製品をスムーズに生産するためには「生産計画表」の活用が欠かせません。さらに、生産計画表の項目は業種ごとに異なるので、自社に合った生産計画表を作成することが重要です。
しかし、なかには「製造業の生産計画表をどのように作れば良いか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、エクセルを使った製造業の生産計画表の作り方や、エクセルで生産計画表を作るメリット・デメリットを中心にご紹介します。
- エクセルを用いた生産計画表の作り方を知りたい
- エクセルで生産計画表を作成するメリット・デメリットを知りたい
- エクセルよりも効果的に生産計画表の作成・管理ができるツールを探している
という方はこの記事を参考にすると、製造業の生産計画表の作り方が分かり、自社の生産活動をスムーズに進められます。
目次
生産計画とは
製品を製造するには、どのくらいの量を、どの期間で製造していくかという「生産計画」を立てていく必要があります。そして、生産計画をもとに、資金計画や人事計画を見積もるのが一般的な流れです。
生産計画の種類とは
生産計画は「押し出し方式」と「引っ張り方式」の2種類に分けられます。具体的には、それぞれ以下の特徴があります。
＜押し出し方式＞
生産計画をもとに、作業予定を立てて生産していく計画方法を指し「PUSH型」とも呼ばれます。
市場の動向を予測して作られた生産計画に従っていくため、利益を生み出しやすい点が強みです。一方、需要が予測から外れた際に、余剰在庫が生まれてしまう可能性があるうえ、トラブル発生時に計画の大幅な修正が必要となる点が課題となります。
そのため、定期的な市場のモニタリングが必要となることに注意が必要です。以上の特徴を踏まえると、押し出し方式には、需要が変動しにくい製品が向いているといえます。
＜引っ張り方式＞
顧客からの受注数や販売数などをもとに、生産数を決定する計画方法で「PULL型」とも呼ばれます。
製品の売れ行きによって製造する量やペースを変更するため、柔軟な計画修正が可能で、過剰在庫が出づらい点がメリットです。しかし、想定を超えるニーズの高まりが突然発生したときには、設備や労働力の増員が間に合わず、対応できなくなる可能性があります。
以上の特徴を踏まえると、引っ張り方式には、需要の変動が激しい製品が向いているといえます。
生産計画と製造計画の違いとは
生産計画と製造計画では、管理・計画する工程の範囲が異なります。
生産計画は、生産管理における在庫管理、品質管理、工程管理、購買管理までの広範囲を検討して決定するのに対し、製造計画は、製造現場における進捗・工程を決める計画を指します。
つまり、生産計画の一部に、製造プロセスを具体化した製造計画が含まれています。
MPS、MRP、APS とは
以下では、生産計画を考えるにあたり、よく耳にする用語を紹介します。
- MPS（基準生産日程計画）
- MRP（資材所要量計画）
- APS（生産スケジューラ）
MPS（基準生産日程計画）とは、受注状況や在庫量を踏まえて、製品を“いつまでに”、“どれくらい”生産すれば納期に間に合うかを考え、決められた計画を指します。MPSは、生産計画の起点であり、受注情報と製造計画をつなぐ重要な指針です。
MRPは、在庫を円滑に管理するために、生産に必要な資材（原材料・部品・人員・設備）を“いつまでに”、“どれくらい”必要かを決めた計画を指します。MRPは、「資材の調達」についての計画である点がMPSとの相違点です。
APSは、生産量に対して必要な資材を割り当てる情報システムを指します。APSを導入すると、資材の生産能力を踏まえて、より正確かつ現実的なスケジュールを立案できるのです。
生産計画を立てていくにあたって、混乱を避けるために、それぞれの用語の意味を把握しておきましょう。
【5ステップ】製造業向け！エクセルを使った見やすい生産計画表の作り方
ここでは、エクセルを使った製造業の見やすい生産計画表の作り方を解説します。手順ごとに具体的に説明しているので、担当者の方は必見です。
ステップ1｜基準年月を設定する
まず、基準年月を設定します。
生産計画表を作成するときは、計画の期間に応じて「大日程計画・中日程計画・小日程計画」の3種を作成しましょう。具体的な内容は以下の通りです。
- 大日程計画
- 中日程計画
- 小日程計画
3~12ヶ月、あるいは数年間程度の長期的な生産計画です。生産に必要な資源を準備したり、基本方針・成長戦略を決めたりします。
1~3ヶ月程度の中期的な生産計画です。月ごとに生産する製品の種類と数量を決め、必要な資材を手配します。
1日単位の短期的な生産計画表です。具体的な作業計画を記載し、人員を手配し、作業を指示します。
それぞれの計画に基づき、基準年月を設定します。なお、小日程計画における生産計画表の設定例は以下の通りです。
ステップ2｜マスタ情報を設定する
次に、マスタ情報（製品に関する基本情報）を設定します。具体的には、以下の内容が挙げられます。
- 品目（名称・品目コードなど）
- 構成（部品情報）
- 工程
- 発注先
- 単価
- 担当者
- カレンダー（稼働日など）
マスタ情報を設定すると、個々に記録していたデータを製品に関連づけて統合し、集計・分析の手間を減らせます。したがって、以下のようにマスタ情報を設定しましょう。
また、マスタ情報に変更があった場合は、生産計画表を都度更新して、適切に管理することがポイントです。
ステップ3｜概要欄を記入する
続いて、概要欄を記入しましょう。
このように、生産計画の詳細を説明することで、誰でも円滑に業務を進められるようになります。
ステップ4｜作業ごとに生産計画を立てる
そして、作業ごとに生産計画を立てます。
以上のように、担当者・開始日・終了日などを記入して「どの作業を、誰が、いつまでに完了すべきか」を明確にしましょう。
ステップ5｜作業状況を変更する
最後に、作業状況を「完了」に変更します。作業状況の変更漏れがあると、管理者に余計な手間をかけてしまいます。作業完了後は、作業状況の変更を徹底する点に注意しましょう。
また、「プルダウン」を設定すると都度手打ちで変更する手間を省けます。プルダウンを設定するには、まずは画面上部の「データ」を選択し、［データの入力規則］をクリックします。
次に、プルダウンを表示させたいセルを選択し、下図のように設定します。たとえば、作業状況では「未着手,進行中,完了」とします。
このように、プルダウンから選択できるようになるので、入力の手間を省くことができます。作業状況以外のセルでも応用できるので、生産計画表の作成に役立てましょう。
以上の5つのステップから生産計画管理表を完成させると、次の画像のようになります。
このように、必要な項目を漏れなく記載し、生産計画と実績を適切に管理しましょう。
生産計画表をエクセルで作成するメリット・デメリット
生産計画表をエクセルで作成すると、導入コストを抑えられる一方で「ファイル管理が面倒」「スマホで使いづらい」など不便な点もあるため、注意が必要です。
以下では、生産計画表をエクセルで作成するメリットとデメリットを解説します。メリット・デメリットを正しく理解したうえで、エクセルの利用を検討しましょう。
生産計画表をエクセルで作成するメリットとは
生産計画表をエクセルで作成すると、以下のメリットを得られます。
- 導入コストがかからない
- マクロで自動化できる
- テンプレートが豊富にある
多くの企業がすでにエクセルを導入しているので、新しいソフトを追加で導入するコストがかかりません。
エクセルのマクロ（作業を自動化する機能のこと）を活用すれば、関数を使ってデータ処理を自動化できます。
エクセルは広く普及しているソフトなので、テンプレートが豊富にあり、生産計画表を作成する手間を削減できます。
このように、導入コストを抑えつつ、作業を自動化したりテンプレートを活用したりして、担当者の負担を軽減できるメリットがあります。
生産計画表をエクセルで作成するデメリットとは
生産計画表をエクセルで作成するときは、以下の内容に注意しなければなりません。
- ファイル管理が面倒である
- 業務が属人化しやすい
- スマホで使いづらい
生産計画表をエクセルのファイルで管理していると「最新のファイルが見つからない」「更新に気づかない」など、管理が面倒になる恐れがあります。
エクセルの「マクロ」「関数」などを活用して生産計画表を作成していると、編集が複雑になり、業務が属人化しやすい傾向にあります。
エクセルはPC向けのソフトなので、スマホ・タブレットでは使いづらく、入力ミス・確認漏れが発生しやすくなります。
したがって、エクセルではファイル管理が面倒になったり、業務が属人化したりして、生産計画表が放置されてしまう恐れがあるのです。
【脱エクセル】生産計画表の作成にITツールが最適な理由
従来、生産計画表の作成には、エクセルが一般的でしたが、昨今では「ITツール」を活用する人が増えています。そこで、以下では、生産計画表の作成にエクセルとITツールどちらが適しているのか比較した表を紹介します。
| エクセル | ITツール | |
|---|---|---|
| 管理のしやすさ |
【×】
目当てのファイルが他ファイルに埋もれてしまい、見つけにくい。 |
【○】
多階層のフォルダや検索機能で、目当ての情報を見つけやすい。 |
| 共有のしやすさ |
【×】
メールやチャット等の外部ツールで共有する必要がある。 |
【〇】
リアルタイムでメンバーに共有可能。 |
| 操作の難易度 |
【△】
関数を利用する場合は専門的な知識が必要。 |
【△】
ツールによって難易度が異なるため、「ナレカン」のようなシンプルなツールがおすすめ。 |
| 導入のハードル |
【〇】
すでに他業務で利用されている場合が多い。 |
【〇】
無料トライアルや手厚いサポート体制が整っている。 |
上記表から、ITツールはエクセルと比べて、特に「管理」「共有」の面において優れていることが分かります。より効果的な生産計画表の運用を実現するためには、ITツールの利用がおすすめです。
製造業の生産計画表を簡単に作成・管理できるツール
以下では、製造業の生産計画表を簡単に作成・管理できるツールをご紹介します。
生産計画表の作成・管理には、「検索機能に優れたITツール」を利用しましょう。なぜなら、エクセルで生産計画表を作成すると、「ファイルが埋もれて見つからない」といった事態が起こり、検索ストレスから生産計画表が閲覧されなくなる恐れがあるためです。
また、一から生産計画表を作成するのは手間がかかるので、ITツールを選ぶときには「テンプレート機能を備えているか」も考慮しましょう。あらかじめ作成したフォーマットを瞬時に呼び出すことで生産計画書にかかる手間を削減できます。
結論、製造業の生産計画表を簡単に作成・管理するには、テンプレート機能で計画表を素早く作成できるうえ、高性能検索機能で必要なファイルに即アクセス可能なツール「ナレカン」一択です。
ナレカンは「テンプレート」を瞬時に呼び出せるうえ、「超高精度の検索機能」で欲しいファイルを即座に取り出すことが可能です。そのため、生産計画表の作成から管理までを1つのツールで完結させることができます。
生産計画表の作成・管理に最適なツール「ナレカン」
「ナレカン」｜社内のナレッジに即アクセスできるツール
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「ナレカン」は、社内のナレッジに、即アクセスできるツールです。
「社内のあらゆる場所からナレッジが一元化」され、しかも、そのナレッジを「超高精度検索」できます。
自身の頭の中にあるナレッジを残すときは「記事」を作成でき、誰かにナレッジを尋ねたいときは、知恵袋のような感覚で「質問」することが可能です。また、ファイルを添付するだけで、AIが貴社のファイルの中身を全自動で、続々とナレッジ化していきます。
また、ナレカンを使えば、欲しい情報が即見つかります。
Google検索のように使える「キーワード検索」や生成AIを活用した「自然言語検索」によって、メンバーの検索スキルに依存することなく、誰でも簡単に情報を探し出せます。
更に、「初期導入支援サポート」と「ご利用中サポート」もあり、支援も充実しています。「すぐに使える状態にセットアップ」「月に1度のオンラインミーティング」など、実際に、社内のナレッジが動き出す仕組みを整えます。
＜ナレカンをおすすめするポイント＞
- 【ナレッジの一元化】 ナレッジ管理に特化した、これ以上なくシンプルなツール。
記事形式で書ける「社内版wiki機能」、質問形式で聞き出せる「社内版知恵袋」、メールやチャット内のやりとりは「転送機能」を使って、ナレッジを残していくだけなので、誰でも迷わず使えます。
- 【超高精度な検索機能】 誰もが簡単に欲しい情報を見つけられる検索性。
「複数キーワード検索」「添付ファイル内検索」「ゆらぎ検索」など、思い通りの検索が可能です。
- 【サポート】 圧倒的なクオリティの「初期導入支援」と「ご利用中」サポート。
初期導入支援だけでなく、ナレカンが定着するように、ご利用中も最大限サポートするので、貴社担当者様のお手を煩わせません。
＜ナレカンの料金＞
- ビジネスプラン：標準的な機能でナレカンを導入したい企業様
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各プランの詳細や金額は、下記「ナレカン資料の無料ダウンロード」ボタンより、資料をダウンロードしてご確認ください。
＜ナレカンで「生産計画表」を作成・管理した例＞
以下は、ナレカンを使って生産計画表を作成・管理した例です。
ナレカンでは、画像のようにテンプレートを作成できます。必要な項目をテンプレートに登録しておくことで、計画表の作成時間が短縮できるうえ、項目の抜け漏れも防げるのです。
また、以下のように、多階層のフォルダで”部署ごと”に分けて社内情報を管理できます。さらに、高度な検索機能も備わっているため、目的の情報をすぐに探し出せます。
【無料】エクセルで使えるテンプレートサイト3選
生産計画表を作成するときは、テンプレートを活用すると、手間をかけずに体裁を整えられます。以下では、エクセルで使えるテンプレートサイト3選をご紹介します。
無料でダウンロードできるので、自社に合ったテンプレートを利用しましょう。
（1）Microsoftのテンプレート
こちらは、Microsoft社のテンプレートサイトです。「エクセル」「ワード」「パワーポイント」などで使えるテンプレートをダウンロードできます。
また、簡単に配色を変更して、カスタマイズできる点が特徴です。
（2）フリー テンプレート
こちらは、無料で使えるテンプレートサイトです。エクセル・ワードで作成された多様なテンプレートを利用できます。
また、テンプレートの種類を一覧で確認できるので、欲しいテンプレートをすぐに見つけられます。
（3）テンプレートの無料ダウンロード
こちらは、無料で利用できるテンプレートサイトです。「社外向け業務用テンプレート」「社内で使用するテンプレート」などに分類されているので、テーマごとにテンプレートを探すことができます。
また、ひとつの用途に対して複数の種類のテンプレートが用意されているので、イメージ画像を比較しながら最適なテンプレートを検討できるのです。
生産計画を成功させるためのコツ
生産計画を成功させるためには、以下の4つの重要な要素を押さえることが大切です。
- リソースの管理
- バッファを設ける
- コミュニケーションを重視する
- 管理者を決定する
人（Man）、設備（Machine）、材料（Material）、手順（Method）など、必要なリソースをしっかりと把握しましょう。これらは「4M」と呼ばれ、計画の円滑な進行に欠かせない要素です。
リスクやイレギュラーな事態に備えて、十分なバッファを持つことが重要です。予期しない問題が発生した際に、柔軟に対応できる余裕を持つことで、計画全体が守られます。
チーム内での情報共有は、生産計画の成功に大きく寄与します。「ナレカン」のようなツールを利用すれば、定期的に進捗状況や全員が同じ目標に向かっていることが確かめられるので、スムーズな運営が可能になります。
計画表の管理者を明確に設定することで、責任の所在をはっきりさせます。これにより、計画の進捗がしっかりと監視され、必要な調整が迅速に行えるようになります。
生産計画を成功させるためには、これらのコツを実践することが不可欠です。適切なリソース管理とコミュニケーションを通じて、効果的な生産体制を築いていきましょう。
製造業の生産計画表の作り方まとめ
これまで、製造業の生産計画表の作り方を中心にご紹介しました。製造業の生産計画表をエクセルで作るときは、次の手順で作成しましょう。
まず、大日程計画・中日程計画・小日程計画ごとに年月や製品の基本的な情報を設定し、計画の具体的な内容を概要欄に記入します。そして、作業ごとに担当者・開始日/終了日などを記入し、作業に合わせて進捗状況を変更するまでが一連の手順です。
ただし、製造業の生産計画表をエクセルで管理していると、業務が属人化しやすいうえに、スマホでは使いづらいです。そこで、「場所を問わずに使用でき、必要なタイミングで即アクセスできるツール」があれば、生産計画表をストレスなく運用できます。
したがって、製造業の生産計画表を簡単に作成・管理するには、超高性能な検索機能で必要な情報に即アクセス可能な情報管理ツール「ナレカン」が最適です。
無料の導入支援も受けられるので、ぜひ「ナレカン」を使って、生産計画表の悩みを解消しましょう。
