昨今では「従業員の最低5日以上の有給取得」の義務化に伴って、有給管理表の作成・運用が不可欠となっています。そこで、Excelを用いれば、関数を使って有給日数を自動計算したり、テンプレートを活用したりして管理表を簡単に作成できるのです。
 
しかし、「Excelを使った有給管理表の作り方が分からない」という方も多いのではないでしょうか。
 
そこで今回は、Excelでの有給管理表の作り方やテンプレートを中心にご紹介します。
 
という方はこの記事を参考にすると、有給管理表の作り方だけでなく、有給管理業務を効率化する方法まで見つかります。


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【わかりやすい】有給休暇管理表(有給管理簿)とは

有給休暇管理表(有給管理簿)とは、従業員の年次有給休暇を正確に管理するための帳簿です。
 
また、労働基準法では、従業員ごとの有給管理簿の作成と、3年間の保存義務が定められています。そのため、有給管理表を正しく運用すれば、社内の有給取得状況を把握できるだけでなく「労働基準法の遵守」や「労務管理業務の効率化」にもつながるのです。
 
以上のことから、有給管理表の作成・保管は、企業にとって不可欠な業務と言えます。


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年5日の年次有給休暇の概要

ここでは、「年5日の年次有給休暇」についての概要をご紹介します。マネジメント層の方は必見です。

年5日の年次有給休暇とは

2019年4月施行の働き方改革関連法により、企業は「年10日以上の有給休暇が付与される従業員に対して、年5日の有給休暇を確実に取得させること」が義務づけられました。
 
そのため、使用者は有給付与の「基準日」「日数」「時季」を明記した有給管理簿を作成して、従業員の有給取得状況を正確に把握しなければなりません。
 
また、作成した有給管理表は「有給休暇を与えた期間」と「期間満了後3年間」の保存義務があるため注意しましょう。
 

年5日の年次有給休暇の条件

年5日の年次有給休暇の条件は「年次有給休暇が10日以上付与されていること」です。なお、使用者は以下の2点を満たす労働者に対して、10日の年次有給休暇を与える必要があります。
 
  • 雇入れの日から6ヶ月継続勤務
  • 全労働日の8割以上の出勤
上記を満たした労働者には、原則として10日以上の年次有給休暇が付与され、年5日の年次有給休暇を確実に取得させる義務が生じるのです。
 

違反した場合に科される罰則

以下は、違反内容ごとに課せられる罰則を示した表です。(※左右にスクロール可)
 
<違反条項> <違反内容> <罰則規定> <罰則内容>
労働基準法第39条第7項
年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合
労働基準法第120条
30万円以下の罰金
労働基準法第89条
使用者による時季指定を行う場合において、就業規則に記載していない場合
労働基準法第120条
30万円以下の罰金
労働基準法第39条(第7項を除く)
労働者の請求する時季に所定の年次有給休暇を与えなかった場合
労働基準法第119条
6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
このように、違反を犯した場合、罰金あるいは懲役などの罰則が科されるので、全社員が確実に有給休暇を取得できるような管理体制を整えましょう。
 


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有給管理表に記載するべき項目

有給管理表には、以下の3つの項目を記載する必要があります。
 
<項目> <内容>
基準日
従業員の有給休暇を付与する権利が発生する日です。労働基準法では、基準日から1年以内に5日の年次有給休暇の取得が義務付けられています。
日数
従業員が基準日から1年間で取得した有給の日数です。
時季
従業員が有給を取得した日付です。
以上の基本項目に加え、前年度からの「繰越日数」や「残日数」を記載すれば、より分かりやすい有給管理表を作れます。また、Excelで作成する場合、”関数”や”マクロ”を使うと、取得日数を自動計算して有給管理を効率化できるのです。


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Excel|自動計算できる有給管理表の作り方

以下では、Excelで自動計算できる有給管理表を作る方法を解説します。「社員の有給取得状況を効率よく管理したい」という方は必見です。

(1)関数を活用する

自動計算できる有給管理表をExcelで作成するには「関数」が便利です。
 
関数を使うと、従業員の勤続年月や有給取得日数を自動で計算できます。以下では、有給管理に便利な関数を3つご紹介します。

DATEDIF関数

DATEDIF関数を使うと、以下の式で入社年月からの勤続月数を自動で求められます。
 
  • =DATEDIF(入社開始日,現在の日付,単位”月”)
有給休暇の取得日数は、社員の継続勤務期間によって定まります。そこで、上記の式を使うと、社員の勤務月数が自動で計算され、有給休暇の付与数が簡単に分かるのです。

IF関数

IF関数を使うと、勤続月数に基づいて有給の付与数を計算できます。
 
IF関数とは、入力した任意の判定式の真偽に合わせて、出力するデータを指定する関数です。たとえば、以下の式を使うと、勤続月数に基づいて、法律で定められた有給付与数を求められます。
 
  • =IF(“勤続月数が出力されたセル”<6,0,IF((AND("勤続月数が出力されたセル">=6,”勤続月数が出力されたセル”<18),10,IF((AND("勤続月数が出力されたセル">=18,”勤続月数が出力されたセル”<30),11,IF……
  • ※有給休暇は勤続6ヶ月で10日の付与、勤続18ヶ月(1年6ヶ月)で11日の付与と付与日数が決まっている。
このように、IF関数の中にIF関数を入れることで、ひとつの式で簡単に有給の付与数を自動計算できるのです。
 

OR関数

有給の付与月かをIF関数で判別するときには、OR関数を使います。
 
有給には時効がありますが、先に付与された方から消化されていきます。そのため、有給付与月とそうでない月とでは処理が異なり、以下の関数で付与月か否かの判別が必要なのです。
 
  • =IF(OR(条件)” ● ”” – ”)
使い方としては、IF関数の中にOR関数を埋め込み、いずれかの条件を満たしている場合は「●」、そうでない場合は「-」を表示するようにして判別しましょう。

(2)マクロを作成する

マクロを使うと、有給管理で繰り返すルーティーン作業を自動化できます。
 
Excelのマクロ機能とは、自動化したい操作をあらかじめ設定しておくことで、簡単に実行させられる機能です。たとえば、従業員の名前を入力するだけで有給の付与数を確認したり、取得率を計算したりするように設定できます。
 
ただし、自動計算で表を作っても、正しく管理しなければ参照したいデータが見つからず非効率です。したがって、Excelで有給管理表を作成したら、「ナレカン」のように検索機能が優れたITツールで保管しましょう。


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【無料】自動計算できる有給管理表のExcelテンプレート4選

以下では、Excelで使える有給管理表のテンプレート4選をご紹介します。テンプレートを使うと、表を作成する手間なく簡単に運用に乗せられます。

個人別の有給休暇管理表

Microsoftのテンプレート
 
こちらは、Microsoft社が提供する「有給休暇管理表」のテンプレートです。
 
有給休暇の取得日や日数を従業員ごとに管理できます。また、取得日を入力すると、残日数が自動計算される機能が付いているので、有給休暇のスケジュールを立てやすいです。
 

入社日からの有給取得数を確認できる管理簿

Office Hackのテンプレート
 
こちらは、Office Hackが提供する「有給管理簿」のテンプレートです。
 
全従業員の有給休暇の取得日や残日数を一覧で管理できます。前年繰越日数は手入力する必要がありますが、時効による消滅などは自動で反映される点が便利です。
 

月ごとの取得状況を確認できる有給管理表

[文書]テンプレートの無料ダウンロードのテンプレート
 
こちらは、[文書]テンプレートの無料ダウンロードが提供する「有給管理表」のテンプレートです。
 
全従業員の有給の消化状況を月ごとに確認できます。また、前年度の繰り越し分と今年度の付与日数、各月ごとの消化日数を入力すれば、残日数が自動計算される仕組みです。
 

時間休に対応した有給休暇管理簿

エクセルテンプレートuconnectのテンプレート
 
こちらは、エクセルテンプレートuconnectが提供する「年次有給休暇管理表」テンプレートです。
 
社員1人につき1シートを使って有給休暇を管理します。有給の取得日だけでなく、申請日や時間休の取得時間なども詳細に管理できる点が特徴です。
 


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Excelで有給管理をするデメリットとは

Excelで有給管理をするデメリットとして、管理が煩雑になりミスが起きやすい点が挙げられます。
 
Excelの場合、有給管理表を新しく作成する度にファイルが増えて、管理が煩雑になりやすいです。とくに、多くの社員を抱える組織では「似た名前のファイルを見分けられず、違うファイルを誤って削除してしまった」といったトラブルも少なくありません。
 
しかし、有給管理表は保存期間が原則として定められているので、確実に保管する必要があります。そこで、Excelで有給管理表を作成した後は、”フォルダ”で見やすく整理できる「ナレカン」のようなツールで管理すれば、Excelのデメリットを解消できるのです。


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【必見】有給管理におすすめのツールとは

以下では、有給管理におすすめのツールについてご紹介します。
 
Excelでは、関数やマクロを活用して、自動計算できる有給管理表を無料で作成できます。しかし、Excelのファイル管理は煩雑になりやすく「ファイルを誤削除してしまった」「違うファイルを送ってしまった」といったトラブルが起きやすいです。
 
とくに、有給管理簿は3年間の保存が義務化されているため、作成後は適切に管理する必要があります。したがって、多くの社員情報を扱う企業は「社内の情報を見やすく整理できるITツール」を使って、有給管理表を確実に保管しましょう。
 
結論、大手~中堅企業の有給管理には、社内のあらゆる情報を蓄積して、即アクセスできる状態で管理できる「ナレカン」一択です。
 
ナレカンの「記事(ノート)」には、Excelで作成した有給管理簿をはじめテキストも情報を残せるうえ、任意の社員へリアルタイムで共有できます。また、”部署”や”社員”ごとに細かく整理可能な「フォルダ」で保管できるので、管理が煩雑化することもありません。

社内のあらゆる情報を見やすく管理できる「ナレカン」

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ナレカンの「記事」に、有給管理ファイルとともにテキスト情報を残しておけば、ファイルを開かずとも中身を把握できます。また、フォルダ機能を備えているため、画像のように「総務部」>「有給管理」といった階層管理も可能です。
 
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ナレカンで添付ファイル内まで検索する画面


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有給管理表のExcelテンプレートや関数まとめ

これまで、有給管理表のExcelテンプレートや作り方を中心にご紹介しました。
 
従業員へ年5日の年次有給休暇を確実に取得させるために、有給管理表は必ず作成しなければなりません。また、有給管理表は3年間の保存義務が定められているので、作成後は確実に管理する必要があります。
 
しかし、Excelのファイル管理の場合、似た名前のファイルが乱立して、誤削除・誤送信といったトラブルが起きやすいです。したがって、有給管理表を作成した後は、Excelではなく「情報を見やすく整理できるツール」で管理しましょう。
 
結論、自社が導入すべきなのは、社内のあらゆる情報を蓄積して、”即アクセス”できる状態で見やすく管理できる「ナレカン」一択です。
 
ぜひ「ナレカン」を導入して、有給管理を効率化しましょう。


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代表取締役社長 澤村大輔
この記事の監修者
株式会社Stock
代表取締役社長 澤村大輔

1986年生まれ。早稲田大学法学部卒。
新卒で、野村総合研究所(NRI)に、経営コンサルタントとして入社。
その後、株式会社リンクライブ(現:株式会社Stock)を設立。代表取締役に就任。
2018年、「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」ことをミッションに、チームの情報を最も簡単に管理できるツール「Stock」を正式ローンチ。
2020年、DNX VenturesEast Venturesマネーフォワード等のベンチャーキャピタル(VC)から、総額1億円の資金調達を実施。
2021年、東洋経済「すごいベンチャー100」に選出。
2024年、100名~数万名規模の企業のナレッジ管理の課題解決のために、社内のナレッジに即アクセスできるツール、「ナレカン」をαローンチ。

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