多くの企業で取り入れられているマニュアルですが、教育の時間を減らしたり、業務の均質化を図ったりするうえで不可欠です。さらに、マニュアルが見やすければ人によって認識に差がでる心配がないので、トラブルの防止につながります。
しかし、作成のコツが分からないまま運用してしまい、「マニュアルをつくったのに、誰も使っていない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、マニュアルの書き方のコツや作成手順を中心にご紹介します。
- 誰にとっても分かりやすいマニュアルを作成したい
- マニュアルを作ったが、社員が継続的に活用していない
- マニュアル作成には手間がかかるため、簡単に作成できるツールがあれば利用したい
という方はこの記事を参考にすると、分かりやすいマニュアルの書き方が分かり、業務の質を向上させられます。
目次
マニュアルの種類とは
ここでは、代表的な3種類のマニュアルを解説します。それぞれのマニュアルには、性質や目的に違いがあります。
<目的> | <記載事項> | |
---|---|---|
業務マニュアル |
業務の全体像の理解 |
業務の目的/フロー/ノウハウ/作業手順など |
作業手順書 |
手順など作業の標準化 |
各作業のワークフロー/必要なツール/注意事項などの詳細 |
取扱説明書 |
製品の適切な使い方の説明 |
機器やシステムの操作方法/エラーの対処法/メンテナンスのやり方など |
以下で各マニュアルの詳細を解説するので、適切に使い分けましょう。
業務マニュアル
業務マニュアルは、業務のフローやノウハウ、手順などが記載された資料です。
業務を進めるときは多くの作業と判断が伴うので、規則や前提知識の理解が欠かせません。そこで、業務マニュアルを活用すれば、必要なことがすべて分かるため、誰でも業務を円滑に進められるようになるのです。
ただし、業務マニュアルは「業務の全体像を理解させること」が目的であり、具体的なやり方は”作業手順書”にまとめられていることも多いので注意しましょう。
作業手順書
作業手順書は、ひとつの作業に関する具体的な説明が記載されたマニュアルです。
作業手順書には、各作業のワークフローや必要なツール、注意事項が詳細に記載されています。つまり、作業手順書は業務マニュアルよりも情報の粒度が細かいのです。
作業手順書に従って作業をすると、はじめて作業を任された人でも、品質を保ちながら仕事ができるようになります。そのため、作業の標準化を目的に活用されています。
取扱説明書
取扱説明書は、機器やシステムの操作方法・エラーの対処法・メンテナンスのやり方などが記載されたマニュアルです。
取扱説明書は、製品の適切な使い方を説明するものであり、製品に慣れていない人でも理解できるようになっています。また、作業員の怪我を防ぐため”注意事項”を伝える役割も担っており、必ず目を通しておく必要があります。
したがって、取扱説明書は作業手順書よりも情報の粒度が細かく、他部署のユーザーもターゲットにしたマニュアルだと言えます。
マニュアル作成の目的
マニュアル作成の目的は、主に以下の3つです。目的を理解していなければ「とりあえず書き起こしただけのマニュアル」になってしまうので、確実に押さえましょう。
- 業務の効率化
- 属人化の防止
- 業務の質の均一化
マニュアルがあれば、新入社員などの新たに業務を覚えなければならない社員に対して、先輩社員が指導に割く時間を短縮できます。また、コツや注意点も記載されていれば、初めての作業であってもミスが減り、作業時間は短くなります。
マニュアルによる業務フローや手順の共有によって、特定の社員に業務が偏ったり、任せきりになったりすることを減らせます。その結果、担当者が不在のときに業務を理解している社員がおらず、作業が滞るといった問題が発生しません。
マニュアル通りに業務を進めれば、どの社員が担当しても一定の品質は保証されます。社員それぞれの能力や経験値の差による質のバラつきを小さくできるのです。
以上の目的を意識したうえで、効果的なマニュアルを作成しましょう。
マニュアル作成における書き方のコツ7選
ここでは、マニュアル作りの上手い人が実践している7つのコツを解説します。見やすいマニュアルをつくるためにも、以下の基本を必ず実践しましょう。
(1)読み手を明確にイメージする
マニュアルを作成するうえで重要なのが、読み手を明確にイメージすることです。
たとえば、新入社員向けのマニュアルであれば、混乱を招かないために専門用語を減らしたり、注釈を入れたりする必要があります。一方で、経験豊富な社員に向けたマニュアルであれば、前提などの説明は省いておくべきです。
読み手を具体的にイメージすることで、マニュアルに必要な項目や構成、管理方法などを適切に検討でき、過不足のないマニュアルをつくれるようになるのです。
(2)分かりやすく簡潔なメッセージで伝える
読まれるマニュアルにするには、内容を分かりやすく簡潔に伝える必要があります。具体的に押さえるべきポイントは以下の4つです。
- 5W1Hを意識する
- 具体的に書く
- 正式名称で書く
- 表現を統一する
「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」を意識して記載すると、読み手は具体的な手順や状況をイメージできるようになります。
曖昧な表現は読み手の混乱を招くので避けましょう。人によって解釈が異なると、マニュアルのメリットである「作業の均質化」も図れません。
新入社員向けのマニュアルの場合、長い専門用語であっても省略せず正式名称で書きましょう。また、注釈を入れて用語を説明するのもおすすめです。
ひとつのマニュアルで同じ内容の表現が複数あると、読み手の理解を阻害する恐れがあります。また、「ですます調」と「である調」が混在すると読みづらくなるので、文章の表現は必ず統一しましょう。
以上のポイントを押さえれば「誰でも一目で内容が分かるマニュアル」をつくれます。
(3)業務のノウハウを記載する
明文化されていないノウハウ(業務に関する知識や経験)があれば、マニュアルに記載しましょう。
属人化している知識をマニュアルで示しておけば、後任がノウハウを活かして業務をスムーズに進められるようになります。そこで、「ナレカン」のように質問機能でノウハウを募れるうえ、回答をそのままマニュアルとして活用できるツールが役立つのです。
個々人のノウハウを共有しやすい環境を整えて、”業務を円滑に進めるための情報”が属人化しないようにしましょう。
(4)画像や図、映像をレイアウトする
画像や図、映像の活用も、読みやすいマニュアルには必須です。
マニュアルがテキストのみで構成されていると、理解に時間がかかる恐れがあります。しかし、画像・図・映像を挿入すれば目で見たときに認識しやすくなるので、よりスムーズな理解を促せるのです。
ただし、視覚イメージを取り入れすぎると、かえって作業の本旨が分かりづらくなってしまいます。そのため、テキストだけでは伝わりづらい内容や補助的な説明が必要な内容のみに限定して、適度に活用しましょう。
(5)業務の到達目標を明確にする
業務の到達目標も明確に記載しましょう。
業務の到達目標が明確であれば、常に最終地点から逆算して作業を進められるようになります。結果として作業が効率化したり、社員のモチベーションが高まったりする効果が得られるのです。
したがって、逆算思考によるパフォーマンスやモチベーションのアップを図るためにも、業務の到達目標は明確に設定しましょう。
(6)完璧を目指さない
マニュアル作成における書き方のコツとして、完璧を目指さないこともあげられます。
マニュアルは一度作成して終わりではありません。更新を前提として、作業の変更点や社員がわかりづらいと感じる部分を常に修正していく必要があります。
完璧なマニュアルを目指して、細かく作り込んでしまうと内容の修正に時間がかかります。また、作成者自身にとって大きな負担となるのです。
(7)管理や共有のしやすさを考える
マニュアルは管理や共有のしやすさも大切です。
マニュアルをつくってもチームに浸透するとは限りません。また、定期的に内容を更新しなければ、マニュアルと実務にズレが生じて、社員がマニュアルに価値を感じなくなってしまいます。
そのため、マニュアルを継続的に運用するには、簡単に更新ができる仕組みが必要です。たとえば、必要な機能に過不足がない「ナレカン」であれば、ITに詳しくない方でもマニュアルの更新に手間がかかりません。
【必見】最も簡単にマニュアルを作成・管理できるツール
ここでは、最も簡単にマニュアルを作成・管理できるツールをご紹介します。
紙のマニュアルでは、作成に時間がかかり、全員に伝わるまでにタイムラグが生じるため、トラブルが発生しやすいです。また、WordやExcelでは、レイアウトの調整などが面倒なので、PC作業に慣れていない方には不向きと言えます。
そこで、マニュアルを作成・管理・共有できる「ITツール」を使えば、マニュアルの作成・共有に関わる手間を大幅に削減できます。ただし、複雑なツールでは社員が使いこなせず、導入が失敗しかねないので誰にとっても使いやすいツールを選びましょう。
結論、選択すべきツールは、数十名~数万名と幅広い規模の企業で使える機能を備えながらも、メールを使える方ならばすぐに使える程シンプルな「ナレカン」一択です。
ナレカンで作成するマニュアルには、テキストだけでなく画像やファイルを添付できるうえに、リアルタイムで任意のメンバーに共有されます。また「フォルダ」で部署や業務ごとにマニュアルを振り分けられるので、大企業~中堅企業での利用に最適なのです。
非IT企業の社員でも即日で使いこなせるツール「ナレカン」
「ナレカン」|最もシンプルなナレッジ管理ツール
ナレカンは、最もシンプルなナレッジ管理ツールです。
「数十名~数万名規模」の企業様のナレッジ管理に最適なツールとなっています。
自分でナレッジを記載する場合には「記事」を作成でき、『知恵袋』のような感覚で、とにかくシンプルに社内メンバーに「質問」することもできます。
また、ナレカンを使えば、社内のあらゆるナレッジを一元的に管理できます。
「マニュアル」 「社内FAQ」「議事録」「トークスクリプト」等、あらゆるナレッジを蓄積することが可能です。
更に、ナレカンの非常に大きな魅力に、圧倒的な「初期導入支援サポート」と「ご利用中サポート」があります。ナレカン導入担当者の方の手を、最大限煩わせることのないサポートが提供されています。
<ナレカンをおすすめするポイント>
- 【機能】 「ナレッジ管理」に特化した、これ以上なくシンプルなツール。
「フォルダ形式」で簡単に情報を整理でき、「記事形式」「(知恵袋のような)質問形式」でナレッジを記載するだけです。
- 【対象】 数十名~数万名規模の企業様で、社内のあらゆるナレッジを一元管理。
「マニュアル」 「社内FAQ」「議事録」「トークスクリプト」等、あらゆるナレッジを蓄積可能です。
- 【サポート】 圧倒的なクオリティの「初期導入支援」と「ご利用中」サポート。
圧倒的なクオリティのサポートもナレカンの非常に大きな魅力です。貴社担当者様のお手間を最大限煩わせることないよう、サポートします。
<ナレカンの料金>
- ビジネスプラン :標準的な機能でナレカンを導入したい企業様
- エンタープライズプラン :管理・セキュリティを強化して導入したい企業様
https://www.narekan.info/pricing/
詳しい金額は、下記「ナレカンの資料をダウンロード」ボタンより、資料をダウンロードしてご確認ください。
マニュアル作成ツールの選定ポイント3選
マニュアル作成にかかる手間を減らし効率良く作るのであれば、ITツールの導入が必須です。そこで、以下の選定ポイントを意識して、数多くのITツールから自社に最適なツールを見つけましょう。
(1)簡単に更新できる
マニュアルの内容を変更したいとき、簡単に修正・更新できるものを選びましょう。
機器やシステムの変更などに伴い業務内容や業務フローは少しづつ変化していき、それに合わせてマニュアルも更新対応が必要です。しかし、修正に手間がかかると作業が後回しになり、適切なタイミングでマニュアルが更新されない可能性があります。
そのため、すぐマニュアルにアクセスでき、複数人が編集作業できるようなツールが良いです。さらに、マニュアルの編集履歴が残るITツールであれば、更新箇所などを一目で把握できます。
(2)マルチデバイスに対応している
PCだけでなく、スマートフォンやタブレットにも対応しているツールを選びましょう。
営業や現場作業の方は、業務マニュアルを外出先や現場で確認することも多いため、スマホですぐ見れる環境を整えておかなければなりません。また、マルチデバイス対応でも、表示形式が異なると不具合が起こる可能性があるため注意が必要です。
たとえば、「ナレカン」はマルチデバイス対応なうえ、PCとスマートフォンで表示形式が変わらないため、ストレスなくマニュアルの閲覧・更新が可能なのです。
(3)セキュリティが高い
万全のセキュリティ対策で、情報漏洩のリスクが少ないツールを選びましょう。
業務マニュアルには業務手順やノウハウが含まれており、中には営業秘密の情報も蓄積されています。さらに、「情報が盗まれた」という評判が知れ渡れば、企業イメージが大幅に下がる原因にもなります。
よって、不正アクセスから企業を守るためにもセキュリティの高いITツールが必須です。とくに、「ISO27001」といった国際セキュリティ資格などを保持しているツールだと、大企業でも安心して利用できます。
【例あり】上手い人が実践する!マニュアル作成の基本的な手順
以下では、マニュアル作成の基本的な手順を7ステップでご紹介します。
(1)対象範囲を決める
まずは、マニュアルの対象範囲を設定します。
マニュアル化する作業や製品、サービスの対象を設定しておけば、内容が本旨から外れづらくなり、読み手のニーズに沿ったマニュアルをつくれます。
また、「1対象につき1マニュアル」を意識すると、情報の混在が起こらず読み手のストレスを生まないのでおすすめです。
(2)作成スケジュールを立てる
マニュアルの対象が決まったら、次にマニュアル作成のスケジュールを立てます。
具体的には、「作成期間」「修正期間」「仮運用期間」を決めましょう。仮運用期間を設けておけば、 社員からのフィードバックを受けて改善できるので、より実践的なマニュアルをつくれるのです。
ただし、急遽マニュアルの修正が必要になるケースもあるため、スケジュールには余裕を持たせましょう。
(3)管理形式を決める
スケジュールの決定後には、マニュアルの管理形式を決めます。
マニュアルの管理を成功させている企業は、「フォルダ」ごとに適切にマニュアルを分類しています。たとえば、部署ごとにフォルダを分けて、”販売部”のなかに小分類で”クレーム報告”を作り、その中でクレーム対応のマニュアルを整理するのです。
資料を探す時間が減れば、作業スピードもアップします。したがって、マニュアルの管理形式を決めるときは「目的の情報へすぐにたどり着けるか」を判断しましょう。
たとえば、上図のように「ナレカン」であれば、業務内容ごとに「フォルダ」を分けて管理できるので、必要な資料へすぐにアクセスできます。
(4)構成と目次を作成する
マニュアルの管理形式を決めたら、全体の構成と目次を作成します。
構成・目次は、見ただけで業務の概要が分かるようにしなければなりません。文章が冗長だったり手順にズレがあったりすると、目的の情報がどこに記載されているか分かりづらくなり、活用されづらいマニュアルになってしまうのです。
したがって、社員が必要な情報を瞬時に見つけられるように、マニュアルの構成・目次は分かりやすく簡潔にしましょう。
(5)具体的な業務内容を記載する
次に、構成・目次に従って業務内容を記載します。
具体的には、業務の進行手順やノウハウ、遵守すべきポイントなどを記載します。また、記載する際は、実際の作業をイメージしたり担当者と連携したりすることで、信頼性の高いマニュアルをつくれるのです。
ただし、情報を詰め込み過ぎるとかえって見づらくなるので、箇条書きを使ったり、画像をいれたりして工夫しましょう。また、リンクを挿入できる機能があると、わざわざページを探さなくても、関連する情報へすぐにアクセスできるため便利です。
(6)注意事項やQ&Aのページを設ける
業務内容に加えて、注意事項やQ&Aをまとめたページも作成します。
注意事項を記載すると、作業の正しい手順や製品・サービスの適切な使い方が明確になるので、社員の安全を守れます。また、「Q&A」があれば業務の不明点も瞬時に解決できるため、担当者に質問する無駄な時間も必要もなくなるのです。
したがって、注意事項やQ&Aは、業務を正確かつ安全に進めるだけでなく、確認の手間を省くうえでも必須の項目と言えます。
マニュアルを継続的に運用するポイント
以下は、作成したマニュアルを継続的に運用する2つのポイントです。作ったマニュアルが社内で正しく活用されるために、必ず確認しましょう。
定期的に改善する
1つ目のポイントは、定期的なマニュアルの改善です。
マニュアルの更新が滞った場合、実務とマニュアルに乖離が生まれるため社員が活用しづらくなります。したがって、マニュアル運用を失敗させないためには、簡単に内容を更新できる環境が必要なのです。
また、「ナレカン」のようにマニュアルに紐づくコメント機能があれば、内容の更新を簡単に社員に共有できます。そのため、情報更新のたびに印刷したりメールを送ったりといった手間がかかりません。
ITツールを導入する
マニュアルを継続的に運用する2つ目のポイントは、ITツールを導入することです。
マニュアルをITツールで運用すれば、「スマホからでも確認できる」「複数人で同時に閲覧可能」といったメリットが得られます。その結果、マニュアルが社員に活用されやすくなるのです。
とくに、クラウド型のITツールであれば、時間や場所を問わず情報へアクセスできるようになります。そのため、ITツールを選ぶ際は、「ナレカン」のようなクラウド型のツールをおすすめします。
マニュアルの書き方のコツや作成手順まとめ
これまで、マニュアルの種類や書き方のコツ、作成手順を中心に解説しました。
「継続的に利用されるマニュアル」をつくるには、現場の社員を明確にイメージしたり、管理や共有のしやすさを考えたりすることが必要です。
しかし、マニュアルを紙やWord、Excelで管理する場合、更新のたびに最新版を共有する手間がかかってしまいます。そこで「ITツール」を活用すれば、更新した内容は自動で社員に共有されるので、マニュアルを運用しやすい環境が整うのです。
ただし、多機能なツールの場合、複雑な操作性が原因で社内に浸透しない恐れがあるため注意が必要です。結論、選択すべきツールは、誰にとっても使いやすいシンプルな情報共有ナレッジ管理ツール「ナレカン」一択です。
ぜひ「ナレカン」を導入して、マニュアル作成のストレスを解消し、継続的に運用できる環境を整えましょう。