社内外の情報は自社で適切に管理しなければなりません。そして今日では、情報管理に「ITツール」を用いて、簡単かつ強固なセキュリティ下で管理する企業が増えています。
たとえば、情報管理ができるITツールのひとつに「Scrapbox(スクラップボックス)」があります。ScrapboxはIT企業を中心に導入されているツールで、テキストだけでなく画像や動画も保存できるなど、活用法の幅が広いのが特徴です。
そのため、情報管理ツールを検討する企業のなかには、「Scrapboxは何ができるか、どのように使うのかが分からないので、導入に踏み切れない」と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Scrapboxの使い方や独自の記法、口コミ、料金体系などを網羅的にご紹介します。
- Scrapboxの使い方をイメージしながら、自社にマッチするか検討したい
- Scrapboxの導入を検討しているが、利用ユーザーの声も知りたい
- 自社の情報管理が属人化しているので解消したい
という担当者の方はこの記事を参考にすると、Scarapboxの使い方や評判が分かり、本当に自社にマッチしたツールなのかが判断できます。
目次
Scrapbox(スクラップボックス)とは
ScrapboxはIT企業を中心に広く活用されているツールですが、以下ではScrapboxの概要や基本機能についてご紹介します。「Scrapboxを導入することで、自社の課題は解決するのか」という視点で確認しましょう。
概要

Scrapbox(スクラップボックス)は、Nota株式会社が提供するドキュメント管理ツールです。テキストはもちろん、画像や動画、PDFなども「ページ」に保存できます。
さらに、Scrapboxは以下のような3つの特徴があります。
- ページ間リンクがある
- 独自の記法で作成する
- 階層構造ではない
ページ内のテキストを”[]”で囲えば、ほかのページへ移動できるリンクが作れます。
簡単に整った文章が書けるマークダウンとは異なる”独自記法”を採用しています。
作成したページはフォルダで分けず、リンクでページを構造化します。
以上のように、Scrapboxは一般的なドキュメント管理ツールとは異なる特徴を持っており、主にIT企業やエンジニアなどを中心に広く活用されているのです。
基本機能
Scrapboxを使いこなすためには、主要な機能を把握しておく必要があります。以下は、Scrapboxで頻繁に利用する機能を抜粋した表です。
機能 | 特徴 |
---|---|
箇条書き |
情報を分かりやすくまとめるための機能です。
|
リンク機能 |
別のページに移動するためのリンクを作成する機能です。
|
検索 |
目的のページをすぐに探し出すための機能です。
|
貼り付け |
ページに画像や動画、Google Mapsを添付する機能です。
|
お絵かき機能 |
手書きの文字や図などを作成できる機能です。
|
プレゼンテーション機能 |
作成したページをプレゼンテーション画面で表示できる機能です。
|
CSSカスタマイズ |
デフォルトのCSSを、独自のCSSに上書きできる機能です。
|
Slack連携 |
SlackとAPI連携し、更新情報をSlackから確認できる機能です。
|
Scrapboxでできること
Scrapboxでできることは「プロジェクト内のページに情報を残していくこと」です。
そのため、議事録やマニュアル、顧客情報などをプロジェクトとして、トピックごとにページを作成します。実際の業務では、以下のような使い方ができます。
- 蓄積したドキュメントを介して、コミュニケーションを促進させる
- 新入社員向けのマニュアルを作成する
- カスタマーサポートのためにFAQを作成する
- 属人化した技術・知識を保存して、教育コストを抑える
- フルリモートの企業で鈍化したコミュニケーションの起点にする
- 企画書作成、議事録の保管、進捗報告を一元化する
Scrapboxでは、独自の記法でテキストを効率的にまとめられるので、IT企業やエンジニアを中心に愛用されています。
Scrapboxの料金プラン比較表
ここでは、Scrapboxにおける料金プランの比較表をご紹介します。
PERSONAL/EDUCATION | BUSINESS | ENTERPRISE | |
---|---|---|---|
利用料金(1ユーザーあたり) |
無料
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1,000円/月
|
要問い合わせ
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ページ数 |
制限なし
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・制限なし(100ページまで無料)
・ユーザー10人追加で100ページ無料枠増加(最大300ページまで)
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制限なし
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利用人数 |
制限なし
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制限なし
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制限なし(30人以上)
|
社内で複数のプロジェクトを利用する場合には、ユニークユーザーごとに課金が発生する点に注意です。
Scrapboxの使い方|7ステップ
Scrapboxには多種多様な機能がありますが、まずは基本的な操作方法を理解する必要があります。そこで以下では、Scrapboxの使い方を7つのステップに分けてご紹介します。
(1)アカウントを作成する
はじめに、Scrapboxを利用するにあたってアカウントを作成する必要があります。
まずは、ScrapboxのサイトにWindowsやMacでアクセスし、[いますぐお試し]をクリックしましょう。

Googleアカウントが表示されるので、任意のアカウントをクリックします。
次に、上図のような画面になるので、以下の手順に従って設定を進めましょう。
- [Name]の欄に任意の表示名を入力する
- [Username] の欄に半角英数字でユーザー名を入力する
- 最後に、[Looks good]をクリックする
以上の操作で、Scrapboxのアカウントが作成できました。
(2)プロジェクトを作成する
次に、Scrapbox上にプロジェクトを作成します。具体的な作成方法は、以下の手順に従いましょう。
- 画面左上の[Scrapboxアイコン]をクリックする
- 表示される[Create new project]をクリックする
- プロジェクトの共有リンクとなる[project name]を半角英数字で入力する
- インターネット上で公開する場合は[Public Project]を、非公開の場合には[Private Project]を選択する
- 画像の保存先をScrapboxにする場合は[Scrapbox.io]を、Gyazoにする場合には[gyazo.com]を選択する
以上の操作で、Scrapbox上にプロジェクトが作成されました。
(3)メンバーを招待する
次に、Scrapboxをチーム利用する場合には、ほかのメンバーを招待しましょう。
まずは、画面左上のScrapboxマークから[Project Settings]を選択します。
次に、[Members]を選択すると上記の画面が表示されるので、[Email]からそのままメールを送信するか、[Copy]で招待リンクをコピーして別ツールで共有しましょう。
(4)プロジェクトを共有する
公開プロジェクトのリンクを共有することで、誰でもプロジェクトを閲覧できます。
まずは、画面左上のScrapboxマークから[Project Settings]を選択します。
次に、[Settings]を選択すると上記の画面が表示されるので、[Project url]をコピーして共有しましょう。
(5)ページを作成・編集する
次に、Scrapbox上にページを作成しましょう。
ページ作成は、画面上部の[+]をクリックするだけです。下図のように、画面中央にページが作成されるので、すぐに書き込みができます。
次に、実際にページを編集しましょう。下図のように、ページの一行目は自動的に「タイトル(見出し)」二行目は「本文」となります。
次に、文章を見やすくまとめるために箇条書きを使いましょう。
箇条書きは”半角スペース”で簡単に作成可能です。また、半角スペースを押す回数に応じて、箇条書きで階層構造をつくれます。
Scrapboxでは上記のようにさまざまな編集が可能ですが、文字色の変更などの一部の機能はデフォルトでは使えず、CSSなどを自社でカスタマイズする必要があります。
(6)別のページに移動する
次に、Scrapboxの代表的な特徴のひとつである「ページ間リンク」を作成します。ほかのツールではNotion(ノーション)などが、ページ間リンクを採用しています。
具体的には、ページのタイトル(見出し)をテキストで打ち込み、”[ ]”で囲うことでそのページへ移動できるのです。
上図のように、すでに作成済みのページのタイトル(見出し)を”[ ]”で囲うと、青いリンクが表示されます。逆に、該当するページがないタイトル(見出し)を”[ ]”で囲うと、赤いリンクになります。
そして、赤いリンクから新規ページを作成することも可能です。以上の操作で、ページ間リンクが作成できました。
(7)ページを並び替える
最後に、作成したページを並び替えましょう。Scrapboxではフォルダによる階層管理ができないので、目的のページを探し出すための並び替えは必須です。
プロジェクト全体の画面を開き、以下の手順に従いましょう。
- [Date Created]をクリックする
- 表示される任意の項目を選択して、ページを並び替える
以上の操作で並び替えは完了です。また、並び替えは以下の項目になっています。
- Date modified: 「更新日」で並び替える
- Date created: 「作成日」で並び替える
- Date last visited: 「最終アクセス日」で並び替える
- Page rank:「ページの重要性」で並び替える
- Most linked: 「被リンク数」で並び替える
- Most viewed: 「閲覧数」で並び替える
- Title: 「タイトル(見出し)」で並び替える
Scrapboxの記法
Scrapboxはテキストだけで情報を残せるものの、さらに利便性を高めるためには”独自の記法”を習得しなければなりません。そこで以下では、ヘルプページで紹介されている記法の一部をご紹介します。
記法 | 書き方 |
---|---|
文字のハイライト
|
`?`と半角スペース
|
(文字と同じフォントサイズで)アイコン表示
|
[ページ名.icon]
|
太字(*の数で文字の大きさが変わる)
|
[* 太字]
|
斜め文字
|
[/ 斜体文字]
|
打ち消し線
|
[- 打ち消し]
|
ハッシュタグ
|
#ページタイトル
|
数式
|
[$ 数式 ]([$ \sqrt{3 \times 4} ]など)
|
コード
|
`code`
|
Scrapboxの口コミ・評判
以下ではScrapboxを利用している実際のユーザーの口コミ・評判をご紹介します。導入前には第三者の声も参考にしましょう。
※こちらでご紹介する口コミ・評判はITreviewより引用しております。
Scrapboxの良い口コミ・評判
はじめに、Scrapboxの良い口コミと評判をご紹介します。利用ユーザーからは「リンクやタグが便利」「個人的なナレッジベースに使える」という声が寄せられています。
非公開ユーザー(投稿日:2020/10/4)個人的なナレッジベースとして、メモとして使用しています。evernoteやwikiなども使ってきましたが、圧倒的に書き出すまでの敷居が低いです。思い立った瞬間にページを作って書き出せ、最低限のタグ付けだけして終わりにしておけます。
非公開ユーザー(投稿日:2020/7/28)・ブラウザベースのためアプリインストール不要。プラットフォームを選ばずにメモやノートをどこでも閲覧/編集が可能な点。・よくある機能だがないと不便な、タグ付け可能で後から検索しやすい。
非公開ユーザー(投稿日:2020/7/15)自分が書いたノート内の重要と思う単語、例えば、プロジェクト名やアイディアなどを「[]」で囲うことで、それらがリンク化するので、自分だけのネットワークを作ることができる。
非公開ユーザー(投稿日:2020/7/15)ページ中の文字を「[」「]」で囲うことでその文字を内部リンクにすることができ,リンク元ページがページ下部に表示されるのでそこから別のページに移動することもできます。気になることや関連記事をどんどん開くことができ,知りたいことの解決がやりやすくなります。
非公開ユーザー(投稿日:2019/3/31)いわゆるWikiとして、あるテーマごとにページを作成して、それをリンクさせることにより情報が網羅されていく。リンクさせなくても、おススメ表示がなされて、知識の連携がカバーされる。
Scrapboxの改善点に関する口コミ・評判
次に、サイボウズOfficeの改善点に関する口コミと評判をご紹介します。利用ユーザーからは「階層で整理できないので使いづらい」「ノートが増えると見づらい」などの不満が寄せられています。
非公開ユーザー(投稿日:2019/12/27)・画像の貼り付けは別ツール(gyazo)になるため、セキュリティ面で不安を感じる時がある。・テンプレートの作成には、慣れが必要なのでもう少し使いやすくしてほしい。・スマホのブラウザでの利用は、使いにくいため専用のアプリの開発をお願いしたい。
非公開ユーザー(投稿日:2019/5/18)ノートが大量に保存された時にちょっと見づらくなるので、そのへんを整理するうまい方法があれば良いなとは思います。
非公開ユーザー(投稿日:2020/1/17)キーワードの前後に[ ]を入力すればタイトルに反映されるので、[]を含むようなソースコード・文書を保存するときは要注意だと思います。
非公開ユーザー(投稿日:2019/3/31)非階層化を強く打ち出しているのですが、コアユーザーにおいては理解できても、やはり一般層においてはすんなりと理解してもらえるものではないので、結局階層はある程度作らざるを得ない状況になってしまう。
非公開ユーザー(投稿日:2020/7/28)・ノート数が多くなった時の整理が面倒に感じる。(この手のツールの宿命かもしれません。)・アプリ版もあると便利な面もある。
【担当者必見】Scrapboxよりも簡単に資料へアクセスできるツール
以下では、Scrapboxよりも簡単に資料へアクセスできるツールをご紹介します。
Scrapboxの最大の特徴として「フォルダによる情報の階層管理ができない」ことが挙げられます。具体的には、ページとページを”リンク”でつなげて情報を管理するのです。
そのため、目的のページを探すのに手間がかかるうえに、一般的ではない管理方法なので社員が使いこなせない可能性があります。それゆえ、社内の情報管理をする場合には「目的の情報にすぐにアクセスでき、誰でも直感的に操作可能なツール」が必要です。
たとえば、Scrapboxのデメリットをカバーする代替ツールである「Stock」のような、数クリックで情報を探し出せる「アクセス性の高さ」と複雑な機能が一切ない「洗練されたシンプルさ」があるツールが自社には最適です。
Stockは「ノート」に情報を記載し、カテゴリごとに「フォルダ」で分かりやすく管理できます。また、ノートに紐づく形で「メッセージ」や「タスク」が利用できるなど、情報管理に必要な機能に過不足がないので、非IT企業の営業活動にストレスを与えません。
チームの情報を最も簡単に残せるツール「Stock」

「Stock」|チームの情報を最も簡単に残せるツール
Stockは、チームの情報を最も簡単に残せるツールです。「チャットツールだと情報が流れていき、ファイル共有だと面倒」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート機能」を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残せます。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用すると、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散せず、常に整理された状態で業務を遂行できます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITに詳しくないチーム向けのツールITの専門知識がなくても問題なく、簡単に始められます。
- とにかくシンプルで、誰でも使える余計な機能は一切なくシンプルなツールなので、誰でも簡単に情報を残せます。
- 驚くほど簡単に「情報ストック」と「タスク管理」ができる社内の共有情報等の「情報ストック」が驚くほどしやすく、さらに直感的な「タスク管理」も可能です。
<Stockの口コミ・評判>
![]() 池本 健太郎さん きずな綜合会計事務所 |
「会計事務所内の『情報ストック』と『タスク管理』が、すべてStock上で完結しています」 ★★★★★ 5.0 少なくとも会計事務所であれば、どこの事務所であっても大幅に業務効率を改善できると思います。しかし会計事務所に限らず、フォルダ階層形式でサクサクと情報共有したり、または簡単にタスク管理したいチームであれば、どこにも強くオススメできます。 |
![]() 塩出 祐貴さん 松山ヤクルト販売株式会社 |
「強烈な『ITアレルギー』があるチームでも、Stockならば、一切混乱なく導入できました」 ★★★★★ 5.0 弊社の宅配部門のスタッフの半分近くは50代以上と高齢で、キーボード入力が苦手なスタッフもいるほど、ITツールへの強い抵抗感がありました。しかし、Stockは他ツールに比べて圧倒的にシンプルで、直感的に使えるため、予想通り非常にスムーズに使い始めることができました。 |
![]() 西尾 太初さん 株式会社ハピネス |
「LINEだと情報が流れていってしまう問題が、一気に解消されました!」 ★★★★★ 5.0 従来使っていた『LINE』だと、情報が流れていってしまうので、後から過去の『営業の打ち合わせ記録』を振り返ることはできませんでした。しかし、Stock(ストック)を導入した後は、すべての『営業の打ち合わせ記録』が『ノート単位』で整然と管理されており、過去の営業記録にも即座にアクセスできます。過去に『いつ・誰と・何を』話したかが明確に分かるようになったので、2回目、3回目の営業戦略を立てられるようになりました。 |
<Stockの料金>

https://www.stock-app.info/pricing.html
登録から30日間は、全ての機能を無料で試すことができます。
また、トライアル期間終了後も、累計20ノートまでは永年無料で利用できます。
無料トライアル終了後に有料プランに申し込むことで、そのままノートを制限なく作成できる他、「誤削除防止機能」や「編集履歴機能」などのビジネスに必須の機能も継続して利用できます。そして、大容量のファイルも引き続きアップロード可能です。
有料プランでも1人あたり月額300〜400円程度からという非常に手頃な価格で利用できます。
Scrapboxの使い方・記法・口コミ・料金まとめ
ここまで、Scrapboxの使い方や記法、口コミや料金などを網羅的に解説しました。
Scrapboxはプロジェクトごとにページをまとめられる情報管理ツールで、独自の記法を習得すれば見た目もリッチに情報を残せます。一方で、ScrapboxはIT企業を中心に利用されているツールであり、多機能で使いこなすのが難しいため、導入前に社内のITリテラシーを考慮する必要があるのです。
今回ご紹介した「Stock」であれば、非IT企業の65歳の社員でも使いこなせるほどシンプルなツールなので、社内情報の管理に課題を感じている企業で有効活用できます。
無料登録は1分で完了するので、ぜひ「Stock」で社内外のあらゆる情報を一元管理して、情報管理・共有が効率的にできる環境をつくりましょう。

1986年生まれ。早稲田大学法学部卒。
新卒で、野村総合研究所(NRI)に、経営コンサルタントとして入社。
その後、株式会社リンクライブ(現:株式会社Stock)を設立。代表取締役に就任。
2018年、「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」ことをミッションに、チームの情報を最も簡単に残せるツール「Stock」を正式ローンチ。
2020年、ベンチャーキャピタル(VC)から、総額1億円の資金調達を実施。
2021年、東洋経済「すごいベンチャー100」に選出。