です。
また、写真や動画を残しておけば、経過具合や以前の処置が具体的に確認できるうえ、現在の状態との比較も簡単に行えます。
そのため、カルテ情報を確認すれば同じ担当者ではない場合でも、正確な対応や処置が可能になります。
カルテ管理が効率的になるツールのまとめ
ここまで、カルテを効率的に管理できるツール10選と電子カルテを導入する際に確認しておくべきポイントをご紹介してきました。電子カルテを導入する際に確認しておくべきポイント3つは以下になります。
- 紛失・漏洩など万が一の状況に陥っても、安心できるセキュリティとサポートか
- スマホやタブレットなどの端末でも、編集や更新が簡単に行えるツールであるか
- 写真や動画、ファイルなど、視覚的な情報をカルテに残せる機能があるか
一方、電子カルテツールはカルテ管理以外の機能が豊富なものもありますが、ツールによっては機能の多さから操作が複雑化し、社員やスタッフが使いこなすまで多くの時間や教育コストがかかる場合もあります。
したがって、あらゆる情報の確実な蓄積はもちろん、「社員やスタッフが簡単に利用できるツール」である必要があるのです。今回ご紹介したStockは、シンプルな操作で誰でも簡単に顧客カルテの管理を効率化できます。
利用は無料からでき、登録は1分で完了するので、ぜひ「Stock」で顧客カルテの確実な管理を行いましょう。

1986年生まれ。早稲田大学法学部卒。
新卒で、野村総合研究所(NRI)に、経営コンサルタントとして入社。
その後、株式会社リンクライブ(現:株式会社Stock)を設立。代表取締役に就任。
2018年、「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」ことをミッションに、チームの情報を最も簡単に残せるツール「Stock」を正式ローンチ。
2020年、ベンチャーキャピタル(VC)から、総額1億円の資金調達を実施。
2021年、東洋経済「すごいベンチャー100」に選出。