テレワークを導入を導入する際に、大きな課題となるのがセキュリティ対策です。
セキュリティ対策のために、テレワークではどのようなシステムを使ったらいいのか分からないという方も多いかと思います。
そこで今回の記事では、
■「テレワークするのに必要なシステムとツール」
■「安心して行うためのセキュリティ対策」
について詳しく解説したいと思います。
テレワークに、どのようなシステム・ツールを導入したらいいか分からない、テレワークが上手くいかなくて改善策を探している、という方は是非参考に見てみてください!
テレワークに必要なシステム
会社のオフィスではないところで、オフィスと同じように仕事をしようとする時は「リモートデスクトップ方式」、「仮想デスクトップ方式」、「クラウドアプリ方式」、「会社PCを持ち帰る方式」の4つのシステムが考えられます。
導入のしやすさや自社のセキュリティ要件にあったシステムを選びましょう。
リモートデスクトップ方式
リモートデスクトップ方式とは、簡単に言えばオフィスにあるパソコンを、テレワーク時に利用する端末から遠隔で閲覧・操作するシステムです。
テレワーク環境においても、全ての作業は社内のパソコンと同じように利用でき、データは社内のパソコンに保存されるため、情報漏洩のリスクが低いです。
専用機器や専用アプリケーションを用いることでシステムを使用でき、導入コストが抑えられます。
ただし、社内オフィスの端末を常時オンにしておく必要があるため、オフィスの電気代がかかってしまいます。
(クラウド技術と合わせてオフィス端末の電源をオン/オフを遠隔操作できる技術もあります)
仮想デスクトップ方式
仮想デスクトップ方式とは、社内のオフィスにあるサーバが提供する仮想デスクトップ環境にテレワーク端末からアクセスし、遠隔でログインし利用するシステムです。
データはテレワーク端末ではなく、サーバに保存されます。
社内のオフィスに仮想デスクトップを管理するサーバーが必要となるので、IT環境を整備する必要があり、サーバが止まってしまうと業務ができなくなる可能性があります。
Windows Virtual Desktopはマイクロソフト社が提供する、仮想デスクトップがクラウド上で構築されれるサービスです。
WindowsやMicrosoft365のユーザーであれば無料で利用することができます。
クラウドアプリ方式
クラウドアプリ方式とは、インターネットからクラウドアプリにアクセスし、業務を行うシステムです。
クラウドサーバ上で業務を行うため、どの端末においても同じ環境で業務ができますが、社内のサーバにアクセスすることはできません。
データはクラウドアプリ上にもテレワーク端末にも保存することができます。
導入費用に関しては、クラウドアプリを用意するだけでいいので安価ですが、簡単にデータにアクセスできるため、セキュリティのリスクが高くなります。
会社PCを持ち帰る方式
社内で利用するパソコンを、テレワーク端末として持ち帰り、仕事を行うシステムです。
VPN経由でネットワークに接続すると、より高度なセキュリティになるので安心できます。
データが多く格納されたパソコンを社外に持ち出すので、情報漏洩やパソコンの盗難・紛失の可能性が高くなるため、セキュリティを確保するコストがかかります。
4つ紹介した方式の中で1番セキュリティリスクが高いですが、規模が小さい企業であればメンテナンスもしやすいため、導入しやすいシステムです。
テレワークを安心して行うためのセキュリティ

テレワークを安心して行うためには、セキュリティの対策をしないといけませんが、具体的にはどのようなことを決めないといけないのでしょうか?
ここでは、「ルールを決める」「技術的対策」「物理的対策」の3つの点から考えたいと思います。
ルールを決める
社内で、セキュリティに関する「セキュリティガイドライン」を定める必要があります。
企業の資産である「情報」のセキュリティ対策に関して、総合的にとりまとめたもので、企業理念や経営戦略、業種などが反映されています。
具体的には、ウイルスなどの侵入に対してどのように防御していくのか、社内オフィス外から会社サーバにアクセスする方法、紙媒体の持ち出し方法などがあり、テレワークを導入するにあたって必要となるルールを定めましょう。
決めたルールは、社員にメールなどで通知する、研修を行うことによって浸透させ、遵守するようにしましょう。
技術的な対策
技術的な対策は大きく4つ考えられます。
①二段階認証、②SSL通信、③データのバックアップ、④IPアドレス制限を以下で詳しく説明したいと思います。
①二段階認証
二段階認証とは、よりセキュリティを強固にするための機能です。
パソコンやアプリにログインする際に、「ログインID」「パスワード」に加え、スマホの二段階認証アプリに表示される「確認コード」も入力することで、利用者が本人であることを確認できます。
②SSL通信
SSL通信とは、インターネット上通信を暗号化する技術です。
SSL通信を利用することで、データが暗号化されるため、万が一情報漏洩しても解読されることがなく、データの盗聴や改ざんを防ぐことができます。
③データのバックアップ
インターネットを使用する限り、ウイルスに感染し、データを失うリスクは否めません。
そのため、使用しているOSやソフトウェアは常に最新バージョンにし、ウイルス対策ソフトを導入することでリスクを下げることができます。
また、正常な状態のファイルをバックアップとしてコピーを作るなどしてバックアップを常に考えましょう。
④IPアドレス制限
IPアドレス制限は、アクセスできる環境を制限することです。
接続元IPアドレスによって、アクセスを制限でき、例えば「テレワーク端末殻でしたアクセスできないように制限したい」といった制限をかけることができます。
物理的な対策
物理的な対策として、テレワークで利用する端末自体や、サーバ等の盗難や損害を受けないようにすることが大事です。
端末を傷つけない・落とさないといったことはもちろんですが、外で作業する場合には目を外さないといった端末の管理方法や、部屋に鍵をかけるなどの作業環境を確認して遵守しましょう。
テレワークで必要なツール12選
チームの情報を最も簡単に残せるツール【Stock】

「Stock」|チームの情報を最も簡単に残せるツール
Stockは、チームの情報を最も簡単に残せるツールです。
「チャットツールだと情報が流れていき、ファイル共有だと面倒」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート機能」を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残すことが可能です。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用することで、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散したり混同することなく、常に整理された状態で仕事をすることができます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITに詳しくないチーム向けのツール
ITの専門知識がなくても大丈夫。詳しくなくても簡単に始めることができます
- とにかくシンプルで、誰でも使える
余計な機能は一切なくシンプルなツールなので、誰でも簡単に情報を残すことができます
- 驚くほど簡単に「情報ストック」と「タスク管理」ができる
社内の共有情報等の「情報ストック」が驚くほどしやすく、また「タスク管理」も直観的に行うことができます
<Stockの料金>

https://www.stock-app.info/pricing.html
40ノートまでは無料で利用することができます。
有料プランにすることで、ノート数が無制限になる他、「誤削除防止機能」や「編集履歴機能」などのビジネスに必須の機能が利用でき、大容量のファイルもアップロードできるようになります。
有料プランでも1人あたり月額500円程度という非常に手頃な価格で利用することができます。
チャットツール【slack】

Slackは、世界で1,000万人以上もの人に利用されているビジネスチャットツールです。
無料で利用することもでき、ビジネスにおいてのコミュニケーションを促進します。
<Slackのポイント>
- 外部連携先が豊富にある
Slackと連携できるツールは900以上あると言われており、連携することによって通知をSlack上で受け取れるようになるため、便利です。
- やりとりしやすいチャット
チャットにおいては、メールと違いリアルタイムで会話ができ絵文字も使うことができるため、スムーズなコミュニケーションが可能です。
<Slackを使う上で気をつけたい点>
- ビジネス利用は有料版の方が使いやすい
Slackは無料でも使うことができますが、音声通話は1対1のみ、ファイルストレージは5GBまで、といった制約もあるので、ビジネスでは有料版の方が使いやすいです。
- 情報を見落としてしまうことも
参加人数が多すぎてチャットを読み切れなかったり、大事な情報を見落としてしまうことも考えられます。

チャットツール【Microsoft Teams】

Microsoft Teamsは、Microsoft社が提供しているビジネスチャットツールです。
Microsoft製のツールとの連携がスムーズにできます。
<Microsoft Teamsのポイント>
- 利用開始のハードルが低い
すでにMicrosoft365を利用している場合は、Teamsも既にプランに入っているので、追加料金なしで使い始めることができます。
- Microsoft他ツールとのスムーズな連携
WordやExcelなどのMicrosoftのツールのハブとして開発されているため、連携することによって業務の効率化につながります。
<Microsoft Teamsを使う上で気をつけたい点>
- 連携できる外部ツールがない
Microsoftツールとは連携できますが、今のところ外部のツールとは連携できないので注意が必要です。
- 外部の人とはチャットできない
Teams内のメンバーとしかチャットができないため、外部の人とやりとりをするにはメールや他ツールを使う必要があります。

Web会議ツール【Zoom】

Zoomは、安定した接続、高画質・高音質が特徴のWeb会議ツールです。
<Zoomのポイント>
- 登録不要で会議に参加できる
会議に招待された側は登録不要で、発行されたURLにアクセスするのみで参加することができます。
- 安定した接続で高画質・高音質
Zoomは他のweb会議ツールに比べて必要な通信料が低いため、安定した接続が可能で、動画は高画質・高音質ということが特徴にあります。
<Zoomを使う上で気をつけたい点>
- 無料版は40分までしか使えない
無料版では最大100人まで、40分までしか利用することができないため、ビジネスの利用は有料プランがおすすめです。
- 会議を主催するには会員登録が必要
会議を主催するためには会員登録してURLを発行しないといけないので注意が必要です。

Web会議ツール【V-CUBEミーティング】

V-CUBEミーティングがシンプルなインターフェースが特徴のweb会議ツールです。
<V-CUBEミーティングのポイント>
- 世界最高レベルの映像品質
「H.264/SVC映像コーデック」という世界最新の映像・音声技術を採用しているため、高画質・高音質のWeb会議を可能とします。
- 外国語での会議に対応
音声認識技術・自動翻訳技術が搭載されているため、外国語での会議にも対応できます。
<V-CUBEミーティングを使う上で気をつけたい点>
- 接続はインターネットに影響されてしまう
インターネットの接続状況によって映像が乱れたり繋がりにくくなってしまうことがあります。

Web会議ツール【ベルフェイス】

ベルフェイスは、5秒で接続することができる営業活動に特化したオンライン商談ツールです。
商談に特化しているため、デジタル名刺機能、ビューティーモード機能などがあります。
<ベルフェイスのポイント>
- レコログ機能
商談内容を録画録音したり、自身の営業トークの自動テキスト化などが可能なので、新人教育やノウハウ構築に活用できます。
- トークスクリプトを表示できる
オンライン商談ならではの機能ですが、営業担当自身しか表示できないトークスクリプトを用意することでスムーズな商談を可能とします。
<ベルフェイスを使う上で気をつけたい点>
- 電話片手にパソコンを操作する必要がある
音声は電話を使用するため、電話を片手にパソコンを操作する必要があるため、不便と感じることがあります。
- 料金が高い
初期導入費用20万円に加え、1ユーザーあたり9,000円/月(最低契約ユーザー数5)かかるので、本当にオンライン商談ツールの導入が必要が検討する必要があります。

タスク・プロジェクト管理ツール【Backlog】

Backlogは、シンプルで分かりやすいインターフェースを持つ、プロジェクト管理ツールです。
<Backlogのポイント>
- プロジェクトの進捗を可視化
ガントチャート機能があるので、プロジェクトのタスクの進捗度を一覧で見ることができます。
- 情報共有も促進
プロジェクト管理機能だけではなく、wiki機能や、コメント機能、絵文字も使えるので情報共有がしやすくなります。
<Backlogを使う上で気をつけたい点>
- プラグインはできない
プラグインといった、独自のカスタマイズは追加することができません。
- 使い始めは難しいかも
Backlogは多くの機能を備えていますが、使い始めの説明動画等はないので、使い始めは混乱するかもしれません。

タスク・プロジェクト管理ツール【Jooto】

Jootoはふせんを貼ったりはがす感覚でタスク管理ができるツールです。
ガントチャート機能を含む全機能を無料で利用することができます。
<Jootoのポイント>
- 直感的な操作
タスクが1枚の「ふせん」のようになり、ドラッグ&ドロップで移動させることができるので、初めてでも迷うことなく使えます。
- 外部連携機能
GoogleカレンダーやSlack、Chatworkと連携することができ、タスクの日程をカレンダー上に表示したり、通知をチャットツールにて受け取ることができます。
<Jootoを使う上で気をつけたい点>
- 無料版は4人までしか使えない
無料版でも全ての機能を使えますが、利用できるのは4人まで、容量は100MBと大きな制限があります。

勤怠管理ツール【ジョブカン勤怠管理】

ジョブカン勤怠管理は出勤管理やシフト管理、休暇申請管理や勤務時間に関する勤怠管理をクラウド上で行うツールです。
<ジョブカン勤怠管理のポイント>
- テレワークでも勤務時間を計算可能
ICカードやスマホやタブレット、パソコンを使い簡単に打刻できるため、どこにいてもどんな時間でも打刻することができます。
- 利用しやすい価格
契約する機能にもよりますが、1ユーザーあたり200円から利用することができるため、比較的利用しやすい価格と言えるでしょう。
<ジョブカン勤怠管理を使う上で気をつけたい点>
- 月額最低利用料金は2,000円から
低価格で利用することができますが、月額最低利用料金は2,000円と定められているため、注意しないといけません。

ファイルストレージツール【box】

Boxは、ファイルをweb上で保管・共有・管理するツールで、ファイルはクラウドストレージ上に保存されます。
<Boxのポイント>
- 信頼できるセキュリティ
Boxは企業向けにスタートしているため、セキュリティがしっかりしており、大規模なセキュリティ事故を起こしていないため比較的安心して使うことができます。
- 優れたアクセス権限設定
フォルダごとに参加者に対して、ファイルのアップロードやプレビュー、ダウンロード、編集、削除などを細かく設定できます。
<Boxを使う上で気をつけたい点>
- サポートは英語のみ
現在のところ、販売代理店を介さず導入すると受けれるサポートは英語のみとなっているので注意が必要です。
- 法人利用は5ライセンスから
無料でも利用できますが、法人で有料プランを導入するばいいが5ライセンスからとなっています。

ファイルストレージツール【Dropbox】

Dropboxは、クラウドストレージ上にファイルをアップロードし、保管や共有ができるツールです。
無料版でも2GBまで使うことができます。
<Dropboxのポイント>
- マルチデバイスに対応
Windows・Macでも、iPhoneやAndroid向けのアプリも提供されているので、インターネットさえあればどのデバイスからでも利用できます。
- 簡単に共有できる
Dropboxのアカウントを持つ人であれば、簡単に共有フォルダを作成でき、アカウントを持っていない人にもインターネットのURLを送るだけでファイルの閲覧・ダウンロードができます。
<Dropboxを使う上で気をつけたい点>
- オフラインでは利用できない
クラウドサービスのため、オフラインではアップロードされたファイルにアクセスすることはできません。
- 無料版は2GBまでしか使えない
無料版ではファイルを保存できる容量が2GBまでなので、ビジネスでの利用は有料プランの方がおすすめです。

グループウェア【kintone】

kintoneは、自社業務に必要な機能を組み合わせてアプリを作ることができるグループウェアです。
ドラッグ&ドロップでアプリを作成することができるので、開発の経験がなくても簡単に作ることができます。
<kintoneのポイント>
- 業務に必要な機能を1つに
kintoneにはあらゆる業種のあらゆる仕事に関するアプリがあり、その数は1000個(ライトコースでは200個)にのぼるため、必要な物だけを組み合わせて専用のアプリを作るのを可能とします
- 共有・コミュニケーションできる
チームで共有ができるスペースや、コミュニケーションができるチャット機能もあるので、チームで使うツールを一元化できます。
<kintoneを使う上で気をつけたい点>
- ストレージの容量が少ない
どのプランでも、ディスク容量は1ユーザーあたり5GBなので大量の資料の保管などはできません。
- アプリの整理が必要
アプリをどんどん追加することができるため、気付いたら「大量のアプリがある、、」ということがあるので適宜アプリの削除や順番の整理が必要となります。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
テレワークのシステムには「リモートデスクトップ方式」、「仮想デスクトップ方式」、「クラウドアプリ方式」、「会社PCを持ち帰る方式」があることが分かりました。
セキュリティ要件や導入のしやすさを検討し、今回ご紹介させていただいたツールと合わせて、是非導入していただければ幸いです。
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