近年、社内の業務効率化を進めるためのツールとして、Microsoft Power Platformが注目されています。プログラミングの専門知識がなくてもローコードでアプリ作成やシステム構築ができることが大きな魅力です。
 
しかし、「Microsoft Power Platformで具体的に何ができるのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
 
そこで今回は、Microsoft Power Platformの概要や活用事例を中心にご紹介します。
 
という方はこの記事を参考にすると、Microsoft Power Platformの活用方法だけでなく、業務効率化に最適なツールもわかります。

Microsoft Power Platformとは

PowerPlatformのイメージ
 
 
Microsoft Power Platformとは、業務効率化に役立つローコードのビジネスプラットフォームです。以下では、Microsoft Power Platformの特徴やPowerAppsとの違いなどをご紹介しています。

「Microsoft Power Platform」の特徴

Microsoft Power Platformは、プログラミングの専門知識がなくてもローコードでチャットボットを作成したり、ビジネスアプリを制作したりできる点が特徴です。
 
アプリを開発するときに使用するのは、Excel関数に似たMicrosoft Power PlatformオリジナルのPower Fxというプログラミング言語です。そのため、エンジニアではない現場の社員も自らツールを作成することができます。
 
結果、機能と実務にギャップのない、実際の業務に則したツールを生み出せるのです。

Microsoft Power PlatformとPower Appsの違い

ローコードでオリジナルのアプリを作成できる「Power Apps」は、Microsoft Power Platformを構成するツールの1つです。
 
Power Platformは、業務の効率化やプロセスの自動化を目的としており、5つのツールから構成されています。そのなかで、業務アプリケーションの開発に特化したツールとして含まれているのが「Power Apps」です。
 
つまり、Power AppsはPower Platformを構成するツールの一部なのです。

ローコードとは?ノーコードとの違いも解説

Microsoft Power Platformは、ローコードのビジネスプラットフォームです。「ローコード」とは、最小限のコードの記述で開発ができる手法のことです。
 
ローコードのツールは、ある程度の知識があれば、ソースコードを記述して柔軟性の高い開発を実現できます。
 
ローコードと似た言葉に「ノーコード」と呼ばれるツールがあります。「ノーコード」であれば、ソースコードを一切書かずに開発ができます。ローコードよりもカスタマイズが難しくなりますが、知識がなくても簡単に始められることがメリットです。
 
双方の特徴やメリット・デメリットを把握して、自社に適したツールを導入しましょう。

MicroSoft Office 365との連携

Microsoft Power PlatformはMicroSoft Office 365と連携して利用できます。
 
今まで社内でMicroSoft Office 365のサービスを使っていた企業は、そのままデータを利用可能なため、導入のハードルが低くなります。
 
たとえば、ExcelとPower BIを連携させれば、ExcelのデータをPower BIで分析できます。これにより、詳細な分析やデータの視覚化が可能になるのです。
 
上記のように、Microsoft Power Platformを利用して、社内の既存データを最大限活用しましょう。

Power Platformの管理センターとは

Power Platform 管理センターは、Microsoft Power Platformの各ツールの環境設定を管理する場所です。
 
たとえば、使用状況や契約中のライセンス、使用中のストレージ容量などを確認できます。また、Microsoft Power Platformのセキュリティ状態もチェック可能です。
 
以上のように、管理者は管理センターの機能によって、社内でのMicrosoft Power Platformの利用状況やアクセス権をコントロールします。

【活用例あり】Microsoft Power Platformを構成するツール

Microsoft Power Platformは「Power Apps」「Power BI」「Power Automate」「Power Page」「Copilot Studio(旧:Power Virtual Agents)」の5つで構成されています。以下では、それぞれのツールでできることと活用例を解説します。
 
ツール名 できること 活用例
Power Apps ローコードでオリジナルのアプリを作成できる。Power Pointのような操作性が特徴。 現場担当者のアプリ開発や財務管理
Power BI 複数のデータを整形し、集計・可視化して関係性を分析できる。 営業レポートの作成や顧客分析
Power Automate 事務作業の一部を自動化できる。たとえば、「期限切れタスクにアラートをつける」などが可能。 営業案件を自動で識別
Power Pages Webサイトの構築ができる。
社内向けサイトしか作成できないShare Pointと違い、外部にも公開できるのが特徴。
公的機関や顧客向けのビジネスポータル作成
Copilot Studio CopilotなどのAIを搭載したチャットボットの作成ができる。 問い合わせ業務対応のチャットボット作成
以上のツールは、「Microsoft Dataverse」でデータを管理できるため、各ツールごとにデータベースを用意する手間がかかりません。また、「データコネクタ」を活用することで、ExcelやMicrosoft以外のツールとのデータ連携も可能になります。

<何ができる?>Microsoft Power Platformを導入するメリット

ここでは、Microsoft Power Platformを導入するメリットについて解説します。導入するイメージを明確にしたい方は必見です。
 
  • 初めての人でもアプリを開発できる
  • Power Platformはローコードであるうえに、あらかじめアプリを作成するためのテンプレートが用意されています。そのため、初めての人でもアプリを簡単に開発できる環境が整っています。
     
  • 社内に蓄積された情報を有効活用できる
  • Power PlatformはMicroSoft Office 365と連携して利用できます。そのため、Microsoft Office 365にデジタルデータが蓄積されている企業は、データを有効活用しながら詳細な分析やデータの視覚化が可能になるのです。
Power Platformには上記のようなメリットがある一方で、操作が複雑なため、社員のITリテラシーが高くなければ、業務負荷がかえって増える恐れがあるのです。そこで、シンプルな操作で社内のナレッジを管理・活用できる「ナレカン」のようなITツールであれば、業務を効率化できます。

Microsoft Power Platformの活用事例

以下では、Microsoft Power Platformを導入して社内の課題解決に活用している事例をご紹介します。他社の成功事例を参考にして、社内での運用をイメージしましょう。

事例1|西日本旅客鉄道株式会社

西日本旅客鉄道株式会社のトップページ
 
西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)は、西日本を中心に鉄道事業を展開する企業です。
 
社内でベテラン社員のノウハウや、駅機械設備トラブルへの対処法などのナレッジが共有されず、業務が属人化していたことが課題でした。これらの課題を解決し、新しい働き方へのシフトを推進するために、ツールの導入を決めました。
 
そこで、社内であたりまえのツールとして市民権があったMicrosoft 製品全般と親和性が高い「Microsoft Power Platform」を導入しました。結果、日常的に利用されているアプリ数は450本を超え、現場作業の効率化やITリテラシー向上に貢献しています。
 

事例2|旭化成株式会社

旭化成株式会社のトップページ
 
旭化成株式会社は、不動産関連事業や医療用医薬品の開発、石油開発事業など幅広く展開している企業です。
 
社内では、DX(デジタルトランスフォーメーション)で目指す未来像が共有されており、そのための人財育成が求められていました。そこで、人財育成プログラムの一環として、Microsoft Power Platformの使い方を学ぶ機械を作ったのです。
 
結果、旭化成の宮崎地区の工場では年間1,400時間の短縮に成功しました。実際に現場で働く社員自身がアプリを開発するため、アプリを利用する意義を感じやすく、DXの推進を後押ししています。
 

Microsoft Power Platformの料金プラン一覧

大企業向けのMicrosoft365やOffice365では、Microsoft Power Platformの一部機能のライセンスが含まれています。以下は、それぞれの料金プランと利用可能なツールの一覧です。
 
Office 365 E1 Office 365 E3 Office 365 E5 Microsoft 365 E3 Microsoft 365 E5
料金 ¥1,220 ユーザー/月(月払い) ¥2,599 ユーザー/月(月払い) ¥5,298 ユーザー/月(月払い) ¥5,397 ユーザー/月(年払い) ¥8,545 ユーザー/月(年払い)
Power Apps 【〇】 【〇】 【〇】 【〇】 【〇】
Power Automate 【〇】 【〇】 【〇】 【〇】 【〇】
Power BI Pro 【×】 【×】 【〇】 【×】 【〇】
Power Pages 【×】 【×】 【×】 【×】 【×】
Copilot Studio 【×】 【×】 【×】 【×】 【×】
以上のように、大企業向けのライセンス契約をしている場合は、Microsoft Power Platformの一部の機能を追加料金なしで利用可能です。ただし、Power PagesやCopilot Studioを使用するためには、別途料金がかかる点に注意しましょう。
 

Microsoft Power Platformを構成するツールの評判

以下では、Microsoft Power Platformを構成するツールの口コミをそれぞれご紹介します。実際に各ツールを利用したユーザーの声なので、どのような評判があるのか参考にしましょう。
 
※こちらで紹介する口コミ・評判はITreviewより引用しています。

Power Appsの口コミ・評判

以下では、Power Appsの口コミと評判をご紹介します。ユーザーからは「ローコードなので、簡易的にアプリが作れる」という声がある一方、「UIに拡張性がなく使いづらい」という声も寄せられています。
 
非公開ユーザー(投稿日:2025年7月17日)
 
ローコードでアプリが作れるため「社内にあったらいいな」といった業務改善アプリがすぐに実現できます。また、基本的にドメインに所属するユーザしか利用できないため
セキュリティ的にも安心です。
 
アクション名がわかりづらい。V2、V3などが混在しているので
基本的に大きいナンバリングを使っていますが何が違うのかがわからないため、同じようなアクションは一つにまとめてほしい。(参考:ITreview)
非公開ユーザー(投稿日:2025年3月21日)
 
不合格管理アプリとして運用しているため、今まで紙面の回覧やメール送信など工数がかかっていたことが自動化出来た。また、完全ペーパーレス化とsharpointでデータ化が出来、進捗管理が一目でわかるようになった。
 
UI(ユーザーインターフェース)が拡張性が少なく使いずらい、また色も選べない(参考:ITreview)
非公開ユーザー(投稿日:2025年3月4日)
 
パワポをデザインするように画面設計ができます。データソースにはオフィスファイルやSharePointが利用できるので、環境を変えずに社内の業務効率化に役立ちます。
 
Microsoft365に付属しているライセンスでSharePointからデータを読み込もうとすると上限があるのと上限いっぱいに読み込みを設定すると時間がかかるところです。(参考:ITreview)

Power BIの口コミ・評判

以下では、Power BIの口コミと評判をご紹介します。ユーザーからは「データの分析が簡単」という声がある一方で、「直感的に操作できない」「ダッシュボード作成に癖がある」という声も寄せられています。
 
非公開ユーザー(投稿日:2025年10月28日)
 
従来のExcelでは、グラフを作り直したり、フィルタを変更したりするたびに処理が重くなっていましたが、Power BIではスライサーを動かすだけで瞬時に全体のデータが連動して更新されるので、「この条件で見るとどうなる?」という問いにリアルタイムで対応できます。
 
Power BIは表示や分析のスピードが速く、見ているときの体験は非常に優れていますが、ダッシュボードを作成する段階では「どの設定を選べば意図したグラフになるか」が直感的に分かりにくいと感じることがあります。(参考:ITreview)
非公開ユーザー(投稿日:2025年9月26日)
 
過去の販売データを集約しグラフ等の見える化が出来るので数字だけのExcelのピボットデータよりもより可視化が出来る。またグループ内での共有も楽に出来るので部署全体が資料として共有しやすい。
 
導入にあたり最初のシステム構成や設定が複雑で使える様になるまでに時間がかかる。もっと直感的に設定が出来ないと導入のハードルが高く感じてしまう。(参考:ITreview)
非公開ユーザー(投稿日:2025年8月26日)
 
社内のダッシュボードとして使用しています。当社では、売上関連・各部門のKPI指標をダッシュボードとして表示しています。
 
使用してみての改善してほしい点は2点です。表現するグラフは限定されること(Microsoft製なのでエクセルと同程度)とダッシュボード作成に少し癖がある(慣れることや独学があればクリアできる)ことです。(参考:ITreview)

Power Automate の口コミ・評判

以下では、Power Automateの口コミと評判をご紹介します。ユーザーからは「社内業務の自動化が一気に進んだ」という声がある一方、「少し複雑な処理を行おうとすると理解に時間がかかる」という声も寄せられています。
 
非公開ユーザー(投稿日:2025年10月28日)
 
Microsoft 365やTeams、SharePointとの連携がスムーズで、社内業務の自動化が一気に進みました。テンプレートが豊富で、初めてでも「こういうことができるんだ」と気づきを得られる点も魅力です。
 
複雑なフローを作成する際、条件分岐やループの設定が直感的でなく、試行錯誤が必要になるため、条件分岐やループ処理の設定が初心者には分かりづらい。(参考:ITreview)
非公開ユーザー(投稿日:2025年10月14日)
 
プログラミング知識がなくても、直感的な操作でフローを作成できる。Excel、Outlook、Teams、SharePointなどとの連携が標準で可能。
 
テンプレートは便利だが、少し複雑な処理を行おうとすると理解に時間がかかる。フローが失敗した際のエラーメッセージが抽象的で、どこを修正すればよいか分かりにくい。(参考:ITreview)
非公開ユーザー(投稿日:2025年10月10日)
 
Power Automateを導入してから、日々の定型業務が自動化され、業務効率が格段に向上しました。特にExcel・SharePoint・OutlookなどMicrosoft製品との連携がスムーズで、申請フローやデータ転記、通知メール送信などの作業を簡単に自動化できます。
 
UIがやや複雑で、慣れるまでに結構時間がかかります。特にフロー数が増えてくると、一覧管理やトラブル発生時の原因追跡がしづらい印象です。(参考:ITreview)

Copilot Studio(旧:Power Virtual Agents)の口コミ・評判

以下では、Copilot Studio(旧:Power Virtual Agents)の口コミと評判をご紹介します。ユーザーからは「ノーコードでチャットボットが作れて便利」という声がある一方、「権限設定が難しい」という声も寄せられています。
 
非公開ユーザー(投稿日:2023年04月06日)
 
一番の特徴として、プログラミングの知識がない人が、プログラムコードを記述せずに、ノーコード(GUI 画面上)で、チャットボットを作成可能な点です。GUI 画面上でユーザーに選択肢を提示したり、選択肢の回答を基に会話フローを分岐させたりできます。
 
ただし、チャットボットの作成・管理権限が Teams のチーム所有者権限と同一であるため、チャットボットを作成するためには、作成者が当該チームのチーム所有者になる必要があります。そのため、例えばチームの所有者権限を渡さずに、チャットボットの作成権限だけを渡すといった権限設定ができません。(参考:ITreview)

Microsoft Power Platformの活用事例や価格・口コミまとめ

これまで、Microsoft Power Platformの概要や活用事例、価格を中心にご紹介しました。
 
Microsoft Power Platformは、業務を自動化して効率化するための豊富な機能が備わっている一方で、使いこなせるまでに教育コストがかかる点が課題です。そのため、まず社内のナレッジを共有して業務の属人化を解消するところから始めましょう。
 
過去のトラブル対応事例などのナレッジが共有されていなければ、都度ベテラン社員に確認したりコールセンターに問い合わせたりする工数がかかります。また、業務が属人化していると、特定の人に負担が偏り、社員の異動や退職時に混乱が生じます。
 
そこで、社内のナレッジを共有して業務効率を上げるには、シンプルな操作性と優れた検索性で、蓄積されたナレッジをすぐに取り出せるツール「ナレカン」が最適です。
 
無料の導入支援も受けられるので、ぜひ「ナレカン」を導入して、「業務に関する情報を探している時間」を短縮し、業務効率を向上させましょう。