業務情報を管理できるツールのひとつに「Notes(ノーツ)」があります。Notesはスケジュール管理やファイル共有、メール、掲示板など、多機能で柔軟性が高く、大手企業を中心に多くの組織で採用されてきました。
しかし、2024年6月にNotesのサポート終了が発表されたことで、多くの企業が代替ツールの検討を迫られています。そのため、「移行作業に不安がある」「どのツールを選べば良いかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Notesのデータ移行手順や移行先におすすめの代替ツールを中心にご紹介します。
- Notesのサポートが終了するが、データを移行する方法が分からない
- Notesに代わる情報管理アプリを探している
- スムーズに記録が残せるノート型ツールを探している
という方はこの記事を参考にすると、自社に最適な代替ツールが見つかるだけでなく、移行に失敗しないためのヒントも得られます。
目次
Notesの現状
Notesは、社内掲示板やファイル管理、メール、スケジュール管理、申請フォームの作成など、あらゆる業務をカバーする多機能なグループウェアです。
Notesの前身は1989年にロータス・デベロップメント社からリリースされ、1995年にIBMに買収されました。そして、2019年にHCLテクノロジーズ社に売却されることが発表され、現在の名称は「HCL Notes/Domino(以下、Notes)」となっています。
以上のように、企業の買収などさまざまな発表があったNotesですが、2022年6月に「9.0.xおよび、10.0.xの販売とサポートの終了」を発表しました。ただし、2024年10月にサポート期間の延長が決定したため、提供終了は2026年6月2日までとなります。
なぜNotesから移行が必要なのか?
Notesからの移行が必要とされる背景には、以下のような課題が挙げられます。
- 技術者の減少
- クラウド型ツールの普及
Notesはオンプレミス型で利用されることを前提としたツールであり、システム運用を自社で担う必要があります。さらに、Notesは独自のプログラミング言語を使用しており、技術者が異動や退社することで、運用できる人材が不足するリスクが高まっています。
近年では、外出先でもアクセス可能なクラウド型ツールを採用する企業が増えています。一方で、Notesをクラウド対応にするためには、専用の開発が必要です。社内で対応できない場合は外部委託となるので、開発コストが大幅に増加する可能性があります。
このような状況の中、Notes9.0.xおよび10.0.xのサポート終了が発表されたことで、移行を検討する企業が増加しています。技術的な課題や時代のニーズに合ったツールを求める動きが、移行の必要性をさらに高めているのです。
【4ステップ】Notesからの移行に向けて必要な準備とは
Notesから別のツールへの移行をスムーズに行うためには、事前の準備が欠かせません。そこで以下では、必要な準備を4つのステップに分けて解説します。
ステップ1|現状のデータを整理する
まず、Notesに保存されているデータを整理しましょう。
重要な情報とそうでない情報を分類し、移行する必要のない不要なデータの削除が大切です。データ量が多い場合、移行先の容量や仕様を確認しながら整理を進めると効率的です。
ステップ2|移行先のツールを選定する
次に、移行先のツールを選びます。
業務に必要な機能(タスク管理、検索機能、クラウド対応など)が備わっているか、社内の利用者が使いやすいかを基準に検討しましょう。NotesのデータはCSVファイルとして出力するので、CSVファイルの読み込みに対応したツールを選ぶと移行がスムーズに進められます。
また、ツールの無料トライアルを活用し、実際の運用イメージを確認すると失敗を防げます。
ステップ3|移行計画を立て、テストを実施する
ツールを決定したら、移行のスケジュールや役割分担を明確にした計画を立てます。
また、移行の本番作業を行う前に、データの一部でテスト移行を実施しましょう。その際、データが欠損するリスクがあるため、事前のバックアップは忘れないようにしましょう。
ステップ4|ファイルを出力する
移行に向けて、Notesから必要なデータをCSV形式で出力します。以下の手順でファイルを出力してください。
- ビューでCSV化したい文書を選び、[ファイル]から[書き出し]を選択する
- [ファイル名]で新規ファイルを作る
- [タイプを指定して保存]リストから「Comma Separated Value」を選択する
- [すべての文書]または[選択文書]をクリックし、書き出し文字セットを設定する
- 画面上で[OK]をクリックし、出力を開始する
最後に、出力したCSVファイルを移行先のツールにインポートすれば、データ移行は完了です。
Notesの移行先を選ぶポイント
Notesの移行先を選ぶ際は、以下のポイントを必ず確認しましょう。これらを押さえていないと、ツールの運用が難しくなり、導入コストがムダになる可能性があります。
(1)ツールの操作性はシンプルか
まず、ツールの操作性がシンプルか必ず確かめましょう。
社内情報の共有や管理には、機能が過不足なく揃ったツールが求められます。しかし、操作が複雑なツールを導入してしまうと、全社に浸透せず形骸化するリスクが高まるため、「誰でも簡単に使えるか」を重視しましょう。
また、スムーズに全社に浸透するツールであれば、教育コストの軽減が期待できます。繰り返し使い方を教える必要がなくなるだけでなく、ほかの重要な業務に時間を割けるようになるのです。
(2)サポートは充実しているか
次に、移行先のツールに充実したサポートがあるか確かめましょう。
「Notes」と主流であるクラウド型ツールでは、システム管理の仕組みが異なるので、移行初期にはトラブルが発生しやすいと言えます。そのときに、適切なサポートがないと問題解決に時間がかかり、業務の停滞を招く恐れがあるのです。
とくに、サポートが充実していないツールや海外製のツールでは、言語や文化の違いによりトラブル対応に時間がかかるケースもあります。そこで、1営業日以内のサポートに定評がある「Stock」のような国産ツールであれば、導入初期の移行トラブルにも対処できます。
Notesからの完全移行に失敗する3つの理由
Notesから別のツールに移行する際、以下の3つの理由により困難になるケースがあります。
- 理由(1)プロダクトアウトでツール選定している
- 理由(2)無茶振りと丸投げが起こっている
- 理由(3)保守・管理の予算を組んでいない
移行先ツール(プロダクト)を先に決めてしまうと、手順や方法が制限され、一部データしか移行できないリスクがあります。移行プロセスを考慮してツールを選ぶことが重要です。
経営層からの「Notesをやめる」という指示と、現場の「同じ機能が必要」という要望が衝突するケースがあります。その結果、機能条件だけで移行先を選んでしまい、移行が上手くいかないというトラブルが起きてしまうのです。
移行に伴って、これまで別部署で支出していた保守・管理の予算が、情シスなどに集中するケースがあります。しかし、情シスは前例がないため予算を組めず、一部移行を中断して予算を確保しますが、解消の目処が立たず併用することになるのです。
※情シス=社内の情報システムを取り扱う部門
これらの課題を事前に把握し、対策を講じたうえで計画を進めましょう。
【必見】Notesの移行先におすすめのツール
以下では、Notesの移行先におすすめのツールをご紹介します。
グループウェアを導入する上で外せない機能としては「メール」「スケジュール管理」「掲示板」の3つです。つまり、Notesの代替ツールには、連絡ができる「メッセージ」、予定を管理する「タスク」、情報を蓄積する「ノート」が必須です。
ただし、現在主流のクラウド型ツールに切り替えるとき、導入初期にはさまざまなトラブルが想定されます。したがって、上記機能面に加え、スムーズに導入を進めるうえで「使いやすい操作性」「充実したサポート」は大前提となります。
結論、移行先として、Notesに求められる機能を過不足なく搭載しており、65歳以上のメンバーでも即日で使いこなせる程シンプルな「Stock」一択です。
Stockの「ノート」に情報を蓄積し、「メッセージ」「タスク」を紐づければ、話題が混ざらずストレスのない情報管理が実現します。さらに、問い合わせに対して1営業日以内の迅速なサポートがあるので、利用上の不明点が生じても速やかに解消できるのです。
最も簡単に社内情報を共有・管理できるツール「Stock」

/ 情報ストック、タスク管理、メッセージ機能 /
チームの情報を、最も簡単に管理できるツール「Stock」
Stockは、社内のあらゆる情報を、最も簡単に「管理」できるツールです。「社内の情報を、簡単に管理する方法がない」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート」の機能を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残せます。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用すると、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散せず、常に整理された状態で業務を遂行できます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITの専門知識がなくてもすぐに使える
「ITに詳しくない65歳の方でも、何の説明もなく使える」程シンプルです。
- 社内のあらゆる情報を、最も簡単に「ストック」できる
作業依頼、議事録・問い合わせ管理など、あらゆる情報を一元管理可能です。
- 驚くほど簡単に、「タスク管理」「メッセージ」もできる
直感的な操作で、「タスクの担当者・期日の設定」と「メッセージでのやりとり」が可能です。
<Stockの口コミ・評判>
![]() 塩出 祐貴さん
松山ヤクルト販売株式会社 |
「強烈な『ITアレルギー』がある弊社にも、Stockならば、一切混乱なく導入できました」 ★★★★★ 5.0 弊社の宅配部門のスタッフの半分近くは50代以上と高齢で、キーボード入力が苦手なスタッフもいるほど、ITツールへの強い抵抗感がありました。しかし、Stockは他ツールに比べて圧倒的にシンプルで、直感的に使えるため、予想通り非常にスムーズに使い始めることができました。 |
![]() 竹原陽子さん、國吉千恵美さん
リハビリデイサービスエール |
「会社全体が、『Stock(ストック)さえ見ればOK』という認識に180度変わった」 ★★★★★ 5.0 特に介護業界では顕著かもしれませんが、『パソコンやアプリに関する新しい取り組みをする』ということに対して少なからず懸念や不安の声はありました。しかしその後、実際にStock(ストック)を使ってみると、紙のノートに書く作業と比べて負担は変わらず、『Stock(ストック)さえ見れば大半のことが解決する』という共通の認識がなされるようになりました。 |
![]() 江藤 美帆さん
栃木サッカークラブ(栃木SC) |
「ナレッジが属人化しやすいプロスポーツクラブには、Stockを非常に強くお勧めします!」 ★★★★★ 5.0 元々悩んでいた『ナレッジがブラックボックス化してしまう』という問題が、驚くほどうまく解消されました。 『Stockさえ見れば、すぐに必要な情報を把握できる』という状況を作り出すことに成功し、明らかに生産性が向上しました。 |
<Stockの料金>
- フリープラン :無料
- ビジネスプラン :500円/ユーザー/月
- エンタープライズプラン :1,000円/ユーザー/月
※最低ご利用人数:5ユーザーから
<【4ステップ】NotesからStockに移行する手順>
Stockは「CSVファイルのインポート機能」を実装しているので、Notesのデータをスムーズに移行できます。具体的な方法は以下の通りです。
1. パソコンのブラウザ版からStockにログインし、画面右上の設定から[チーム設定の変更]を開きます。

2. メニュー左側の[データインポート]から[入力用ファイルをダウンロード]をクリックします。

3. ダウンロードした「入力用CSVファイル」を開き、Stockに読み込みたい内容を記載します。記載後は、「CSV UTF-8」形式で保存しましょう。
4. [ファイルをアップロード]をクリックし、3で編集した「入力用CSVファイル」を選択します。ファイルの読み込みが終わればデータ移行は完了です。

Notesよりも使いやすいStockの機能
Stockには、Notesにはないあると便利な以下の機能が2つあります。
話題が混ざらない「メッセージ機能」

Stockは、情報を記録した「ノート」ごとにメッセージ機能が付いているため、複数の話題が入り乱れることはありません。メッセージには以下の便利な機能もついています。
- 「了解しました」機能
- リアクション機能
ボタンを1つ押すだけで返信が完了するため、気軽に素早くやりとりができます。

さらに、5種類のリアクションボタンも搭載されており、チャットでも感情を表現しやすいです。

以上のようなメッセージ機能を活用することで、メールよりも情報共有を円滑に行えるのです。
見える化できる「タスク機能」

Stockには、やるべき業務を管理できるタスク管理機能もあります。ノートに紐づいたタスクを設定できるだけでなく、以下の便利な機能もついています。
- 検索・スター機能
- 繰り返し機能
- 通知機能
タスクは一覧で確認可能です。また、重要なものにはスターを付けたり、条件やキーワードでタスクを検索することが出来ます。

ルーティンのタスクがある場合は、繰り返し機能を使えばタスク作成にかかる時間を減少できます。

「期限に関する通知」と「タスクを作成・完了したとき」に通知がくるため、対応漏れの心配はありません。

ほかにも、Stockのタスク管理では自分だけでなく、他のメンバーのタスク状況も確認できます。そのため、状況に応じて仕事を進められるのです。
Notesを使い続ける5つのデメリット
サポート終了という要素以外にも、Notesを使い続けるデメリットがあります。自社の運用状況と照らし合わせながら、見落としている点がないか一つひとつ確認しましょう。
(1)保守・運用にコストがかかる
Notesの保守・運用コストがかかる点が第一のデメリットです。
たとえば、システムやサーバーを保守・運用するのに多額の金銭的コストがかかります。また、Notesは古いシステムなので直感的に使うことが難しく、使い慣れるまでの時間的なコストも必要です。
以上のように、金銭的コストと時間的コストの両方がかかることからも、使い続けるのには大きなリスクが伴います。
(2)技術者が不足している
次に、Notesを管理できる技術者の不足もデメリットのひとつです。
Notesはあらゆる企業で導入されましたが、当時の技術者は異動や退職をしていることも多く、システムがブラックボックス化しています。また、Notes独自の知識の習得はメリットが少ないため後回しにされてきた結果、誰も改修できない状態になっているのです。
したがって、「改修やメンテナンスに時間がかかる」「問い合わせ対応などの負担が増大する」などの二次的な問題も発生しています。
(3)メールが古い
Notesのデメリットのひとつに、メールが古い点が挙げられます。
Notesはメール機能も備わっていますが、利用ユーザーからは「メール機能が古く、ルールでの分別やフォルダの管理の設定が細かく分かりにくい」という声も寄せられています。(参考:ITreview>HCL Notes/Domino)
メールが分類できないと、重要なメールまで見落としてしまう可能性があり危険です。そのため、最近はメールではなく、「Stock」のようにノートにメッセージを紐づけてやりとりする企業も増えています。
(4)検索機能が使いづらい
次に、Notesのデメリットは検索機能が使いづらい点です。
Notesでは、アプリケーションとデータベース(データの保存場所)が1対1で対応しており、複数のアプリケーションを横断して検索ができません。したがって、アプリケーションの数だけ検索する必要があり、目的の情報へすぐにアクセスできないのです。
Notes以外のツールでもありがちなのが、上記のような「アクセス性の悪さ」になります。情報はもっとも基本的な経営資源であるため、いつでも簡単に探し出せる状態にしておきましょう。
(5)社員が使いこなせない
最後に、ITに詳しくない社員では使いこなせないデメリットがあります。
Notesは多機能ゆえに、利用ユーザーから「windowsの基本操作と異なる操作を求められる」「英語が多すぎて何の機能か分からない」「インターフェースが使いづらい」などの声が多数寄せられているのです。(参考:ITreview>HCL Notes/Domino)
現在は問題なくNotesを運用できる場合でも、人材の流動が激しい昨今の状況では、これから新たに教育する必要に迫られます。そのため、余計な教育コストを削減するには、誰でも直感的に使いこなせるような代替ツールが必須です。
Notesから移行後の運用ポイント
Notesから移行後のツールの運用を成功させるためのポイントは、以下の3つです。
- 全社への周知と教育
- 運用ルールの策定
- 管理体制の強化
新しいツールの使い方を全社員に共有し、簡単なトレーニングを実施しましょう。これにより、ツールがスムーズに導入され、現場での混乱が避けられます。
ツールの利用方法やデータ入力ルールを明確化することで、データの一貫性と効率性が保たれます。特に、大量のデータを扱う場合、運用ルールの整備が欠かせません。
情シスや管理者が定期的に運用状況をチェックし、必要に応じてサポートを提供する仕組みを整えましょう。
このように、移行後は適切な運用体制を構築することで、新しいツールの効果を最大化できます。準備を整え、長期的に活用できる仕組みを目指しましょう。
Notesの移行先におすすめのツールまとめ
これまで、Notesを使い続けるデメリットからおすすめの代替ツール、完全移行が難しい理由を解説しました。
Notesの移行先に必須の機能は、あらゆる情報をストックできる「ノート」、簡単に連絡がとれる「メッセージ」、作業予定を管理できる「タスク」の3つです。
また、移行を検討する7割以上のユーザーが、コストの次に「ユーザーが使いやすいか」を重視しています。Notesなどの多機能ツールは、ITに詳しくない社員が使いこなすのが難しいため敬遠される傾向にあるのです。
結論、導入すべきツールは、ノート・メッセージ・タスクの3機能を備えており、誰もが簡単に使える情報共有ツールの「Stock」一択です。
ぜひ「Stock」を導入し、社内情報を適切に管理できるようにしましょう。
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