労働基準法では、「使用者は労働者に、休憩時間を除き1日8時間、週40時間を超えて労働させてはならない」といった、具体的な労働時間が定められています。そのため、企業は勤怠管理を通じて、従業員の労働状況を正確に把握しなければなりません。
したがって、企業には勤怠管理表の作成が求められますが、「Excelで勤怠管理表を作成する方法がわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、勤怠管理に使えるExcelテンプレート7選や、出席簿・勤怠管理表の作り方を中心にご紹介します。
- 勤怠管理・出勤簿に使えるテンプレートを知りたい
- Excelでの出勤簿・勤怠管理表の作り方がわからない
- 自社に最適な勤怠を記録・管理できるツールを教えてほしい
という方はこの記事を参考にすると、勤怠管理表の作り方がわかり、従業員の労働状況をスムーズに把握できるようになります。
目次
勤怠管理は義務?必要な理由とは
勤怠管理は、労働基準法により企業側に義務付けられています。
そもそも、勤怠管理とは従業員の出退勤や残業時間、有給の取得状況などを含めた勤務状況を正しく把握することです。勤怠管理の必要性としては、以下の3点が挙げられます。
- 法令を遵守するため
- 正しく給与計算するため
- オーバーワークを防ぐため
労働基準法では、「使用者は労働者に、休憩時間を除く1日8時間、週40時間以上の労働をさせてはならない」といった法令が定められています。したがって、企業は適切に勤怠管理して、法定労働時間を遵守する必要があるのです。
企業は、従業員の実務時間や時間外労働、休日出勤などの状況を踏まえて給与を計算します。そのため、従業員の勤怠状況を正確に記録する必要があるのです。
残業や休日出勤が多いと、従業員の負担が高まり、心身の健康が損なわれる恐れがあります。そこで、勤怠管理で各従業員の労働時間を把握しておけば、過度な長時間労働を未然に防げるのです。
以上のことから、従業員の勤怠管理は企業にとって不可欠と言えます。また、労働基準法第109条では「労働関係に関する重要な書類を5年間保存すること」が義務付けられているので、作成した勤怠管理表は適切に管理しましょう。
【無料】出勤簿・勤怠管理表に使えるExcelテンプレート7選
ここでは、出勤簿・勤怠管理表の無料Excelテンプレートを7つ紹介します。テンプレートを活用すれば、一から表を作成する手間なく、スムーズに運用に乗せられるのです。
(1)シンプルなタイムカード型のテンプレート

こちらは「Microsoft365」が提供する、タイムカードのテンプレートです。
一週間単位で労働時間を入力する形式で、所定労働時間に加えて残業や病欠、休暇の状況も併せて記載できます。また、時給を入力すると、給与の支払い額が自動で算出されるので、給与計算にも便利です。
(2)残業時間の計算ができる出勤簿

こちらは「EXCEL勤怠テンプレート」が提供する、普通残業と深夜残業を区別して計算できる出勤簿のテンプレートです。
マクロ(VBA)が用いられており、勤務時間の自動計算のほか、「簡単打刻」のボタンのワンクリックで打刻ができる機能などが備わっています。また、定休日や休憩時間の設定をすることで、会社にあった出勤簿が作れます。
(3)勤務時間・残業時間を自動計算できる出勤表

こちらは「[文書]テンプレートの無料ダウンロード」が提供する、出勤表のテンプレートです。
タイムカード時刻の欄に出退勤の時間を入力すれば、自動で残業時間を反映した就業時間が算出されます。また、「区分」を設定すると、出勤日数や欠勤日数が入力時点で何日になるか自動で表示されるのです。
(4)勤務状況を自動計算できるExcel形式の勤怠管理表

こちらは「EXCEL勤怠テンプレート」が提供する、自動計算できるExcel形式の勤怠管理表のテンプレートです。
所定の就業時間を設定しておくと、残業時間や休憩時間を除いた労働時間が自動で算出されます。また、フレックス制度にも対応しているので、遅刻・早退状況も正確に把握できるのです。
(5)出勤・欠勤状況を1ヶ月間記録する出勤簿

こちらは「業務用テンプレート」が提供する、1カ月単位で出勤・欠勤状況を記録する出勤簿のテンプレートです。
始業・就業時間と出勤・欠勤をカレンダー形式で入力するシンプルな形式です。従業員の出勤状況を一覧で確認でき、シフト表としても活用できます。
(6)在宅勤務に対応した勤務表

こちらは「Microsoft365」が提供する、在宅勤務に対応した勤務表のテンプレートです。
オフィス勤務に加え、在宅勤務における労働状況も記録できます。近年の働き方改革に伴い、ハイブリッド勤務を導入する企業におすすめです。
(7)休憩時間も考慮したタイムシート

こちらは「Microsoft365」が提供する、休憩時間を考慮しつつ、就業時間や残業時間を自動で換算できるタイムシートのテンプレートです。
とくに、中小企業や請負業者、自営業者向けのテンプレートでお昼休憩の項目もあるので、就業時間の計算に役立ちます。
【画像解説】Excelでの出勤簿・勤怠管理表の作り方
以下では、Excelでの出勤簿・勤怠管理表の作り方を紹介します。必要な項目や便利な関数も紹介するので、表を自作したい方は必見です。
Excelでの基本的な作り方
Excelで出勤簿・勤怠管理表を作る手順は以下の通りです。
- 管理したい項目を洗い出す
- 項目を表側・表頭に配置する
- 体裁を整える
まずは、出勤簿・勤怠管理表で管理したい項目を洗い出します。自社に必要な情報の粒度によって、どこまで細かく項目を設けるかを決めましょう。
次に、管理したい項目をExcelに記載し、表側(表の左側にある縦軸)や表頭(表の上部にある横軸)に配置しましょう。一般的に、出勤簿・勤怠管理表では日付は表側に設けます。
最後に、表の体裁を整えます。たとえば、「土日は色を変える」「印刷して手書きで使う前提の場合は、記載する項目のセルの幅を広げる」といったように、実際に利用するシーンを踏まえて工夫しましょう。
以上の手順を踏むと、見やすい出勤簿・勤怠管理表が完成します。
出勤簿・勤怠管理表に必要な項目
勤怠管理表に必要な項目として、以下が挙げられます。
| <項目> | <内容> |
|---|---|
|
氏名・日付・曜日 |
氏名と、その月のカレンダー情報を入力しておきます。 |
|
出勤時間 |
出勤時刻を手入力します。 |
|
退勤時間 |
退勤時刻を手入力します。 |
|
休憩時間 |
休憩時間を手入力しておきます。 |
|
実働時間 |
出退勤・休憩時間を踏まえて、実働時間が算出されます。 |
|
勤務予定時間 |
勤務予定時刻を入力しておけば、残業時間を簡単に割り出せます。 |
|
残業時間 |
実働時間と勤務予定時間の差から、残業時間が算出されます。 |
|
各種合計時間 |
実働時間や残業時間ごとの合計時間を記載します。 |
以上の項目をExcelに落とし込むと、以下のような表を作成できます。

上記の基本項目に加え、「所定外労働時間」「法定外労働時間」といった項目も適宜記載して、自社の勤務形態に合った管理表を作りましょう。
勤怠の自動計算に便利な関数の例
関数を使うと、勤怠状況を効率よく記録できます。
関数を利用するときは、あらかじめExcelの「表示形式」または「セルの書式設定」を以下のように設定しておきましょう。
- 「時間計算」列
- それ以外の、時刻・時間を入力する列
⇒「標準」に設定する。
⇒「ユーザー定義」から「h:mm」を選択する。

セルの形式を設定したら、関数を入力します。以下の表を参考に、実際に自動計算してみましょう。(※表は左右にスクロールできます)

| <入力箇所> | <関数> | <詳細> |
|---|---|---|
|
①実働時間 |
・退勤時間-出勤時間-休憩時間
・たとえば、G8に入力する場合は【=E8-D8-F8】 |
引き算を使って、給与が発生する実働時間を計算する関数です。 |
|
②残業時間 |
・実働時間-勤務予定時間
・たとえば、J8に入力する場合は【=G8-I8】 |
引き算を使って、予定していた勤務時間に対して、残業が何時間発生したのかを計算する関数です。 |
|
③各種時間の合計 |
・SUM(合計したいセルの範囲)
・たとえば、残業時間の合計を算出する場合は【=SUM(J8:J38)】 |
合計を計算するSUM関数で、1か月の合計値を計算します。 |
|
④給与 |
・実働時間を10進法であらわさなければ計算できないので、”時間計算”の列を追加する。
・”時間計算”の列に記載する計算式は、実働時間×24
・たとえば、H8に入力する場合は、【=G8*24】
・「給与」欄の計算式は、SUM(時間計算列の合計)×時給額
・時給が¥1,200の場合は、【=(SUM(H8:H38)*1200)】 |
時給の場合の計算方法になりますが、給与の計算までを1つのシートで完結できます。 |
1つのセルに設定した関数を同列の他のセルに適用するには、オートフィル(選択したセル右下の「+」にカーソルを合わせて、ドラッグする)を使うと入力する手間が省けます。
以上の関数を活用して、実働時間や給与の計算を自動化しましょう。
【注意!】Excelでの出勤簿・勤怠管理をするデメリット
Excelで勤怠管理をするときは、以下の点に注意しましょう。
- 属人化しやすい
- 入力・更新に手間がかかる
- 管理が煩雑になりやすい
関数やマクロを使って表を作成すると、Excelに詳しい社員しか使いこなせず、管理作業が属人化しやすくなります。結果として、担当者が異動・退職した場合に、従来通りの管理ができなくなる恐れがあるのです。
ExcelはPC利用に最適化したツールのため、スマホなどの小さな画面からは使いづらく、都度PCを開いて入力する必要があります。そのため、営業や現場仕事などのオフィス外での作業が多い方には、入力作業が負担となるのです。
勤怠管理に使ったタイムカードや出勤簿は、5年間保存することが法令で義務付けられています。そのため、出勤簿を作成する度にExcelファイルが増えていき、管理が煩雑になりやすいです。
以上のように、Excelは無料で手軽に使える反面、運用の負担が大きいといったデメリットもあります。したがって、管理者の負担を軽減しながら勤怠管理したい方は、「Stock」のようなITツールの導入を検討しましょう。
Excelよりも簡単に勤怠を記録・管理できるツール
以下では、Excelよりも簡単に勤怠を記録・管理できるツールをご紹介します。
Excelのテンプレートを使えば、簡単に勤怠管理表を作成できます。しかし、Excelでは管理表を作成するごとにファイルが増えるので、管理が煩雑になる可能性が高いうえ、関数やマクロを使うことによる「属人化」も起きやすいです。
そのため、ITに不慣れなメンバーでも使いこなせるシンプルなツールを選ぶことが重要です。一方で、人事・労務に関わる情報には機密性の高いデータが含まれるため、「誰がどの情報にアクセスできるか」を細かく制御できる機能も欠かせません。
結論、Excelよりも簡単に勤怠を記録・管理するには、非IT企業の65歳以上のメンバーでも簡単に使えて、勤怠管理を効率化できるツール「Stock」が最適です。
Stockの「ノート」は、保存したテンプレートを呼び起こして短時間で勤怠表が作れるうえ、整理された「フォルダ」で管理できます。また、部署・部門や個人ごとにフォルダのアクセス権限が設定できるため、安全に情報の管理・活用が可能です。
スマホからもテンプレートで出勤簿を作成できる「Stock」
/ 情報ストック、タスク管理、メッセージ機能 /
チームの情報を、最も簡単に管理できるツール「Stock」
Stockは、社内のあらゆる情報を、最も簡単に「管理」できるツールです。「社内の情報を、簡単に管理する方法がない」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート」の機能を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残せます。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用すると、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散せず、常に整理された状態で業務を遂行できます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITの専門知識がなくてもすぐに使える
「ITに詳しくない65歳の方でも、何の説明もなく使える」程シンプルです。
- 社内のあらゆる情報を、最も簡単に「ストック」できる
作業依頼、議事録・問い合わせ管理など、あらゆる情報を一元管理可能です。
- 驚くほど簡単に、「タスク管理」「メッセージ」もできる
直感的な操作で、「タスクの担当者・期日の設定」と「メッセージでのやりとり」が可能です。
<Stockの口コミ・評判>
塩出 祐貴さん
松山ヤクルト販売株式会社 |
|
「強烈な『ITアレルギー』がある弊社にも、Stockならば、一切混乱なく導入できました」 ★★★★★ 5.0 弊社の宅配部門のスタッフの半分近くは50代以上と高齢で、キーボード入力が苦手なスタッフもいるほど、ITツールへの強い抵抗感がありました。しかし、Stockは他ツールに比べて圧倒的にシンプルで、直感的に使えるため、予想通り非常にスムーズに使い始めることができました。 |
竹原陽子さん、國吉千恵美さん
リハビリデイサービスエール |
|
「会社全体が、『Stock(ストック)さえ見ればOK』という認識に180度変わった」 ★★★★★ 5.0 特に介護業界では顕著かもしれませんが、『パソコンやアプリに関する新しい取り組みをする』ということに対して少なからず懸念や不安の声はありました。しかしその後、実際にStock(ストック)を使ってみると、紙のノートに書く作業と比べて負担は変わらず、『Stock(ストック)さえ見れば大半のことが解決する』という共通の認識がなされるようになりました。 |
江藤 美帆さん
栃木サッカークラブ(栃木SC) |
|
「ナレッジが属人化しやすいプロスポーツクラブには、Stockを非常に強くお勧めします!」 ★★★★★ 5.0 元々悩んでいた『ナレッジがブラックボックス化してしまう』という問題が、驚くほどうまく解消されました。 『Stockさえ見れば、すぐに必要な情報を把握できる』という状況を作り出すことに成功し、明らかに生産性が向上しました。 |
<Stockの料金>
- フリープラン :無料
- ビジネスプラン :500円/ユーザー/月
- エンタープライズプラン :1,000円/ユーザー/月
※最低ご利用人数:5ユーザーから
【操作画面アリ】Stockで作成した勤怠管理表
以下は、「Stock」で作成した勤怠管理表です。

画面下部のメニューから表を挿入し、必要項目を入力すると簡単に勤怠管理表が作れます。また、作成した表をテンプレート登録すると、次回以降は瞬時に呼び起こせるため、勤怠管理表の作成時間を短縮できます。
さらに、勤怠管理表のノート上で、関連するエクセルファイルの添付や勤怠管理に関するメッセージのやり取りが可能です。そのため、1つのノートに情報が集約され、情報の見落としによる勤怠時間の記入ミス削減につながります。
出勤簿・勤怠管理表に使えるExcelテンプレートまとめ
これまで、出勤簿・勤怠管理表に使えるExcelテンプレート7選を中心にご紹介しました。
企業が社会的なルールを守りながら、従業員の労働を適切に調整するためには、勤怠管理が不可欠です。ただし、Excelでは管理が煩雑になりやすく、スマホからだと扱いづらいため、従業員が打刻を怠ったり、管理者の負担が増加したりする恐れがあります。
したがって、勤怠管理には、Excelではなく「情報を見やすく整理できるITツール」の利用が最適です。とくにあらゆる情報を残せる「情報共有ツール」を活用すれば、労働時間の記録だけでなく、任意のメンバーへの勤怠管理表の共有も簡単にできます。
結論、勤怠管理に利用すべきなのは、直感的な操作で、誰でも簡単に使える情報共有ツール「Stock」一択です。
ぜひ「Stock」を導入して、従業員と管理者双方が勤怠を記録・管理しやすい体制をつくりましょう。


