士業事務所では、顧問先ごとに対応内容や判断基準が異なり、ノウハウが担当者個人に蓄積されていきます。しかし、こうした知見を組織で共有できていないと、担当者の不在時に対応が滞ったり、新人教育に手間がかかったりする原因になります。
しかし、実際には「日々の業務に追われ、ナレッジ共有の仕組みづくりまで手が回らない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、士業事務所でナレッジ共有が進まない理由や進め方、自社に合うツールの選び方を中心にご紹介します。
- 顧問先ごとに対応が異なり、業務がベテランスタッフに属人化している事務所の所長・代表
- ベテランの退職・異動に備えて、今のうちにノウハウを組織の資産として残しておきたい事務所経営者
- ナレッジ共有ツールを導入したいが、機密情報を扱う士業でも安心して使えるのか判断がつかない管理者
という方はこの記事を参考にすると、自事務所の属人化がどの段階にあるかを把握でき、人・仕組み・ツールのどこから着手すべきかを判断できるようになります。
目次
士業でナレッジ共有が進みにくい理由
以下では、士業でナレッジ共有が進みにくい理由を解説します。自事務所ではどのような理由でナレッジ共有が進みにくいのかを確認してみましょう。
顧問先ごとに対応が異なり、マニュアル化しづらい
士業の業務は、顧問先ごとに背景や事情が異なるため、画一的なマニュアルに落とし込みにくいという特性があります。
同じ税務相談でも、企業規模や業界などによって最適な対応は異なり、マニュアル通りに対応できない場面が少なくありません。そのため、担当者は案件ごとに個別の判断で対応することになり、その判断基準が言語化されないまま個人の中に留まってしまいます。
結果として、顧問先ごとの対応方針は担当者の頭の中にしか存在しない状態になり、他のスタッフが同じ水準で対応することが難しくなります。
守秘義務・機密性の高さから共有が難しい
士業が扱う情報は顧客の税務・法務・労務に関わる機密事項であり、守秘義務の観点から情報共有そのものに慎重にならざるを得ないという事情があります。
顧問先の経営状況や案件内容など、外部に漏れれば信頼を損なう情報を日常的に扱うため、誰でも情報へアクセスできる状態を作ることはリスクを伴います。そのため、共有範囲を最小限に絞ったり、紙やローカル環境での管理を続けたりする事務所も多いのです。
こうした背景から、士業では利便性よりも安全性を優先せざるを得ず、ナレッジ共有の仕組みづくりが後回しにされがちです。
ベテランの経験・勘(暗黙知)に依存しやすい
士業の業務では、マニュアル化しにくい判断が多いため、ベテランの経験や勘に頼らざるを得ない場面が多くなります。
相談内容の微妙なニュアンスの読み取りや、顧問先との関係性を踏まえた対応など、長年の経験による判断は、マニュアル化しづらいです。そのため、こうした知見は自然と特定の社員の中に蓄積されていき、他の社員に引き継がれないままになるのです。
その結果、事務所の対応品質がベテラン個人の存在に左右される状態が続き、組織としての判断基準を築きにくくなります。
日常業務に追われ、共有に時間を割けない
顧問先対応や申告・書類作成などの日常業務に追われる中で、ナレッジ共有のための時間を確保すること自体が難しいという現実があります。
特に繁忙期には案件対応が最優先され、対応履歴の記録やノウハウの言語化は後回しにされがちです。また、共有作業の担当者を置く余裕がない事務所も多く、ナレッジ共有にまで手が回らない状態が慢性化しやすくなります。
こうして共有の機会が先送りされ続けることで、属人化が解消されないまま日々の業務が積み重なっていきます。
ナレッジ共有を後回しにすることで生じる3つのリスク
以下では、ナレッジ共有を後回しにすることで生じる3つのリスクを解説します。ナレッジ共有の取り組みを始める前に、以下の内容を押さえておきましょう。
ベテランの退職・異動により知見が消失する
ナレッジ共有を後回しにしていると、ベテランスタッフが辞めたり異動したりしたときに、それまでの知見が一気に失われてしまいます。
顧問先の対応履歴や過去の判断が本人の記憶にしか残っていない場合、その人が事務所を離れた瞬間に情報を引き出せなくなります。長く担当してきたベテランほど、他の人には分からない情報を多く抱えているためです。
一度失われた知見を後から取り戻すのは難しく、事務所全体の対応の質を長期的に下げる原因になりかねません。
新人教育の負担が一部のスタッフに偏り、非効率になる
ナレッジ共有が進んでいないと、新人教育のたびに特定のベテランスタッフへ確認が集中し、負担が偏ってしまいます。
過去の対応履歴や判断基準が記録されていないと、新人は分からないことがあるたびにベテランへ質問するしかありません。その結果、ベテランは自分の業務と並行して教育対応に追われ、本来の業務に集中できなくなります。
教育の属人化が続くと、新人の育成スピードも担当するベテラン次第でばらつき、事務所全体の生産性が上がりにくくなります。
担当者によって顧客対応の質にばらつきが出る
ナレッジ共有ができていないと、担当者ごとの経験や判断力の差がそのまま顧客対応の質の差につながってしまいます。
過去の対応事例や判断基準が共有されていないと、経験の浅い担当者は自己流の判断で対応せざるを得ません。同じような相談内容でも、担当者によって回答のスピードや提案の質にばらつきが生じ、顧問先が受けるサービスの水準が一定になりません。
対応品質にばらつきがあると、顧問先からの信頼にも影響し、事務所全体の評価を左右しかねないのです。
士業のナレッジ共有を進める手順
以下では、士業のナレッジ共有を進める手順を解説します。以下の手順を踏まえた上でナレッジ共有に取り組みましょう。
(1)役割分担を決める
ナレッジ共有の第一歩として、誰が情報の入力・整理・更新を担うのか、役割分担を明確に決めることが欠かせません。
担当者を決めずに運用すると、結局は忙しさを理由に誰も手をつけず、仕組みが形骸化します。情報の入力担当者だけでなく、内容を確認・整理する担当者や、ルール自体を見直す担当者を決めておけば、共有の仕組みが継続的に回るようになります。
まずは小さな範囲からでも役割を割り当て、共有を「特定の誰か任せ」にしない体制を作ることが重要です。
(2)共有すべき情報を絞り込みルール化する
役割分担を決めたら、次にすべての情報を共有しようとせず、優先順位をつけて共有すべき情報を絞り込むことが重要です。
案件のあらゆる情報を残そうとすると、入力の手間が大きくなり、結局続かなくなります。まずは顧問先ごとの基本情報や過去のトラブル対応など、利用価値の高い情報から対象を絞り、「いつ」「誰が」「どの形式で」記録するかをルール化しましょう。
共有範囲とルールを明確にしておくことで、無理なく続けられる仕組みへとつながります。
(3)属人化した情報を「探せる」状態にする
情報を蓄積するだけでなく、必要なときに誰でもすぐ探し出せる状態にしておくことが、ナレッジ共有の最終的なゴールです。
ルールに沿って情報を残しても、保存場所がバラバラだったり検索がしにくかったりすると、結局は担当者に聞いた方が早いという状態に逆戻りしてしまいます。顧問先名や案件の種類などで検索できれば、新人でも過去の対応履歴にたどり着けるのです。
情報を「探せる」状態まで整えて初めて、属人化の解消につながる仕組みが完成します。
ナレッジ共有ツールを選ぶときに確認すべきポイント
継続的なナレッジ共有を実現するには、ITツールを導入するのがおすすめです。以下では、士業のナレッジ共有を進める手順を解説します。
- 機密情報を扱えるセキュリティ・権限管理機能があるか
顧問先や案件ごとにアクセス範囲を設定できるかを確認し、機密情報が不要に広く共有されない仕組みになっているかを見極めましょう。 - 案件ごとの経緯や判断根拠を検索できるか
単なるファイル保管ではなく、過去の対応履歴や判断理由をキーワードで探し出せるかどうかはとても重要です。 - ITに不慣れなスタッフでも使いこなせるか
操作画面がシンプルで直感的に扱えるかを確認し、導入後に使われなくなってしまうリスクを避けましょう。 - 士業・専門職での導入実績があるか
同業種での導入実績があれば、士業特有の機密性や業務の進め方に対応できているかを見極める判断材料になります。
これらのポイントを踏まえたうえで、自事務所の規模や運用体制に合ったツールを選ぶことで、ナレッジ共有を無理なく定着させられます。
属人化解消に強いナレッジ共有ツール
以下では、士業事務所の属人化解消に役立つナレッジ共有ツールをご紹介します。
顧問先ごとの対応履歴などをExcelや紙のメモで管理していると、ファイルが更新のたびに乱立し、最新情報が判断できません。また、メールやチャットでのやり取りは流れるため、後から経緯を追うのが難しく、結局はベテランの記憶を頼るしかない状態に陥ります。
こうした課題を解消しようとITツールを導入しても、機密情報を扱う士業では権限管理の甘さが不安要素になったり、操作が複雑でITに不慣れなスタッフに定着しなかったりするケースも少なくありません。
そこで、「顧問先ごとに情報を蓄積でき、機密性にも配慮された、誰でも簡単に使える仕組み」を取り入れましょう。こうしたツールを活用すれば、対応履歴の蓄積と検索がスムーズになり、属人化の解消が実現できるのです。
この条件に最も当てはまるのが、ノート形式で情報を簡単に蓄積・共有できる情報管理ツール「Stock」です。Stockは、案件ごとの対応履歴を1つのノートにまとめて記録できるほか、フォルダ単位でアクセス権限を設定できるため機密情報も安心して扱えます。また、シンプルな操作なので、ITに不慣れなスタッフでも無理なく運用が定着します。
【Stock】無料で使えてチームの業務効率化に役立つ情報共有ツール
<Stockをおすすめするポイント>
- ITの専門知識がなくてもすぐに使える
「ITに詳しくない65歳の方でも、何の説明もなく使える」程シンプルです。
- 社内のあらゆる情報を、最も簡単に「ストック」できる
作業依頼、議事録・問い合わせ管理など、あらゆる情報を一元管理可能です。
- 驚くほど簡単に、「タスク管理」「メッセージ」もできる
直感的な操作で、「タスクの担当者・期日の設定」と「メッセージでのやりとり」が可能です。
<Stockの口コミ・評判>
塩出 祐貴さん
松山ヤクルト販売株式会社 |
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「強烈な『ITアレルギー』がある弊社にも、Stockならば、一切混乱なく導入できました」 ★★★★★ 5.0 弊社の宅配部門のスタッフの半分近くは50代以上と高齢で、キーボード入力が苦手なスタッフもいるほど、ITツールへの強い抵抗感がありました。しかし、Stockは他ツールに比べて圧倒的にシンプルで、直感的に使えるため、予想通り非常にスムーズに使い始めることができました。 |
竹原陽子さん、國吉千恵美さん
リハビリデイサービスエール |
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「会社全体が、『Stock(ストック)さえ見ればOK』という認識に180度変わった」 ★★★★★ 5.0 特に介護業界では顕著かもしれませんが、『パソコンやアプリに関する新しい取り組みをする』ということに対して少なからず懸念や不安の声はありました。しかしその後、実際にStock(ストック)を使ってみると、紙のノートに書く作業と比べて負担は変わらず、『Stock(ストック)さえ見れば大半のことが解決する』という共通の認識がなされるようになりました。 |
江藤 美帆さん
栃木サッカークラブ(栃木SC) |
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「ナレッジが属人化しやすいプロスポーツクラブには、Stockを非常に強くお勧めします!」 ★★★★★ 5.0 元々悩んでいた『ナレッジがブラックボックス化してしまう』という問題が、驚くほどうまく解消されました。 『Stockさえ見れば、すぐに必要な情報を把握できる』という状況を作り出すことに成功し、明らかに生産性が向上しました。 |
<Stockの料金>
- フリープラン :無料
- ビジネスプラン :650円/ユーザー/月
- エンタープライズプラン :1,200円/ユーザー/月
※最低ご利用人数:5ユーザーから
会計事務所の導入事例|税理士法人ユニヴィス

会計事務所を経営する森様は、税務・会計サービスを40〜50社のクライアントに提供しており、10月時点でメンバーは7名という体制で「Stock」を活用しています。
同社ではスプレッドシートで情報管理をしていましたが、クライアントの数だけファイルを開いて確認する必要があり、アクセス性の悪さに課題を抱えていました。そこで、あらゆる情報を簡単に残せる「Stock」を導入したところ、目的の内容へすぐにアクセスできるようになったのです。
また、Stockの導入によってすべての情報をしっかりと残せるようになり、各クライアントとのやり取りを時系列で全て追えるようになりました。これにより、担当者が変わった場合でも過去の経緯をすぐに把握できる体制が整いました。
士業におけるナレッジ共有の方法まとめ
これまで、士業でナレッジ共有が進みにくい理由や後回しにするリスク、ナレッジ共有を進める手順、ツールを選ぶときに確認すべきポイントを中心にご紹介しました。
士業のナレッジ共有では、まず役割分担を決め、共有すべき情報を絞り込んでルール化したうえで、属人化した情報を探せる状態にすることが欠かせません。あわせて、機密情報を扱えるセキュリティ・権限管理機能や、ITに不慣れなスタッフでも使いこなせる操作性など、士業ならではの要件を満たすツールを選ぶことが重要です。
顧問先・案件ごとに対応履歴や判断根拠を蓄積でき、フォルダ単位で権限を設定できるうえ、フォルダとノートのみのシンプルな操作体系で誰でも迷わず使えるツールであれば、こうした要件を無理なく満たせます。
これらの条件に最適なのは、顧問先・案件ごとの情報をノートに蓄積し、権限管理と検索機能でITに不慣れなスタッフでも安心して使える「Stock」です。
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