機密情報を取り扱うビジネスにおいて「どこに何の文書があるのか分からない」という状況は、情報漏洩のリスクを高めてしまいます。そのため、文書を一括管理する「文書管理台帳」を使うのが一般的です。
一方、「自社の文書管理台帳は分かりづらい」「台帳を確認、更新するのに手間がかかる」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、文書管理台帳の作り方や注意点を中心に解説します。
- 文書管理が煩雑化しており、困っている
- 個人が文書を管理しているので、どこに何があるか分からない
- 必要な文書を効率的に探し出す方法が知りたい
という担当者の方はこの記事を参考にすると、抜け漏れのない文書管理台帳をつくれるので、必要な情報へ素早くアクセスできるようになります。
目次
文書管理台帳とは?
文書管理台帳とは「企業が所有するさまざまな文書を、必要なときに活用できる適切な形で保管するための台帳」です。なかには、文書管理台帳を「ライフサイクルリスト」「ファイル基準表」と呼ぶ会社もあります。
従来、紙の文書をファイリングして管理する方法が一般的でした。しかし、近年ではデジタル化に伴い、文書を電子化し、システム上で管理する方法が取り入れられています。
また、文書管理台帳を作るときの切り口として、「5W1H」というフレームワークが活用可能です。
- 何の文書があるか(What)
- 誰が文書を管理しているか(Who)
- どこに該当の文書を管理しているか(Where)
- いつまで文書を管理しなければならないのか(When)
- どのような文書を管理しているか。(How)
以上の項目を明確にしながら管理することで「必要な書類をすぐに見つけられる仕組み」を整えることができるのです。
文書管理における「ISO9001」とは
「ISO9001(品質マネジメントシステム)」とは、企業が提供する商品やサービスの品質向上を目的とした”国際的なマネジメントシステム規格”です。
ISO9001の取得は、すなわち「コンプライアンスの推進」「国際間の取引要件を達成」している企業であることの証明になり、結果として、社会的信頼の獲得につながります。
ただし、ISO9001を取得するには、必要となる文書をすぐに見つけだせて、かつ情報漏洩や改ざんのリスクのない保管方法でなければなりません。そこで、昨今では、高いセキュリティを誇る「ナレカン」のようなITツールが、文書管理に重宝されているのです。
なぜ文書管理台帳を作成する?3つのメリットとは
以下では、文書管理台帳を作成する目的を3つご紹介します。目的を正しく理解したうえで適切な管理方法を採用しましょう。
目的1|情報へのアクセス性を高める
1つ目の目的は、必要な情報へのアクセス性を高めることです。
台帳を見れば「必要な文書がどこに保管されているか」が分かるので、すぐに該当の文書を探し出せます。また、ITツールで管理している場合は、ファイル名などの「キーワード」を使って検索をかけると、自動で該当の文書を抽出してくれるのです。
逆に、文書管理台帳がない場合は、アナログ・デジタル問わず「記憶を頼りに文書を探す」という無駄が発生してしまいかねません。したがって、情報へのアクセス性を高めるのは、文書管理台帳の重要な目的の一つだと言えます。
目的2|重要文書・機密文書を保管する
2つ目の目的は、重要文書や機密文書を保管することです。
営業活動で発生する文書には、企業外に流出してはならない機密情報もあります。しかし、文書管理台帳で管理していない職場では「機密文書がほかの文書と同一に扱われ、誤って紛失してしまった」というケースになりかねません。
一方、文書管理台帳で機密文書が明確に区分されていれば、従業員も取り扱いに注意できるのです。具体的には、紙で管理している場合はキャビネットの鍵は管理職が持ち、データで管理している場合は、アクセス制限をかけておく方法が挙げられます。
目的3|法定保存年限に則って保存する
3つ目の目的は、法定保存年限に則って保存することです。
法定保存文書とは、保管しなければならない期間(1年、3年、5年、7年、10年)が法律によって定められた文書を指します。文書によって保管期間が異なるので管理が煩雑になりますが、文書管理台帳で保存しておくと、保存期間の見落としがなくなるのです。
また、管理者が都合により変わっても、文書管理台帳で適切に管理されていれば、引き継ぎに必要以上の時間がかかることを防げます。
【初心者必見】文書管理台帳の作り方
以下では、文書管理台帳の作り方を4ステップでご紹介します。「どのような手順で進めるべきか分からない」という方は必見です。
手順1|文書を分類する
はじめに、自社の現状を把握して文書を分類しましょう。
具体的には、「どのような種類の文書が保管されているのか」「部署が独自に保管している文書はないか」といった保管状況を把握し、以下のように分類し直します。
- 法定保存文書:法律で保存期間が定められた文書
- 共有文書:社内外問わず共有される情報を含んだ文書
- 完了文書:作成が完了した文書(更新した文書は最新バージョン)
以上のように、自社で保管する文書を洗い出して分類しましょう。
手順2|文書管理台帳の項目を定める
次に、文書管理台帳の項目を定めましょう。項目名や数は任意ですが、具体的には以下の項目が挙げられます。
- 文書名
- ファイル名/フォルダ名
- 閲覧権限
- 作成日
- 作成者名
- 担当部署
- 保存期間
- 保存場所
以上のように、「いつ、誰が作成した文書で、どこにあるのか」といった概要が分かるように項目を定めましょう。
手順3|文書管理台帳の形態を選ぶ
続いて、文書管理台帳の形態を選びましょう。
文書管理台帳の種類には、大きく分けて「紙」「Excelなどの電子ファイル」「ITツール」といった3種類があります。
しかし、紙の台帳は手書きで手間がかかるうえに、人為的なミスで紛失する恐れがあるのです。また、Excelの場合、台帳を更新したり文書を探したりするときに、わざわざファイルを開いて確認する手間がかかります。
したがって、これからの文書管理には「効率的な文書管理が実現するITツール」一択なのです。ただし、多機能で操作が複雑なツールは社内へ浸透しづらいため、シンプルさを特徴とする「ナレカン」のようなツールが最適です。
手順4|文書管理台帳へ記載する
最後に、文書管理台帳へ必要な項目を記載すれば完了です。
ただし、単純に作成しただけでは終わらせずに「まずは一部の部署に導入して様子を見る」「適切に運用できているか定期的にチェックする」といった対処が重要です。
また、紙の文書を取り出した場合には、“台帳に記載されている場所(取り出した場所)に戻すこと”も徹底するように声掛けしましょう。
【すぐ作れる】文書管理台帳のExcelフォーマット
以下は、無料で使える文書管理台帳のExcelフォーマットです。ひな形を利用してすぐに文書管理台帳を作成したい方は必見です。
こちらは、フリーテンプレートが提供する、文書管理台帳のExcelフォーマットです。シンプルさが特徴なので、「文書をカテゴライズしたい」「改版日をより多く記載したい」などの場合には、自社用にセルを追加しましょう。
また、日々増え続ける文書をExcelで管理していると、担当者の更新漏れやバージョン管理が煩雑になり業務効率が落ちてしまいます。したがって、文書数が多い企業はExcelでの管理は不向きだと言えます。
文書管理台帳の作成における注意点
ここでは、文書管理台帳作成における3つの注意点をご紹介します。文書管理が非効率になったり情報漏洩が起こったりするリスクを減らすために、必ず押さえましょう。
(1)文書管理番号の採番基準を統一する
一つ目の注意点は、文書管理番号の採番基準を統一することです。誤廃棄を防止するためにも、以下の2点に注意して文書を区別しましょう。
- 基本的には英数字の通し番号を使う
- 部署別や契約種類別にアルファベットなどを設定する
たとえば、「00001、00002、00003・・・」といった通し番号に加えて、営業部には「A」のアルファベットを付与すると、営業部の文書は「A00001、A00002、A00003・・・」と管理できます。
以上のように、部門毎にアルファベットなどの管理名を設定し、文書別にも通し番号を設定することで、すぐに目的の情報を見つけられるのです。また、扱う文書が多い会社では年月日をつけて管理する方法もあります。
(2)情報漏洩リスクへの対策を取る
二つ目の注意点は、紙やデータといった管理の種類に関わらず、情報漏洩リスクへの対策を取ることです。そもそも、情報漏洩の主な原因には以下の4点が挙げられます。
- ウイルス感染・不正アクセス:55.1%
- 誤表示・誤送信:26.0%
- 紛失・誤廃棄:15.1%
- 盗難:3.0%
上記のデータから、ウイルス感染や不正アクセスによる被害が一番大きいことが分かります。したがって、データで管理する場合は、セキュリティに優れたツールを使って管理する必要があるのです。
また、誤表示や紛失、置き忘れなどの人為的なミスの多くは、紙の文書で管理していることが原因です。したがって、人的ミスによる情報漏洩を防ぐためにも、電子管理への移行が求められていると言えます。
(3)誰でも使えるシステムで管理する
三つ目の注意点は「誰でも使える」システムで管理することです。
人為的なミスが起きやすい紙の文書管理台帳を使っている場合は、安全性が高いうえに管理の効率も高まる「ITツール」への移行が求められます。
しかし、効率化を重視して「機能が豊富なITツール」を導入しても、ITリテラシーが低い従業員は使いこなせません。結果的に、ITツールを使うことに抵抗感が生まれて「せっかく導入したのに誰も活用しない」という事態になりかねないのです。
そのため、ITの得意・不得意に関わらず誰でも扱える「ナレカン」のようなITツールが必要です。なかでも、ナレカンは、無料トライアルに加えて、導入・運用に向けての手厚いサポートを受けられるので、ITに不慣れな企業の導入にも適しています。
【これで解決】社内の文書管理を最適化するツール
以下では、文書管理に必須かつおすすめのITツールをご紹介します。
紙の文書管理台帳は「人的なミスが発生しやすい」や「検索性が悪い」といったデメリットを抱えています。また、WordやExcelで文書を管理していると、フォルダから探し出したり、都度ファイルを開いたりする手間がかかるのです。
そこで、「多階層のフォルダと高精度の検索機能を備えたITツール」があれば、文書管理の煩わしさを解消できます。ただし、導入しても使われなければ意味がないため、全員がすぐに使いこなせることが大前提です。
結論、導入すべきITツールは、情報へのアクセス性に優れており、メールを使える方ならば、すぐに使える程シンプルなナレッジ管理ツール「ナレカン」一択です。
ナレカンのノート形式の「記事」に保存した文書は、部署やカテゴリごとに「フォルダ」を分けられるので、目的の文書にすぐにたどり着けます。また、国際セキュリティ規格の「ISO27001」を取得しているので、大企業でも安心して導入できるのが特徴です。
誰でも簡単かつ安全に情報を管理できるツール「ナレカン」
「ナレカン」|最もシンプルなナレッジ管理ツール
ナレカンは、最もシンプルなナレッジ管理ツールです。
「数十名~数万名規模」の企業様のナレッジ管理に最適なツールとなっています。
自分でナレッジを記載する場合には「記事」を作成でき、『知恵袋』のような感覚で、とにかくシンプルに社内メンバーに「質問」することもできます。
また、ナレカンを使えば、社内のあらゆるナレッジを一元的に管理できます。
「マニュアル」 「社内FAQ」「議事録」「トークスクリプト」等、あらゆるナレッジを蓄積することが可能です。
更に、ナレカンの非常に大きな魅力に、圧倒的な「初期導入支援サポート」と「ご利用中サポート」があります。ナレカン導入担当者の方の手を、最大限煩わせることのないサポートが提供されています。
<ナレカンをおすすめするポイント>
- 【機能】 「ナレッジ管理」に特化した、これ以上なくシンプルなツール。
「フォルダ形式」で簡単に情報を整理でき、「記事形式」「(知恵袋のような)質問形式」でナレッジを記載するだけです。
- 【対象】 数十名~数万名規模の企業様で、社内のあらゆるナレッジを一元管理。
「マニュアル」 「社内FAQ」「議事録」「トークスクリプト」等、あらゆるナレッジを蓄積可能です。
- 【サポート】 圧倒的なクオリティの「初期導入支援」と「ご利用中」サポート。
圧倒的なクオリティのサポートもナレカンの非常に大きな魅力です。貴社担当者様のお手間を最大限煩わせることないよう、サポートします。
<ナレカンの料金>
- ビジネスプラン :標準的な機能でナレカンを導入したい企業様
- エンタープライズプラン :管理・セキュリティを強化して導入したい企業様
https://www.narekan.info/pricing/
詳しい金額は、下記「ナレカンの資料をダウンロード」ボタンより、資料をダウンロードしてご確認ください。
文書管理台帳で押さえるべき3つのポイント
以下では、文書管理台帳を作るときのポイントを3つご紹介します。ポイントを踏まえて、効率的かつ抜け漏れなく文書管理台帳を作成しましょう。
(1)文書の分類のルールを決める
一つ目のポイントは、文書の分類のルールを決めることです。文書の種類には以下があります。
- 法定保存文書:根拠法によって保存期間が定められた文書
- 共有文書:営業活動を通して社内外問わず共有される情報を含む文書
- 完了文書:作成が完了した文書を指し、更新した文書は最新バージョンが含まれる
一方、今後使うことがない文書や古い文書などは、管理の適用範囲から除きましょう。以上のように、項目を設けておくことでスピーディーに文書を分類できます。
(2)文書の取り扱い方の規定を作る
二つ目のポイントは、文書の取り扱い方の規定を作ることです。
とくに、複製、編集された文書の取り扱いを明文化していなければ「複製された文書が持ち出される」「許可なく文書が編集される」という状況になりかねません。結果として、情報漏洩のリスクが上がってしまうのです。
また、文書の廃棄に関するルールが統一されていないと、個人の裁量によって書類が廃棄され、結果として情報漏洩を招いてしまいます。そのため、「保管する文書」「廃棄する文書」を社内で明文化しておきましょう。
以上のように、情報漏洩のリスクを軽減するために、文書の複製や編集、廃棄をはじめとするルールを決めておくのがおすすめです。
(3)管理者権限を設定する
三つ目のポイントは、管理者権限(文書にアクセスする権利)を設定することです。
紙での管理であれば「キャビネットの鍵の保持者を限定する」、データでの管理であれば「アクセス制限や編集制限をかける」という手法が一般的です。このような制限を設ければ、特定の従業員以外からのアクセスを防げます。
決算書や契約書などの”会社の利益に関わる文書”や、履歴書や給与明細表など”個人情報に関わる文書”には管理者権限を設定して、不用意なアクセスを防ぎましょう。
文書管理台帳の作成手順や注意点のまとめ
ここまで、文書管理台帳の作成手順や注意点を中心に解説しました。
文書管理台帳は、社内の文書を分かりやすく分類し、大量の文書やデータから必要なものを効率的に探すのに役立ちます。また、文書管理台帳で扱う文書には機密情報も含まれるため、安全に保管しなければなりません。
しかし、Excelでは更新や確認に手間がかかり、紙の台帳では人的ミスが発生しやすいデメリットがあります。したがって、「効率的かつ安全に文書を保管できるITツール」が最適なのです。
ただし、操作が難しいツールは使いこなせないリスクがあるため、今回ご紹介した『ナレカン』のように、「フォルダ」と「精度の高い検索機能」を備えたツールを選びましょう。
ぜひ「ナレカン」で文書管理台帳を作成し、安全かつ効率的に社内の文書を管理する仕組みを整えましょう。