業務に使うシステムの操作方法や前任者の業務内容の引き継ぎなど、業務上のさまざまなシーンで使え、業務を円滑にするツールのひとつに「マニュアル」があります。
マニュアルを作成・運用することで、業務効率化や生産性の向上はもちろん、社員にかかる教育コストの削減にも貢献します。
一方で、マニュアルの類義語には「説明書」や「手順書」などがあるなかで、マニュアルと手順書、説明書の違いがわからない方や、特に先輩の業務を真似して業務を覚えていくスタイルの職場では「そもそもマニュアルを作る目的・メリットとは?」と感じる方もいるでしょう。
そこで今回は、マニュアルの定義をはじめとした、マニュアルのメリットや作成・運用術までご紹介します。
- 新人教育のためのマニュアル作りに悩んでいる
- マニュアルの効果的な運用が分からない
- マニュアルの定義や目的を明確にしたうえでマニュアル作成をしたい
という方は、ぜひこの記事を参考にしてマニュアル作成から運用までを効率化、業務全体の生産性を向上させていきましょう。
目次
マニュアルの定義
定義の確認は、本来の目的と違った文書を作成してしまうことの防止にも繋がります。辞書でのマニュアルの定義は以下の通りです。
マニュアル【manual】① 機械・道具・アプリケーションなどの使用説明書。取扱説明書。手引き書。② 作業の手順などを体系的にまとめた冊子の類。引用:デジタル大辞泉
定義によると「マニュアル」には、オペレーションの意味を含む①の機械や道具などの「取扱説明書」と、②の作業手順をまとめた「作業手順書」の2つの意味があります。
企業によってはマニュアルを「業務全体の運用方法をまとめたもの」、説明書や手順書を「一業務の作業方法や手順を具体的にまとめたもの」というように分ける場合もありますが、一般的には「マニュアル」=「作業手順書」として扱われているケースが大半です。
一方、日常生活における「マニュアル」は、ユーザーマニュアルをはじめとした電化製品などの「取扱説明書」を指します。
マニュアルの作成時、本来のマニュアルの意図から逸れてしまっていると途中で気づいた場合は、定義に立ち返ることも必要です。
マニュアル作成の目的とメリット3選
「マニュアルを作るのに手間がかかるうえ、そもそも使われるかどうかも分からない」という企業風土や担当者の意向があると、なかなかマニュアル作成へ踏み込むことができません。
業務効率化への第一歩は、自社全体にマニュアルへの理解を浸透させるところからはじまります。
もちろん、マニュアル作成は工数がかかるものであり、そこに十分なリソースを割いて取り組む必要があります。しかし、こうした負担の一方でマニュアルによる「業務手順の共有」は業務効率化に絶大な効果があります。
また、マニュアルは一度作成してしまえば、使い回しができるうえに、自社のノウハウが蓄積されていることからマニュアルそのものが自社における情報資産にもなり得ます。
この他にも、マニュアル活用が実現させる「業務効率化」はさまざまなメリットがあります。詳しく見ていきましょう。
知識・スキルの統一化
マニュアルを導入する1つ目のメリットは、「知識・スキルの統一化」です。
たとえば、業務マニュアルがない場合は、教育担当者を設定し、現場の作業者が変わるたびに毎回同じ内容を教育しなければなりません。さらに「〇〇の作業はAさんしか分からない」「Bさんがいないと××の作業はできない」、といった、スキルの属人化が発生してしまう可能性があります。
上記の状態では、知識とスキルが特定の人に偏ってしまっているため、業務が行えなかったり、作業の遅延が起きたりしてしまうでしょう。
スキルの属人化を防ぐため、マニュアルを作成・運用することで「知識とスキルの統一化」ができ、結果としてメンバー内での知識やスキルの偏りがなくせます。
作業品質の均一化
マニュアルを導入する2つ目のメリットは、作業品質の均一化です。
これは、チーム内のどのメンバーが同じ作業をしても、作業の品質(結果)が均一になるということです。
たとえば、コンビニエンスストアなどでは「年齢・国籍」問わず働いている方が多いですが、店は一定の利益を出し続けています。
この例では、店舗ごとにあらかじめ用意されているマニュアルによって、決められた業務内容を決められた方法で行う旨を社員に教育できる体制が整備されている、という背景があります。
マニュアルによって、人によって作業結果に差が出てしまうことなく、作業品質が均一化されるのです。
タイムロスが減る
マニュアルを導入する3つ目のメリットは、「タイムロスが減る」ことです。
たとえば、自身で行う作業で分からない内容があったとき、聞く人が近くにいない場合はマニュアルを見ることで解決できるケースが多くあります。
他にも、質問したい人が近くにいない場合にも、マニュアルがあればノウハウを持つ人を待たずに自己解決できる可能性も上がるでしょう。
このように、マニュアル化することで「時間短縮」にも繋がり、質問相手への時間的コストも削減できます。
使われるマニュアルにするための運用術
マニュアルを作成しても運用が行われておらず、使われていないというケースも少なくありません。
マニュアルを作ることが目的になってしまうと、作成しても誰も閲覧しないというケースに陥ってしまいます。そのため、マニュアル作成時には運用までを見据えて計画、実行する必要があります。
以下では、使われるマニュアルにするための運用術をご紹介しますので、運用術を駆使して、使われるマニュアル運用を行いましょう。
マニュアルの管理者を決める
マニュアル運用術で最も重要なのは、マニュアルの管理者を決めることです。
マニュアルの管理者を定めておくと、継続的なマニュアル運用が可能になるうえ、利用者はマニュアルに関しての意見や質問する先が分かりやすくなります。
その結果、活用しやすい雰囲気ができ、より使いやすいマニュアルとして育てていけるようになります。
フィードバックを得て改善する
マニュアルを継続的に使用されるための工夫のひとつに「利用者のフィードバックを得て改善」することが挙げられます。
マニュアルを使うのはマニュアルの作成者ではなく、マニュアルを使って作業をする人です。そのため、「利用者にとって読みやすい文章であるか」「作業手順の正しく記載されているか」などを心がけなくてはいけません。
マニュアルが利用者にとって使いやすいかどうか確認するためにも、マニュアルに対する意見を求めるための「アンケート」を行っておきましょう。
アンケートは定期的に行い、現場からでた声をもとにマニュアルをブラッシュアップしていくことが重要です。
マニュアルの目的・メリットを理解する
マニュアルの目的やメリットは作成者だけが理解しているだけでは不十分であり、実際に使う現場での理解も必要です。
実際にマニュアルを作成・運用してみたところ、想定していた運用方法とは異なり、数々の課題が発生したというケースはよくある話です。
運用上の課題を可視化しただけでも、マニュアルの効果が発揮されていると確認できますが、さらに踏み込んで、具体的に「なぜこの作業をやるのか」「この作業を行うことでどのようなメリット」が生まれるのか、までを現場レベルに落とし込んでいきましょう。
マニュアルの作成方法3ステップ
マニュアルを作る媒体は、「word」や「パワーポイント」、「マニュアル作成ツール」などがあり、企業ルールに則った方法で作成すると良いでしょう。
特に、マニュアル作成ツールなどの「情報共有ツール」では、マニュアル作成と同時にチャットも行うことができ、よりフィードバックを集めやすくなるというメリットがあるのでおすすめです。
以下では、効果的なマニュアルの作成方法3ステップをご紹介します。
マニュアルの大枠を考える
マニュアル作成手順の1つ目は、マニュアルの大枠を考えることから始めます。
マニュアルの大枠とは、作成時の前提条件を指し、「誰のために」「何を」「どの範囲まで」の作業領域を定め、マニュアルの方向性を決定したものです。
あからじめマニュアルの大枠を定めると、次に繋がるマニュアルの方向性や、構成を含む詳細までが設計しやすくします。
構成を考える
次は、マニュアルの「構成」を考えます。
構成とは、マニュアルに書く「作業手順の骨格」となるものです。「構成=目次」と考えていただければ、分かりやすいでしょう。
この作業手順の骨格となる「構成」を決めることで、作業全体の流れのブレを無くし、マニュアルに一貫性を持たせられます。
構成に沿って作業手順を書き出す
構成を考えた後は、各構成に沿って作業手順を書き出します。
作業手順を書き出す際は、読み手に配慮したマニュアル作成を1番に考えることがポイントです。
そのため「文章は読みやすく書く」「専門用語は分かりやすく言い換える」「図や写真を使って視認性を上げる」など読み手の理解を促す工夫を最大限に凝らしましょう。
関連記事: 本当に使える正しい業務マニュアルの作成方法
自社のマニュアル作成を簡単にするおすすめの情報共有ツール
以下では、マニュアルの作成から管理・更新までが簡単にできるツールをご紹介します。
マニュアル作成にはいくつかの方法がありますが、自社でのマニュアル作成には「情報共有ツール」がおすすめです。「情報共有ツール」を使用することで、マニュアルの共有はもちろん、複数人での共同作業も可能になるからです。
共同作業機能は非常に使い勝手がよく、たとえば、オンラインでの打ち合わせが増えた今日では、遠隔で作業・修正しながらマニュアル作成が簡単にできます。また、「チャット機能」もついていると共有したマニュアルのフィードバックが利用者から簡単に得られ、素早いマニュアル改善に繋げられます。
しかし、これら2つの機能を持ち、なおかつ誰でも簡単に利用できるものは、数ある情報共有ツールのなかでも限られてきます。
たとえば、情報共有ツールの「Stock」は誰でも使えるマニュアル管理ツールとして、幅広い規模や業界の企業の導入累計100,000社以上の実績を誇る、今注目のサービスです。
チームの情報を最も簡単に残せるツール「Stock」

「Stock」|チームの情報を最も簡単に残せるツール
Stockは、チームの情報を最も簡単に残せるツールです。「チャットツールだと情報が流れていき、ファイル共有だと面倒」という問題を解消します。
Stockを使えば、「ノート機能」を利用して、要件などのテキスト情報や、画像やファイルなどのあらゆる情報を誰でも簡単に残せます。
また、「タスク」や「メッセージ」の機能を利用すると、ノートに記載したテーマごとにコミュニケーションを取ることができるため、あちこちに情報が分散せず、常に整理された状態で業務を遂行できます。
<Stockをおすすめするポイント>
- ITに詳しくないチーム向けのツールITの専門知識がなくても問題なく、簡単に始められます。
- とにかくシンプルで、誰でも使える余計な機能は一切なくシンプルなツールなので、誰でも簡単に情報を残せます。
- 驚くほど簡単に「情報ストック」と「タスク管理」ができる社内の共有情報等の「情報ストック」が驚くほどしやすく、さらに直感的な「タスク管理」も可能です。
<Stockの口コミ・評判>
![]() 池本 健太郎さん きずな綜合会計事務所 |
「会計事務所内の『情報ストック』と『タスク管理』が、すべてStock上で完結しています」 ★★★★★ 5.0 少なくとも会計事務所であれば、どこの事務所であっても大幅に業務効率を改善できると思います。しかし会計事務所に限らず、フォルダ階層形式でサクサクと情報共有したり、または簡単にタスク管理したいチームであれば、どこにも強くオススメできます。 |
![]() 塩出 祐貴さん 松山ヤクルト販売株式会社 |
「強烈な『ITアレルギー』があるチームでも、Stockならば、一切混乱なく導入できました」 ★★★★★ 5.0 弊社の宅配部門のスタッフの半分近くは50代以上と高齢で、キーボード入力が苦手なスタッフもいるほど、ITツールへの強い抵抗感がありました。しかし、Stockは他ツールに比べて圧倒的にシンプルで、直感的に使えるため、予想通り非常にスムーズに使い始めることができました。 |
![]() 西尾 太初さん 株式会社ハピネス |
「LINEだと情報が流れていってしまう問題が、一気に解消されました!」 ★★★★★ 5.0 従来使っていた『LINE』だと、情報が流れていってしまうので、後から過去の『営業の打ち合わせ記録』を振り返ることはできませんでした。しかし、Stock(ストック)を導入した後は、すべての『営業の打ち合わせ記録』が『ノート単位』で整然と管理されており、過去の営業記録にも即座にアクセスできます。過去に『いつ・誰と・何を』話したかが明確に分かるようになったので、2回目、3回目の営業戦略を立てられるようになりました。 |
<Stockの料金>

https://www.stock-app.info/pricing.html
登録から30日間は、全ての機能を無料で試すことができます。
また、トライアル期間終了後も、累計20ノートまでは永年無料で利用できます。
無料トライアル終了後に有料プランに申し込むことで、そのままノートを制限なく作成できる他、「誤削除防止機能」や「編集履歴機能」などのビジネスに必須の機能も継続して利用できます。そして、大容量のファイルも引き続きアップロード可能です。
有料プランでも1人あたり月額300〜400円程度からという非常に手頃な価格で利用できます。
マニュアルの定義とは?まとめ
マニュアルの定義から、導入のメリットや作り方などをご紹介してきました。以下が今回のまとめになります。
- 多くの企業ではマニュアルは手順書や説明書の意味を包括して使われる場合が多い。主に業務効率化や生産性の向上の目的に用いられる。
- マニュアルを正しく運用することで、具体的には教育コストの削減や、製作物における質の均一化、タイムロスの削減が期待できる。
- マニュアルの作成には共同作業機能や、フィードバックをもらいやすいチャット機能などが備わっている、Stockをはじめとした情報共有ツールがおすすめ。
マニュアルは作成しただけでは意味がなく、その後正しく運用することが重要ですが、正しい運用のためにはマニュアルの適切な管理が大切です。作成したはずなのにマニュアルが見つからないなどといった事態に陥れば、そもそも正しい運用には繋がりません。
そのため、マニュアルは検索性が高く分かりやすく蓄積できるツールで管理しましょう。
今回ご紹介したStockは高い検索性を誇る情報共有ツールです。
キーワード検索はもちろん、タグ検索もできるため大切なマニュアルが行方不明になってしまうこともありません。さらに、ノートはすべてフォルダに紐づくため、簡単にマニュアルをカテゴリ分けして格納できます。
利用は無料からでき登録も1分で完了するので、ぜひ「Stock」を活用して業務効率化や生産性の向上を実現しましょう。

1986年生まれ。早稲田大学法学部卒。
新卒で、野村総合研究所(NRI)に、経営コンサルタントとして入社。
その後、株式会社リンクライブ(現:株式会社Stock)を設立。代表取締役に就任。
2018年、「世界中の『非IT企業』から、情報共有のストレスを取り除く」ことをミッションに、チームの情報を最も簡単に残せるツール「Stock」を正式ローンチ。
2020年、ベンチャーキャピタル(VC)から、総額1億円の資金調達を実施。
2021年、東洋経済「すごいベンチャー100」に選出。