業務進捗や引き継ぎ事項を次の担当者へ伝える「申し送り」の業務は、後任者が滞りなく仕事を進めるために必須です。申し送りのときに伝えるべき情報として「申し送り事項」があり、作業ミスをしないように正確に伝える必要があります。
しかし、「どのように申し送りを書けば良いのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、申し送り事項の意味や書き方、例文やテンプレートを中心に紹介します。
- 申し送りでどのように書けば良いのかわからない
- 職種に合った申し送りに使えるテンプレートを探している
- スムーズに申し送り事項を連絡・確認できる体制を整えたい
という方はこの記事を参考にすると、申し送りのコツが分かるほか、スタッフの業務負担を解消する管理方法も見つかります。
目次
<ビジネス用語>申し送り事項とは
ここでは、ビジネス用語のひとつである「申し送り事項」の言葉の意味を解説します。なかには、「申し送り事項」と類似する言葉もあるので、違いを理解しておきましょう。
申し送り事項の意味・言い換えとは
ビジネスにおける「申し送り事項」とは、前任者が担当している業務を後任者へ引き継ぐときに伝える情報を指します。
申し送りは、担当者が定期的に変わる仕事で必要とされ、主に看護や介護の現場で実施されています。たとえば、「施設利用者の体調や家族からの連絡事項」「施設内でのトラブルや未対応の業務の共有」などが申し送りで伝えるべき内容です。
一方で、申し送りで伝えた情報に不足がある場合、後任者が業務ミスする原因になりかねません。そのため、申し送りのときに必須の項目を「申し送り事項」として定めて、重要な情報が確実に共有される環境を整えましょう。
申し送りと引継ぎの違い
似た意味で使われることの多い「申し送り」と「引継ぎ」ですが、厳密には意味が異なります。
「申し送り」は、複数人が交代制でしている業務の必要情報を伝え合うという意味合いで使われます。一方、「引継ぎ」は前任者が退任するときに、後任者へと業務内容を伝達するという意味です。
このように、「申し送り」も「引継ぎ」も前任者から後任者へ情報を伝達するという点は同じですが、使われるのが交代時か退任時かという違いがあります。
申し送りの目的とは
ここでは、申し送りの目的を解説します。以下で紹介する2つの目的をスタッフに周知して、申し送り業務の抜け漏れを予防しましょう。
(1)情報共有を円滑にする
一つ目は、施設内における情報共有を円滑化するためです。
看護や介護の現場では多くの情報をやりとりするので、情報を正しく共有しなければ、利用者一人ひとりに対して適切な対応ができません。そこで、申し送りで日々の情報を共有すれば、利用者の状況をスタッフ全員が把握できるようになります。
以上のように、スタッフが共有認識をもって業務に取りかかれるので、業務の重複や質問による無駄を防ぎ、スムーズな対応が可能です。
(2)業務を見える化する
二つ目は、各担当者の業務を見える化するためです。
申し送りノートには、前任者の完了作業や残作業が記載されているため「後任者が取り組むべき業務」を簡単に把握できます。業務が見える化されていれば、作業の優先順位も立てやすくなり、仕事をスムーズに完了させられるのです。
このように、申し送りは業務を可視化し、各スタッフのタスクを整理できるため、仕事を進めやすくする効果があります。
【例文あり】職種別!申し送り書を書くときのポイントとは
ここでは、申し送り書を書くときのポイントを職種別に解説します。具体的な必要事項も紹介しているので、担当者の方は必見です。
看護師・介護職
看護師・介護職の申し送り書で記載すべき項目は、以下の通りです。
- 施設利用者の体調の変化・必要な処置
- 施設利用者からの要望
- 家族からの連絡事項
- 施設内でのトラブル
- 未対応の業務の共有
以上のように、患者に関する情報を確実に共有しておけば、交代勤務が実施されている看護・介護の現場でも、継続して適切なケアを提供できます。
また、申し送りを書くときは以下の例文を参考に記載しましょう。
新規の入院患者に関する申し送り
【申し送り事項】
田中太郎さんは70歳です。明日、〇〇手術を受けるため入院されました。
ADL(日常生活動作)は制限なし、独歩可能です。
明日の手術に向けて食事制限の説明をしており、本人にも理解をいただいています。
同意書も記入済みです。
よろしくお願いいたします。
上記のように、事実ベースで申し送り事項を記載すると、内容がシンプルで利用者の状況が分かりやすくなるのです。
警備員
警備員の申し送り書では、以下の内容を記載しましょう。
- 警備中に生じた事案
- 警備中に講じた措置
- 警備中に確認したこと
- 警備中に気になったこと
このように、警備中に生じた問題やその対応を後任者へ伝えることで、後任者が同様の事態にも備えられるため、チーム全体で連携して円滑に業務を遂行できます。
申し送りを書くときには、以下の例文を参考にしましょう。
早番から遅番への警備に関する申し送り
【申し送り事項】
4月5日(木)22時ごろ、A棟3階で雨漏りしているとの報告がありました。
確認したところ、配管が劣化で損傷しており、そこから漏れていることが判明しました。破損した部分には、布を巻いて応急措置をしました。
4月6日(金)8時に工事会社を手配したため、対応よろしくお願いいたします。
上記のように、日付や時間を詳細に記録し、後任者との認識のずれが生じないようにしましょう。
営業職
営業職の申し送り書で記載すべき項目は、以下の通りです。
- 商談の進捗状況
- 取引先の決済者
- 取引先の印象
- 取引先との対応時のコツ
このように、取引先に関する情報を共有すれば、後任者が顧客との信頼関係を築きやすくなるので、ビジネスを円滑に進められます。
また、申し送りは以下の例文を参考に記載しましょう。
営業の前任者から後任者への申し送り
【申し送り事項】
A社・総務部・田中太郎さんと、〇月〇日にミーティングをしてヒアリングをしました。
要望としては、土木現場でスマホからでも確認できるマニュアルを作成・管理したいとのことでした。
スマホで撮った写真をそのままマニュアル内にアップロードできる点が気に入っていたので、そこを押し込んでいきましょう。
次回のミーティングが〇月〇日〇時~あります。提案資料の作成をお願いします。
上記のように、進捗状況とともに取引先の感触も記載することで、後任者が今後どのようにアプローチするか変わってくるため、なるべく記載するようにしましょう。
申し送り事項のまとめに使える無料テンプレート3選
以下では、申し送り事項のまとめに使えるテンプレート3選を紹介します。職種別に紹介するので、申し送り表の体裁を一から整える時間がない方は必見です。
看護師・介護職で使えるテンプレート

こちらは、ニップクケアサービス株式会社によるバイタルチェックができるテンプレートで、Excel・PDF形式でダウンロード可能です。体温や血圧、服薬・水分量の記録が一覧で確認できるため、日々の申し送りに活用できます。
警備員で使えるテンプレート

こちらは、フリーテンプレートによる警備で巡回した記録を残せるテンプレートです。巡回先や日時の基本情報に加え、項目を自由に記載できる形式になっているので、状況に応じて申し送り事項を記載できます。
営業職で使えるテンプレート

こちらは、[文書]テンプレートの無料ダウンロードによる顧客情報をまとめられるテンプレートです。会社概要や担当者の詳細・過去の取引記録が残せるので、営業担当の引き継ぎや契約時の情報連携の申し送りに役立ちます。
【必見】スムーズに申し送り事項を連絡・共有できる方法とは
以下では、スムーズに申し送り事項を連絡・共有できる方法を解説します。
従来の紙による申し送りでは、ノートの準備や受け渡しに手間がかかるほか、確認のタイミングが限られます。また、WordやExcelファイルはスマホやタブレットで見づらく、確認に時間がかかるうえ、見落としのリスクも高まります。
そこで、「スマホでも申し送りをやりとりできるITツール」を使えば、現場スタッフもどこでも簡単に情報を確認でき、共有漏れを防げます。ただし、操作が複雑なツールは現場では使いこなしにくく浸透しにくいため、誰でも直感的に使えるシンプルさが重要です。
結論、申し送りの負担を解消するのは、スマホからでも使用でき、ITに慣れていない65歳の方が直感的に使いこなせるほどシンプルな「Stock」一択です。
Stockの「ノート」では、簡単にテンプレートを呼び起こせるため、申し送りの作成にかかる時間を削減できます。また、スマホからでも簡単に申し送り事項を確認できるので、紙の申し送り事項を確認しに移動する手間を省けます。
最も簡単に申し送りができるツール「Stock」

/ 情報ストック、タスク管理、メッセージ機能 /
チームの情報を、最も簡単に管理できるツール「Stock」
Stockは、社内のあらゆる情報を、最も簡単に「管理」できるツールです。「社内の情報を、簡単に管理する方法がない」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート」の機能を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残せます。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用すると、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散せず、常に整理された状態で業務を遂行できます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITの専門知識がなくてもすぐに使える
「ITに詳しくない65歳の方でも、何の説明もなく使える」程シンプルです。
- 社内のあらゆる情報を、最も簡単に「ストック」できる
作業依頼、議事録・問い合わせ管理など、あらゆる情報を一元管理可能です。
- 驚くほど簡単に、「タスク管理」「メッセージ」もできる
直感的な操作で、「タスクの担当者・期日の設定」と「メッセージでのやりとり」が可能です。
<Stockの口コミ・評判>
![]() 塩出 祐貴さん
松山ヤクルト販売株式会社 |
「強烈な『ITアレルギー』がある弊社にも、Stockならば、一切混乱なく導入できました」 ★★★★★ 5.0 弊社の宅配部門のスタッフの半分近くは50代以上と高齢で、キーボード入力が苦手なスタッフもいるほど、ITツールへの強い抵抗感がありました。しかし、Stockは他ツールに比べて圧倒的にシンプルで、直感的に使えるため、予想通り非常にスムーズに使い始めることができました。 |
![]() 竹原陽子さん、國吉千恵美さん
リハビリデイサービスエール |
「会社全体が、『Stock(ストック)さえ見ればOK』という認識に180度変わった」 ★★★★★ 5.0 特に介護業界では顕著かもしれませんが、『パソコンやアプリに関する新しい取り組みをする』ということに対して少なからず懸念や不安の声はありました。しかしその後、実際にStock(ストック)を使ってみると、紙のノートに書く作業と比べて負担は変わらず、『Stock(ストック)さえ見れば大半のことが解決する』という共通の認識がなされるようになりました。 |
![]() 江藤 美帆さん
栃木サッカークラブ(栃木SC) |
「ナレッジが属人化しやすいプロスポーツクラブには、Stockを非常に強くお勧めします!」 ★★★★★ 5.0 元々悩んでいた『ナレッジがブラックボックス化してしまう』という問題が、驚くほどうまく解消されました。 『Stockさえ見れば、すぐに必要な情報を把握できる』という状況を作り出すことに成功し、明らかに生産性が向上しました。 |
<Stockの料金>
- フリープラン :無料
- ビジネスプラン :500円/ユーザー/月
- エンタープライズプラン :1,000円/ユーザー/月
※最低ご利用人数:5ユーザーから
<例文あり>Stockを使った申し送り事項例
以下は、Stockを使って作成した申し送り事項例です。

Stockには、テンプレート機能が備わっているため、あらかじめ記載項目を登録しておけば、埋めるだけで簡単に申し送り事項が作れます。また、メッセージ機能によって、申し送り事項に関するやり取りもスムーズにできます。
申し送り事項の書き方のコツ4選
ここでは、申し送りを書く4つのコツを紹介します。以下を参考にすると、伝わりやすい申し送りノートができるほか、共有漏れのリスクも抑えられるようになるので必見です。
(1)伝えたい情報を整理する
必要な情報を過不足なく後任者に伝えるためにポイントを整理しましょう。
後任者は申し送りをもとに業務に優先順位を付けます。申し送りノートが整理されていない場合、理解するのに時間がかかったり、間違った解釈をしたりする可能性があるので、誰が読んでも分かる文章にする必要があります。
引き継ぎ後に何度も質問しなければならない状況を避けるためにも、申し送り事項は「シンプルかつ過不足なく」書くことが大切です。
(2)事実と主観の意見を区別する
申し送りをするときには「実際のデータ(事実)」と「個人の考え(意見)」を区別しなければなりません。
たとえば、「Aさんは元気そうだった」とだけ申し送ると、実際に微熱があったとしても、後任者が「問題ない」と判断し、体調確認を省いてしまう可能性があります。このように、事実と主観を混同すると、後任者が状況を誤解して対応を誤る恐れがあります。
したがって、申し送りの際には「事実」と「意見」を分けて記載しましょう。さらに、データの横に「この順序で仕事を進めていくと効率がいい」などのポイントを添えると、引き継ぎ後もスムーズに業務を進められます。
(3)項目別に分けて伝える
申し送りは、伝達事項を項目別に分ける必要があります。
たとえば、記載すべき項目をあらかじめ用意していない場合、人によって書き方がバラバラになり見づらいと言えます。一方、書くべき項目を押さえておけば前任者がどこに何を書けば良いのか分かるうえ、後任者も内容を瞬時に把握できるのです。
したがって、申し送りノートには「日時・記入者・業務内容・所感・特記事項」と項目を設けて、分かりやすく端的に記載しましょう。
(4)テンプレートを準備する
申し送りのテンプレートをあらかじめ作成しておくこともポイントのひとつです。
適切に項目が分けられていたり、分かりやすい体裁になっていたりすると、申し送りの内容がひと目で分かります。とはいえ、申し送りはあくまで情報共有の手段であり、体裁づくりに毎度時間をかけていてはかえって業務の効率が悪くなってしまいます。
そのため、事前に「テンプレート」を作成しておけば、わざわざ体裁を整える手間がなくなり、見やすい申し送りノートを簡単に作れます。たとえば、「Stock」のようなテンプレート機能が備わったツールで申し送り事項を作成すれば、記載がスムーズに進みます。
申し送り事項の概要まとめ
これまで、申し送り事項の概要や目的、書き方のポイントを中心に紹介しました。
申し送り事項は業務の引き継ぎに必要な情報であり、漏れなく伝えなければなりません。また、紙を中心としたアナログな申し送りでは、作成に時間がかかりスタッフの負担となります。
そのため、スタッフの業務負担を解消するために、申し送りノートを簡単に作成・共有できるITツールが必要です。ただし、多機能なITツールは導入しても使いこなすのが難しいので、スムーズな運用を実現するには「操作が簡単なツール」を選びましょう。
結論、導入すべきツールは、情報共有の機能に過不足がなく、ITに慣れていない65歳の方が直感的に使いこなせるほどシンプルな「Stock」が最適です。
ぜひ「Stock」を導入し、申し送りをはじめとしたあらゆる情報を管理できる環境を整えましょう。